Histopathology

Histopathology · H2-121B

デスモイド型線維腫症(腸間膜腫瘤の鑑別診断編)

Desmoid fibromatosis – MESENTERIUM (2)

描出疾患
軟部肉腫

🧠 全体像のWnt/β-経路異常・組織像・FAP関連・(腸間膜)線維腫症との対比はとの鑑別編)で扱った。腸間膜の病変は以外にも複数あり、本項目では核内β-免疫染色を軸に、腸間膜腫瘤の鑑別に用いるパネルを整理する。

腸間膜紡錘形細胞病変の鑑別

疾患 核内β- CD117(KIT)・DOG1 ・SMA その他の所見
陽性(褐色のDAB発色) 陰性 SMAは部分陽性になりうるが、は通常陰性〜弱陽性 高分化な線維芽細胞・、浸潤性の束状増殖
GIST( 陰性(膜性パターンにとどまる) 多くが陽性 通常陰性 様分化、KIT/PDGFRA変異が背景にあることが多い
陰性 陰性 ・SMA・カルデスモンが強くびまん性陽性 好酸性の線維状細胞質、核の両端が
陰性 陰性 陰性〜弱陽性 ・慢性を伴う線維化が優位
陰性 陰性 部分陽性のことがある 形質細胞に富む炎症性間質、一部でALK陽性・ALK

⚠️ 核内β-陽性はを強く支持する所見だが、単独の染色パターンだけで確定診断とせず、形態(高分化な線維芽細胞・、浸潤性の束状構築)と組み合わせて判断する。逆にCD117/DOG1陽性であればGISTを積極的に疑い、β-染色の解釈より先に鑑別の軸を移す。

flowchart TD
    A["腸間膜の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='spindle cells'>紡錘形細胞</span>腫瘤"] --> B["形態評価(束状配列・細胞異型の乏しさ)"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='immunohistochemistry (IHC)'>免疫組織化学</span>パネル"]
    C --> D{"CD117・DOG1陽性か"}
    D -->|"陽性"| E["GISTを疑う"]
    D -->|"陰性"| F{"核内β-<span class='jp-term jp-term-diagram' title='catenin'>カテニン</span>陽性か"}
    F -->|"陽性"| G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='desmoid-type fibromatosis'>デスモイド型線維腫症</span>"]
    F -->|"陰性"| H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='smooth muscle tumors'>平滑筋腫瘍</span>・硬化性腸間膜炎・IMTなどを再検討"]

GISTとの鑑別が重要な理由

腸間膜・後腹膜という部位ではGISTとはいずれも主体の腫瘤として画像的に類似しうるが、GISTはKIT/PDGFRA阻害薬によるが第一選択になりうる一方、では前述のとおりまず経過観察を検討する場合が多く、が大きく異なる。GISTの病態・診断の詳細はGISTを参照する。

まとめ

  • 腸間膜の病変では、核内β-免疫染色が陽性であることがを支持する重要な所見である。
  • GISTはCD117・DOG1陽性かつβ-は膜性パターンにとどまる点で区別する。
  • ・SMA・カルデスモンの強い陽性、硬化性腸間膜炎は・炎症優位の線維化で鑑別する。
  • 染色パターンは形態評価と組み合わせて解釈し、単一マーカーだけで確定診断としない。
  • Wnt/β-経路の(腸間膜)を参照する。