Internal Medicine

Internal Medicine · S-40

慢性リンパ性白血病

Chronic Lymphocytic Leukemia

前提:病態
慢性リンパ性白血病(CLL)/有毛細胞白血病
疾患
慢性リンパ性白血病

🧠 全体像は同じ成熟B細胞腫瘍で、末梢血中のクローン性B細胞が≥5 × 10⁹/LならCLL、主にリンパ節・脾に存在し末梢血基準を満たさない場合はSLLと呼ぶ。診断しても症候性・活動性になるまで治療しない。

病態と臨床像

アポトーシスを回避するクローン性B細胞が血液、骨髄、リンパ節、脾に徐々に蓄積する。高齢者に多く、無症候性として発見されることが多い。

  • 無痛性全身リンパ節腫大、肝脾腫、B症状
  • による貧血・血小板減少
  • 低γ-globulin血症と免疫異常による
  • Richter変換(Richter transformation):急速な節腫大、LDH上昇、B症状を伴うリンパ腫への形質転換

診断

末梢血で、軽鎖制限を示すB細胞がCD19、弱いCD20、CD5、CD23をする。では小型成熟リンパ球とがみられるが、だけでは診断できない。

flowchart TD
    A["持続性<span class='jp-term jp-term-diagram' title='lymphocytosis'>リンパ球増多</span>症"] --> B["CBC・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='smear preparation'>塗抹標本</span>+末梢血<span class='jp-term jp-term-diagram' title='flow cytometry'>フローサイトメトリー</span>"]
    B --> C{"クローン性 B細胞 ≥5×10⁹/L"}
    C -->|"はい"| D["CLL"]
    C -->|"いいえ+組織病変あり"| E["SLL/組織生検"]
    D --> F["Rai/Binet病期+症状・血球減少"]
    E --> F
    F --> G{"治療開始基準あり"}
    G -->|"なし"| H["経過観察"]
    G -->|"あり"| I["TP53/del17p・IGHV・併存症で<span class='jp-term jp-term-diagram' title='therapeutic options'>治療選択</span>"]

はCLL確定に必須ではなく、原因不明の血球減少や治療評価で用いる。治療前にはdel(17p)TP53変異を必ず評価し、HBVなど感染リスクも確認する。

Rai病期

Rai 所見 リスク概念
0 のみ
I +リンパ節腫大 中間
II または脾腫 中間
III +貧血(Hb <11 g/dL
IV +血小板減少(<100 × 10⁹/L

病期はを表すが、治療開始は病期だけで決めない。

治療

経過観察

無症候性早期CLLに早期治療の利益はなく、診察、CBC、症状を定期評価する。治療開始の主な契機は、進行性、巨大・進行性リンパ節/脾腫、急速な自己免疫性血球減少、症候性節外病変、疾患関連B症状である。

活動性CLL

  • 非共有結合性、またはを含む期間限定治療を、TP53、腎機能、出血・心房細動リスク、併用薬、患者希望で選ぶ。
  • TP53異常例では化学免疫療法の効果が乏しく、を優先する。
  • リツキシマブ+のみを病期別に一律投与する、という治療ではない。
  • 感染予防、ワクチン、免疫グロブリン補充の適応、予防を個別に評価する。

まとめ

  • CLL/SLLは同じCD5・CD23陽性成熟B細胞腫瘍で、末梢血クローン性 B細胞数で呼称を分ける。
  • 診断時病期が高くなくても、治療開始基準がなければ経過観察する。
  • 治療前のTP53/del17p評価が重要で、現在の中心はやBCL2阻害薬を用いるである。