医療コミュニケーション

医療コミュニケーション · 06

共有意思決定

Shared Decision Making

🧠 とは「の専門知識」と「患者の個人的な選好(・期待・価値観)」の対話であり、治療の決定に一緒に到達することである。必要になるのは「効果のある選択肢が複数あり、それぞれ利益とリスクが違い、選択に患者の選好が重要なとき」——医学的に答えが一つに決まっている場面ではない。

共有意思決定の定義

は、のと患者の個人的な選好(personal preferences——・期待・価値観)との対話であり、治療に関する決定に一緒に到達する過程である。

古典的な定義は4条件で書かれる1。

# 条件 意味
1 少なくとも2者が関与する だけでも患者だけでも成立しない(原論文の副題が “it takes at least two to tango”=タンゴは一人では踊れない)
2 双方が情報を共有する は医学情報、患者は自分の価値観・生活・優先順位を出す
3 双方が合意形成の手順を踏む 一方的な説得ではない
4 実施する治療について合意に達する 「情報を伝えた」で終わらない

⚠️ 定義は文献間で一致していない。Makoul と Clayman は161編の論文を精査して定義を抽出し、共通する必須要素のリストとして統合モデルを提示した2。

# 必須要素
1 問題を定義し説明する
2 選択肢を提示する
3 利益・リスク・コストを議論する
4 患者の価値観と選好を扱う
5 患者の能力・を議論する
6 の知識と推奨を述べる
7 理解を確認・明確化する
8 決定を下す、あるいは明示的に延期する
9 を手配する

💡 要素8の「明示的に延期する(explicitly defer)」が見落とされやすい。決めないこともこの過程の正当な帰結である。逆に「今日決めなければならない」という圧力はを壊す——時間の圧力の下では患者は自分の選好を言語化できず、の提案にするだけになる。

パターナリズムからの転換

時代 モデル 決定の所在
パターナリズム(父権主義) が決め、患者は従う。「が最善を知っている」
は情報だけ渡し、患者が一人で決める——責任の放棄になりうる
現在 両者が情報を持ち寄り、一緒に決める

転換を押した要因は複数ある3。

  • 患者のの尊重という倫理的要求、およびインフォームド・コンセントの法的定着
  • エビデンスに基づく医療によって、「複数の選択肢が同程度に妥当」な場面(equipoise)が明示されるようになったこと
  • 慢性疾患の比重が増し、治療の成否が患者の日常の実行に依存するようになったこと
  • 患者の健康情報へのアクセスが増えたこと(→ ヘルスリテラシー)

💡 決定的な理由は倫理ではなく認識論にある。利益とリスクが異なる複数の有効な選択肢があるとき、「どれが最善か」は医学だけでは決まらない。「5年生存率がやや高いがが残る術式」と「はやや低いが機能が保たれる術式」のどちらが良いかという問いには、患者の価値観にしか答えがない。したがってが一人で決めることは、倫理的に不当であるだけでなく医学的にも誤りである。

単純同意・インフォームド・コンセント・共有意思決定の区別

どれを使うかは「決定の重大さ」と「選択肢の医学的な確実性」の2軸で決まる4。

決定の重大さ(risk)が小 決定の重大さが大
医学的な優劣が確実(選択肢が実質一つ) ——採血・単純X線など。説明は簡潔でよい インフォームド・コンセント——虫垂炎の手術など「やるべきことは決まっているが重大」。同意を得る手続き
医学的な優劣が不確実(複数の妥当な選択肢) 患者の選好で決める(軽微な選択) ——早期乳癌の術式、前立腺癌の監視療法か手術か、の是非

インフォームド・コンセントは「同意を得るための手続き(法的・倫理的義務)」であり、は「何が患者にとって最善かを一緒に考える対話」である5。前者は一つの提案への yes/no、後者は複数の選択肢の比較であって、同じものではない。

💡 Kunneman と Montori は、「患者中心のケア」の名のもとにインフォームド・コンセントの手続きをと呼ぶ混同が広がっていることを指摘した5。同意書の説明を丁寧にしても、選択肢が一つしか提示されていなければは行われていない。どちらが必要な場面かを見分け、必要なものをきちんと行うことが要点である。

患者はどの程度参加したいのか

⚠️ 「患者は決定に関わりたがらない」と考えられがちだが、実際は大多数(3分の2以上)が自分の治療に関する意思決定に参加することを望んでいる6。しかもこの割合は、より新しい研究のほうが高い——参加を望む患者は時代とともに増えている。

ただし一様ではなく、参加希望が低くなる方向に働く要因がある。

要因 方向
高齢 参加希望が下がる傾向
教育年数が短い 下がる傾向
重症度が高い・急性期 下がる(に委ねたい)
文化的背景 パターナリズムを期待する文化もある(→ 文化的コンピテンス)
情報希求は高いが決定は委ねたい 「情報を欲する」と「決定に関与したい」は別の次元——ここを混同しない

💡 したがって「参加したいか」を属性から推測してはならない。どの程度関与したいかを本人に尋ねることが、そのままの第一歩になる。「委ねたい」という表明も一つの決定であり、その場合でも情報提供と選好の確認は省略できない。

実施の手順

段階 内容 具体的にやること
0 患者を動かせる(mobilized)雰囲気をつくる 「一緒に決めましょう」「あなたの考えが要ります」と明示的に招く。これがないと患者は「意見を言ってよい」と思えない
1 さまざまな治療の選択肢を提示する 「何もしない/経過を見る」も選択肢として挙げる
2 患者がそれらを理解していることを確認する teach-back(自分の言葉で言い直してもらう)(→ ヘルスリテラシー)
3 患者の選好を地図に描く(map) 「あなたにとって何が一番大事ですか」「何が一番心配ですか」
4 医学的推奨を定式化する 推奨を述べることはと矛盾しない——述べないのは専門性の放棄である
5 共通の決定に到達する(必要なら延期する) 決めない・後日決めるのも正当な帰結

⚠️ 順序に意味がある。選好を聞く(段階3)のが、推奨を述べる(段階4)より前でなければならない。が先に推奨を出すと、患者の選好はその意見に引きずられる(アンカリング)。

同じ手順は three-talk モデルとして3語で整理されることも多い7。

段階 内容
choice talk(選択の話) 「選ぶべきことがあります」と知らせる——患者は選択肢の存在自体を知らないことが多い
option talk(選択肢の話) 各選択肢の利益と害を、決定支援ツールを使いながら詳しく比較する
decision talk(決定の話) 患者の選好を引き出し、決定へ導く

💡 choice talk が独立の段階として置かれている理由は重要である。患者は「医療には正解が一つある」と想定しているため、選択肢を並べられて初めて「自分の選好が問われている」と気づく。選択があると告げないまま利益と害を説明すると、患者は説明を「説得」として受け取る。

flowchart TD
  A["利益とリスクの異なる<br>有効な選択肢が複数ある"] --> B["選択に患者の選好が重要"]
  B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='shared decision-making'>共有意思決定</span>が必要な場面"]
  C --> D["段階0<br>患者を動かせる雰囲気をつくる"]
  D --> E["段階1<br>選択肢を提示<br>(何もしないも含む)"]
  E --> F["段階2<br>理解を<span class='jp-term jp-term-diagram' title='teach-back'>確認</span>"]
  F --> G["段階3<br>患者の選好を地図に描く"]
  G --> H["段階4<br>医学的推奨を定式化"]
  H --> I["段階5<br>共通の決定に到達<br>または明示的に延期"]
  E --> J["決定支援ツール<br>パンフレット・ウェブ・動画"]
  J --> K["コンサルテーション・プランニング<br>診察前に質問を書き出す"]
  J --> L["オプション・グリッド<br>1ページの<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Comparison Table'>比較表</span>"]
  K --> F
  L --> F

実施を妨げる障壁

障壁 内容
時間 医療者が最も多く挙げる障壁である8。患者が多くの情報を必要とし、過程そのものが時間を要する。→ だから決定支援ツールを使う
患者の特性による適用困難 「この患者には無理だ」という医療者側の判断——、、言語、重症度8
による適用困難 緊急事態、選択肢が実質一つの場面8
患者側の「力」の欠如 患者は「の時間を無駄にしたくない」「良い患者でいたい」「質問すると信頼していないと思われる」と感じて黙る9
情報の非対称 リスクの数値が理解されない(→ 治療のリスクを伝える)
医療者の訓練不足・構造 は評価の対象になりにくく、出来高払いは短い診察を報いる

💡 患者側の障壁を最もよく言い表しているのが「知識は患者にとって力ではない(Knowledge is not power for patients)」という総括である9。患者が参加するには「知識」と「力(参加してよいと感じられること)」の両方が要る。パンフレットを渡すだけでは参加は起こらない——だから手順の第一段階が情報提供ではなく「雰囲気をつくること」に置かれている。

決定支援ツール(decision aids)

決定支援ツールは、患者が選択肢とその利益・害を理解し、自分の価値観と照らして決められるように作られたである。形式は・ウェブサイト・動画など多様である。

Cochrane レビューがまとめた効果は次のとおりである10。最新版は2024年の改訂(209件の RCT)であり、の向きは変わっていないが、効果が確かな項目と不確実な項目の切り分けが明確になった11。

効果
知識 増える
リスク知覚の正確さ 向上する
減る(情報不足感・価値観の不明確さが減る)
受け身・未決の患者 減る(決定過程に能動的に関わる患者が増える)
決定と自分の価値観の一致 改善する
不安 増えない。むしろ減る場合もある
侵襲的な選択(など) より保存的な選択が増える傾向
健康・満足度 悪化させない

⚠️ 「詳しく説明すると患者が不安になる」という懸念は広く共有されているが、エビデンスに反する。研究は不安レベルの増加が無いことを示し、場合によっては減少さえする1011。この懸念を理由に情報を絞ることはできない。

一方で、期待しすぎてはいけない項目もはっきりしている。2024年版は、知識・リスク知覚の正確さ・価値観との一致・決定葛藤といった意思決定の質に関する項目については確かな効果を認めるが、受診回数・費用・健康そのものへの効果は不確実だとしている11。💡 つまり決定支援ツールは「医療費を下げる」や「転帰を改善する治療」ではなく、決定の質を上げるとして位置づけるのが正確である。

💡 政策の側でも位置づけが変わった。は「望ましい実践」から制度的な要件へ移っており、英国では が独立した national guideline(NG197、2021年)として、組織の水準と個々の診療の水準の両方で実施すべき事項を定めている12。したがって「時間がないので今回はしない」という判断は、個人の裁量の問題ではなく組織の実施の問題として扱われる。

コンサルテーション・プランニング(consultation planning)

コンサルテーション・プランニングとは、医療従事者が、患者が決定支援の資料を処理するのを助け、に会う前に質問を書き出すのを手伝うことである。乳癌診療で開発された原法は2つのからなる13。

内容
コンサルテーション・プランニング 診察の前に、訓練された医療者が患者と面談し、患者の質問・懸念を引き出して構造化した一覧(アジェンダ)にする。患者はそれを持って診察に入る
コンサルテーション・レコーディング 診察を録音し、要約とともに患者に渡す。患者は家族と一緒に後から聞き返せる

💡 なぜ効くか。診察室では患者は緊張し、聞きたかったことを忘れ、聞いたことも半分しか覚えていない。質問を「事前に」「別の人と」書き出しておくことで、①患者に発言の許可(力)を与え、②限られた診察時間を最重要の話題に集中させる。の診察時間を増やさずに患者の参加を増やせる点が、時間という最大の障壁への直接の解答になっている。

オプション・グリッド(option grid)

オプション・グリッドは、最もよくある患者の質問に基づいて複数の選択肢を比較する意思決定支援である14。

特徴 内容
1枚の表 A4片面。読むのに時間がかからない
行=患者がよく尋ねる質問 が伝えたいことではなく、患者が知りたいことが行になる
列=選択肢 同じ質問への答えを横に並べて比較できる
セルは短い平易な文 読解水準を低く保ち、数値は共通の分母で書く
診察の「その場で」使う 事前配布型の詳しい決定支援ツールと違い、と患者が一緒に見ながら会話するための(= option talk の)

模式的な形は次のようになる。

よくある質問 選択肢A:手術 選択肢B:経過観察
どのくらい効くのか … …
どんな合併症があるか … …
回復にどれくらいかかるか … …
あとで気が変わったらどうなるか … …

💡 オプション・グリッドは「短い決定支援ツール」であり、その用途は診察中の会話のである。詳細な決定支援ツール(動画・ウェブ)は診察の前後に患者が自分で使う。この使い分けを取り違えると、詳しい資料を診察中に渡して読ませるだけの時間が消えるか、逆に1枚の表で複雑な決定を扱おうとして情報が足りなくなる。

マルチメディア決定支援ツールの要素

オンラインやモバイル端末で使えるマルチメディア型の決定支援ツールは、乳癌手術の選択を支援する BresDex を例にすると、次の要素からなる15。

要素 内容
文章による説明 エビデンスに基づく肢の情報
写真 さまざまな術式の結果(術後の見た目)の写真
動画 異なる治療を受けた患者の個人的な体験談(俳優の助けを借りて制作)
スケール・アニメーション 患者が自分の選好に従って治療の選択肢を自分で重みづけできる(=価値観の明確化の)

BresDex はその後、の実装プログラム “Making Good Decisions in Collaboration with Patients”(MAGIC)に統合され、公的機関の運営下に置かれた。

💡 要素の並びに構造がある——「事実の情報(文章)」→「結果のイメージ(写真)」→「他者の経験(動画)」→「自分の価値観の重みづけ(アニメーション)」。最後の一つだけが患者の側の作業であり、これが決定支援ツールを単なるパンフレットから区別する。読ませるだけの資料は知識を増やすが、選好の明確化には至らない。

共有意思決定を実施する利益

多数の研究が確認した利益として、この方法にさらされた患者は次のようになる10。

# 利益
1 より情報を得ており、自分の病気と肢についてより多くの情報を保持する(retain more information)
2 特定の治療の利益とリスクについてより現実的になる
3 自分の治療により能動的に参加するようになる
4 自分の決定が自分の期待と価値観にもっと沿っていると感じる
5 治療の決定にもっと満足する

💡 並びは「認知(1)→リスク知覚(2)→行動(3)→価値の一致(4)→満足(5)」という因果の連鎖になっており、そのまま Cochrane レビューの構成に対応する10。の改善が期待されるのは利益3と4の帰結である——自分で選んだ治療は続けられる(→ の変容を促す)。

精神疾患をもつ患者での実施可能性

⚠️ 「精神疾患があるからは無理だ」という前提そのものが、医療者側の障壁(患者の特性による適用困難)である89。

の入院患者を対象に、抗精神病薬の選択について決定支援ツールを用いた RCT(比較研究)が行われている16。

  • 患者の知識と、意思決定へのが高まった。
  • 精神症状が悪化することはなかった。
  • 一方で、の側が実施に抵抗を示し、入院期間がやや延びるといった実務的な課題も報告された。

したがって原則として実施可能であり、必要なのは適用の断念ではなく調整である——①症状が安定している時期を選ぶ、②選択肢を絞る、③繰り返し確認する(→ 精神疾患をもつ人との)。

終末期の意思決定に固有のジレンマ

ジレンマ 内容
決定能力の低下 決定が最も重いときに、患者が最も決められない。→ ・代理決定者を早い時期に用意する
「選択肢を並べる」ことの負担 「延命治療をやめますか」と選ばせることは、責任を家族に転嫁しうる。は丸投げではない——は推奨を述べる義務がある(必須要素6)2
情報開示と希望 完全な情報開示が患者の希望を奪う場合がある(→ 悪い知らせを伝える)
家族と患者の選好の乖離 文化によって「決定の主体」が本人でなく家族である(→ 文化的コンピテンス)
患者が望んでも医学的に無益な治療は選択肢に載せられない。は「有効な選択肢が複数あるとき」のであり、無効な治療を選ぶ権利を与えるものではない

関連トピック

トピック つながり
患者面談 は面談の「決定」段階の中身
ヘルスリテラシー teach-back・平易な言葉が理解確認(段階2)の
治療のリスクを伝える 選択肢の利益と害を伝える技法(・自然頻度・視覚化)はそのまま option talk の
患者関係 パターナリズムから相互参加モデルへの転換の社会学的枠組み
補完代替医療を使う患者 患者の選好の一部として扱う
精神疾患をもつ人 患者での実施可能性
悪い知らせを伝える 終末期の決定と情報開示のジレンマ

まとめ

  • =の専門知識と患者の個人的な選好(・期待・価値観)の「対話」であり、治療の決定に一緒に到達すること。
  • 必要になる条件は、①利益とリスクの異なる有効な選択肢が複数あり、②選択に患者の選好が重要であること。答えが医学的に一つに決まる場面ではインフォームド・コンセントで足りる。
  • 3つの区別:単純同意(軽微)/インフォームド・コンセント(重大だが選択肢は実質一つ=同意を得る手続き)/(重大かつ複数の妥当な選択肢=一緒に考える対話)。
  • 患者の3分の2以上が参加を望む。ただし高齢・低学歴・急性重症・文化で下がる。「情報を欲する」と「決定に関与したい」は別次元。
  • 手順:①動かせる雰囲気をつくる → ②選択肢の提示(何もしないも含む) → ③理解の確認 → ④選好の地図化 → ⑤医学的推奨の定式化 → ⑥共通の決定(必要なら明示的に延期)。選好を聞くのが推奨を述べるより前。
  • 障壁:時間(医療者が最多で挙げる)/患者の特性・による適用困難/患者側の「力」の欠如。「知識は患者にとって力ではない」——情報を渡すだけでは参加は起こらない。
  • 決定支援ツール(パンフレット・ウェブ・動画)は知識・リスク知覚の正確さ・価値観との一致・能動性を高め、決定葛藤を減らす。不安は増えない。一方で受診回数・費用・健康への効果は不確実(Cochrane 2024年版、209件の RCT)——「決定の質を上げる」であって費用抑制や治療の代わりではない。
  • 制度上の位置づけも変わった。英国 はを独立した national guideline(NG197、2021年)として定めており、実施は個人の裁量ではなく組織の要件である。
  • コンサルテーション・プランニング=診察前に医療者と一緒に質問を書き出す(+診察の録音を渡す)。の時間を増やさずに参加を増やせる。
  • オプション・グリッド=1ページの表。行が「患者がよく聞く質問」、列が選択肢。診察中にその場で一緒に見る。
  • マルチメディア決定支援ツールの4要素:文章・写真(術後の結果)・患者体験の動画・自分の選好で重みづけするスケール・アニメーション(例:BresDex)。
  • 実施の利益5つ:より情報を保持する/利益とリスクに現実的になる/治療に能動的に参加する/決定が自分の期待と価値観に沿うと感じる/決定に満足する。
  • の入院患者でも実施可能で、知識と参加意欲が向上した。終末期は決定能力・責任転嫁・希望・家族・無益性のジレンマを含む。

出典

  1. 1.Shared decision-making in the medical encounter: What does it mean? (or it takes at least two to tango)(Social Science & Medicine(著者 Cathy Charles, Amiram Gafni, Tim Whelan)・1997)共有意思決定が成立する4条件——①少なくとも2者が関与する、②双方が情報を共有する、③双方が合意形成の手順を踏む、④実施する治療について合意に達する閲覧 2026-08-17
  2. 2.An integrative model of shared decision making in medical encounters(Patient Education and Counseling(著者 Gregory Makoul, Marla L. Clayman)・2006)共有意思決定の定義が文献間で一致していないことを示し、必須要素(問題の定義、選択肢の提示、利益と害の議論、患者の価値観、患者の能力、医師の知識と推奨、理解の確認、決定または明示的な延期、フォローアップ)を統合モデルとして提示したこと閲覧 2026-08-17
  3. 3.Shared decision making in clinical medicine: past research and future directions(American Journal of Preventive Medicine(著者 Dominick L. Frosch, Robert M. Kaplan)・1999)パターナリズムから共有意思決定への歴史的転換の背景と、患者の意思決定参加希望が個人差と状況で変わること閲覧 2026-08-17
  4. 4.A Typology of Shared Decision Making, Informed Consent, and Simple Consent(Annals of Internal Medicine(著者 Simon N. Whitney, Amy L. McGuire, Laurence B. McCullough)・2004)共有意思決定・インフォームド・コンセント・単純同意は別物であり、「決定の重大さ」と「選択肢の確実性(医学的優劣が定まっているか)」の2軸でどれを使うかが決まること閲覧 2026-08-17
  5. 5.When patient-centred care is worth doing well: informed consent or shared decision-making(BMJ Quality & Safety(著者 Marleen Kunneman, Victor M. Montori)・2017)インフォームド・コンセントは「同意を得るための手続き」、共有意思決定は「患者にとって最善の行動を一緒に考える対話」であり、混同してはならないこと閲覧 2026-08-17
  6. 6.Patient preferences for shared decisions: A systematic review(Patient Education and Counseling(著者 Betty Chewning, Carma L. Bylund, Bupendra Shah ら)・2012)患者の大多数(3分の2以上)が自分の治療の意思決定に参加することを望み、その割合は近年の研究で増えていること閲覧 2026-08-17
  7. 7.Shared Decision Making: A Model for Clinical Practice(Journal of General Internal Medicine(著者 Glyn Elwyn, Dominick Frosch, Richard Thomson ら)・2012)臨床で使える three-talk モデル(choice talk・option talk・decision talk)と、選択肢があることをまず知らせる必要性閲覧 2026-08-17
  8. 8.Barriers and facilitators to implementing shared decision-making in clinical practice: Update of a systematic review of health professionals' perceptions(Patient Education and Counseling(著者 France Légaré, Stéphane Ratté, Karine Gravel, Ian D. Graham)・2008)医療者が挙げる共有意思決定の障壁の上位3つ——時間の不足、患者の特性による適用困難、臨床状況による適用困難閲覧 2026-08-17
  9. 9.Knowledge is not power for patients: A systematic review and thematic synthesis of patient-reported barriers and facilitators to shared decision making(Patient Education and Counseling(著者 Natalie Joseph-Williams, Glyn Elwyn, Adrian Edwards)・2014)患者側の障壁は「知識」だけでなく「力(参加してよいと感じられること)」であり、情報を渡すだけでは参加は起こらないこと閲覧 2026-08-17
  10. 10.Decision aids for people facing health treatment or screening decisions(Cochrane Database of Systematic Reviews(著者 Dawn Stacey, France Légaré, Krystina Lewis ら)・2017)決定支援ツールは知識を増やし、リスク知覚を正確にし、決定葛藤を減らし、受け身で未決の患者を減らす。不安の増加や健康アウトカムの悪化は生じない閲覧 2026-08-17
  11. 11.Decision aids for people facing health treatment or screening decisions(Cochrane Database of Systematic Reviews(著者 Dawn Stacey, Krystina B. Lewis, Maureen Smith ら)・2024)209件の RCT を含む最新版——決定支援ツールは知識を増やし、リスク知覚を正確にし、価値観に沿った選択を増やし、決定葛藤を減らす。害の証拠はなく、不安も増えない。一方で受診回数や健康アウトカムへの効果は不確実であること閲覧 2026-08-17
  12. 12.Shared decision making (NICE guideline NG197)(National Institute for Health and Care Excellence (NICE)・2021)共有意思決定を組織と個々の診療の両水準で実施するための national guideline——推奨は「望ましい実践」ではなく制度的な要件として示されていること閲覧 2026-08-17
  13. 13.Improving the Quality of Decision Making in Breast Cancer: Consultation Planning Template and Consultation Recording Template(Oncology Nursing Forum(著者 Karen R. Sepucha, Jeffrey K. Belkora, Caroline Aviv ら)・2003)コンサルテーション・プランニング——診察前に医療者が患者の質問を一緒に書き出す手法と、診察の録音を渡す手法閲覧 2026-08-17
  14. 14.Option Grids: Shared decision making made easier(Patient Education and Counseling(著者 Glyn Elwyn, Alan Lloyd, Natalie Joseph-Williams ら)・2013)オプション・グリッドの設計——1ページの表、行が「患者がよく聞く質問」、列が選択肢で、診察の場でその場で使えること閲覧 2026-08-17
  15. 15.BresDex: Helping Women Make Breast Cancer Surgery Choices(Journal of Visual Communication in Medicine(著者 Bethany Jones)・2012)マルチメディア決定支援ツール BresDex の構成要素——文章、術後の写真、患者体験の動画、選択肢を自分の好みで重みづけできるスケール・アニメーション閲覧 2026-08-17
  16. 16.Shared decision making for in-patients with schizophrenia(Acta Psychiatrica Scandinavica(著者 Johannes Hamann, Bernd Langer, Viktoria Winkler ら)・2006)統合失調症の入院患者でも決定支援ツールを用いた共有意思決定が実施可能で、患者の知識と参加意欲が高まったこと閲覧 2026-08-17