Histopathology

Histopathology · H2-072A

男性生殖器:セミノーマ

MALE GENITALIA Seminoma

描出疾患
精巣腫瘍

🧠 全体像は若年〜中年男性に多い悪性で、均一な明調細胞、の組合せが典型である。純粋ではAFPは上昇せず、治療はまずを行い、その後は病期と再発リスクで経過観察・薬物療法・放射線療法を選ぶ。

発生と臨床像

  • 多くはを背景に発生する。
  • 典型的には無痛性の片側精巣腫大・腫瘤で発見される。
  • 肉眼的には灰白色〜淡褐色、均質で比較的境界明瞭な腫瘤となる。
  • 純粋例では出血・壊死は少ない。目立つ出血・壊死やがあれば、成分を検索する。

組織像

所見 診断上の意味
大型で均一な腫瘍細胞 円形核、明瞭な核小体、細胞境界が明瞭
明るい細胞質 グリコーゲンを多く含む
胞巣・小葉状配列 で区画される
リンパ球 Tリンパ球主体で、形質細胞を伴うことがある
一部でhCG産生の原因となる
周囲の萎縮 腫瘍による圧迫や背景病変を反映しうる
flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='germ cell neoplasia in situ (GCNIS)'>胚細胞腫瘍性上皮内病変</span>"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='seminoma'>セミノーマ</span>"]
    B --> C["均一な明調細胞"]
    B --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='fibrous septa'>線維性隔壁</span>"]
    B --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='lymphocytic infiltration'>リンパ球浸潤</span>"]
    C --> F["形態と<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Immunophenotype'>免疫表現型</span>を統合"]
    D --> F
    E --> F
    F --> G["病期・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='tumor markers'>腫瘍マーカー</span>評価"]

ではOCT3/4、SALL4、SOX17、KITなどが診断を補助する。形態に合わない場合はリンパ腫などを含めてパネルで評価する。

腫瘍マーカー

マーカー での解釈
AFP 純粋では上昇しない。明らかな上昇は成分を疑う
β-hCG を伴う一部で上昇しうる
LDH の補助指標だが特異的ではない

正常値でも腫瘍を除外できない。マーカーはの前後に測定し、半減期に沿った低下を病期評価へ組み込む。病理報告では、精巣門軟部組織、精巣上体、精索、脈管への進展も評価する。

進展と治療

後腹膜リンパ節へ進展し、進行すると縦隔・頸部リンパ節や肺などへ広がる。遠隔転移はより遅い傾向があるが、に限るという意味ではない。

flowchart TD
    A["精巣内腫瘤を疑う"] --> B["超音波・AFP・β-hCG・LDH"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='groin'>鼠径部</span>アプローチの<span class='jp-term jp-term-diagram' title='radical inguinal orchiectomy'>高位精巣摘除術</span>"]
    C --> D["病理・術後マーカー・胸腹骨盤画像で病期決定"]
    D --> E{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='clinical stage (cTNM)'>臨床病期</span>"}
    E -->|"I期"| F["原則は厳密な経過観察<br>選択例で<span class='jp-term jp-term-diagram' title='carboplatin'>カルボプラチン</span>"]
    E -->|"IIA〜IIB期"| G["化学療法または放射線療法を個別選択"]
    E -->|"IIC期以上"| H["国際胚細胞癌共同分類に沿うシスプラチン併用療法"]

⚠️ であることは重要だが、「手術後は一律に放射線療法」とはしない。I期では晩期毒性を避けるため経過観察が標準的選択で、は再発リスク、本人の希望、追跡可能性を踏まえて決める。を疑う場合、経陰嚢生検は行わない。詳しくはを参照する。

の基本的な組織像は、本病変との形態比較はも参照する。

まとめ

  • 均一な明調細胞、が典型像である。
  • 純粋でAFPは上昇しないが、β-hCGは一部で上昇しうる。
  • 最初の治療・確定診断はアプローチのである。
  • だけで治療を固定せず、病期と晩期毒性を含めて選択する。