Histopathology

Histopathology · H2-075B

成熟奇形腫(HE染色):組織同定

Teratoma adultum (HE)

🧠 全体像では、腫瘍内の多様な組織を「上皮性か間葉性か」「どの胚葉系か」「成熟しているか」の順に同定する。組織名の列挙だけで終わらず、未熟成分、他の成分、体細胞型悪性腫瘍がないかを確認する。

組織同定の手掛かり

組織 HEでの手掛かり 胚葉系
層状分化、角化、皮膚付属器を伴いうる 外胚葉
成熟軟骨 内の、均質な軟 中胚葉
平滑筋 質をもつの束状配列 中胚葉
脂肪・線維組織 成熟性間質 中胚葉
結腸様上皮 を含む腸管型腺管 内胚葉
気管支様上皮 線毛円柱上皮、粘液腺、軟骨を伴いうる 内胚葉
漿液腺・粘液腺 腺房・導管形成と分泌物 主に内胚葉系として扱う

三胚葉すべてが一枚の切片にそろう必要はない。成熟組織が正常臓器とは異なる組合せ・配列で混在することが重要である。

flowchart TD
    A["構成組織を列挙"] --> B["上皮性か間葉性か"]
    B --> C["胚葉系を整理"]
    C --> D["成熟度を評価"]
    D --> E["未熟神経上皮を検索"]
    E --> F["他の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='germ cell tumour'>胚細胞腫瘍</span>成分を検索"]
    F --> G["体細胞型悪性腫瘍を検索"]

見落としてはいけない成分

成分 なぜ重要か
未熟神経上皮 との区別に関わる
混合型として分類・治療に影響する
肉腫・腺癌・扁平上皮癌 体細胞型悪性腫瘍を伴うとして扱う
思春期後型を支持する
壊死・ 評価に重要だが、単独で組織型を決めない

年齢と部位を統合する

臨床背景 成熟像の解釈
思春期前精巣 多くは非関連で、良好な挙動
思春期後精巣 成熟組織のみでも悪性として病期評価
成人卵巣 は通常良性だが、まれなを評価
縦隔・など 年齢、完全切除、未熟・悪性成分の有無を統合

⚠️ 「成熟した組織だから良性」としない。病理学的成熟度と臨床挙動は発生部位・年齢で異なる。

臨床挙動の判定

flowchart TD
    A["多種類の成熟組織"] --> B{"精巣か、他部位か"}
    B -->|"精巣"| C{"思春期前か後か"}
    C -->|"思春期前"| D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='germ cell neoplasia in situ (GCNIS)'>胚細胞腫瘍性上皮内病変</span>非関連型を検討"]
    C -->|"思春期後"| E["悪性<span class='jp-term jp-term-diagram' title='germ cell tumour'>胚細胞腫瘍</span>として病期評価"]
    B -->|"他部位"| F["部位固有の分類と挙動を評価"]

分類・挙動の詳細は(HE染色)全体の診療はを参照する。

まとめ

  • 構成組織を系統的に同定し、胚葉と成熟度を整理する。
  • 未熟成分、他の成分、体細胞型悪性腫瘍を検索する。
  • 三胚葉すべてが一枚の切片にそろう必要はない。
  • 成熟度だけで良悪性を決めず、年齢・部位・病期と統合する。