Internal Medicine

Internal Medicine · L-65

輸血の適応と原則

Indications and rules of blood transfusion

前提:病態
I型・II型過敏反応
前提:正常
ヒトの血液型システム

🧠 全体像:輸血は不足成分を補う治療であり、全血を一律に投与するものではない。赤血球、血小板、血漿、フィブリノゲン製剤の適応を分け、検体・患者照合、ABO/RhD、抗体スクリーニング、を確実に行う。

血液製剤と適応

製剤 主な適応 原則・注意
症候性貧血、による低下 安定成人ではHb <7 g/dLを一つの目安とする。心臓手術では7.5 g/dL、整形外科手術・既存心血管疾患では8 g/dL程度を選ぶことがある。症状・出血・虚血を優先
血小板製剤 血小板減少/機能異常による出血、処置前予防 安定した低形成性血小板減少では通常 <10 G/Lで予防投与。発熱、出血、処置ではより高い閾値を個別設定
複数に伴う出血・緊急処置、DIC、大量出血 に注意。緊急ワルファリン拮抗は4因子PCC+ビタミンKが優先で、FFPは代替
/フィブリノゲン製剤 を伴う出血 フィブリノゲン、第VIII因子、(vWF)を含むが、血友病・では原則として特異的因子製剤を使う

安定した非出血患者へのRBCは原則1単位ずつ投与し、とHbを再評価する。数値だけでなく、胸痛、呼吸困難、頻脈、低酸素、活動性出血を考慮する。

輸血前検査

flowchart TD
    A["患者本人確認・正確な採血ラベル"] --> B["ABO/RhD型判定"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='irregular antibody screening'>不規則抗体スクリーニング</span>"]
    C --> D{"抗体陰性かつ既往なし"}
    D -->|"はい"| E["条件を満たせば<span class='jp-term jp-term-diagram' title='electronic crossmatch'>電子交差適合</span>"]
    D -->|"いいえ"| F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='antibody identification'>抗体同定</span>・抗原陰性血を選択"]
    F --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='serologic crossmatch'>血清学的交差適合試験</span>"]

(type and screen)はABO/RhD判定とによるからなる。抗体陽性または臨床的に重要な抗体既往があれば、対応抗原陰性製剤を選びを行う。

ABO適合性

患者血液型 適合RBC(優先順) 適合血漿
O O O、A、B、AB
A A、O A、AB
B B、O B、AB
AB AB、A、B、O AB

RBCは赤血球抗原と患者抗体の反応を避ける。血漿は血漿中抗体と患者赤血球の反応を避けるため、適合関係が逆になる。RhD陰性、特に妊娠可能年齢の患者には原則RhD陰性RBCを用いる。

輸血中の安全管理と副反応

ベッドサイドで患者、製剤、血液型、単位番号、有効期限を二者確認し、開始直後は特に厳重に観察する。

発熱、悪寒、呼吸困難、、低血圧、蕁麻疹などがあれば、直ちに輸血を中止する。別ルートまたはを維持し、患者・製剤の取り違えを再確認し、輸血部門へ連絡する。溶血、、TR、TACO、アレルギー反応などを鑑別し、必要な検体・血液バッグを提出して支持療法を行う。

まとめ

  • 成分ごとの適応を明確にし、制限的輸血と投与後再評価を基本にする。
  • ABO/RhD、抗体スクリーニング、適切なを省略しない。
  • 副反応を疑えば最初の行動は輸血中止である。