Obstetrics

Obstetrics · 01

産科・婦人科診察

Obstetric and gynecologic evaluation

前提:正常
子宮頸部・腟・外陰部骨盤・会陰:骨盤内臓

🧠 全体像:産科・婦人科診察は、病歴と妊娠週数を確認し、必要な診察だけを本人の同意のもとで行う。は「説明→同意→→腟鏡→必要時の細胞診・」の順で進め、痛みや不安があればいつでも止める。

患者中心の診察

  • 診察の目的、各手順、予想される感覚、代替手段を説明し、明確なインフォームド・コンセントを得る。
  • 診察中も次の操作を予告し、その都度続行の許可を確認する。患者はいつでも中止を求められる。
  • プライバシーを確保し、適切なドレーピングを行う。の希望を確認する。
  • ・医療トラウマの既往を前提にしうるため、な言葉を用い、体位・腟鏡サイズ・自己挿入などの選択肢を示す。
  • は、同伴者と離れた安全な環境で確認する。

⚠️ 無症状者に、Pap検査、を一律に行うのではない。年齢、検診歴、症状、妊娠経過に応じて適応を決める。

病歴聴取

領域 確認事項
疼痛、出血、、無月経、妊娠可能性、発熱、排尿・排便症状
月経歴 、周期、持続日数、量、月経痛、
婦人科歴 子宮頸がん検診、STI、避妊、不妊、手術、
産科歴 各妊娠の週数、分娩様式、母体・胎児合併症、
一般歴 既往疾患、手術、薬剤・アレルギー、家族歴、遺伝リスク、
生活・心理社会 喫煙、飲酒、薬物、栄養、住居、支援者、精神状態、IPV

GTPAL表記

記号 意味 注意点
G: 現在を含む総 も1回と数える
T: に達した 児数ではなく妊娠数
P:早産 週数以降、未満で終結した 地域の定義週数を用いる
A: 週数より前の自然・人工妊娠終結 用語は本人の経験に配慮する
L: 現在生存している児の数 は児ごとに数える

骨盤診察

flowchart TD
    A["目的と手順を説明し同意を確認"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='vulva'>外陰部</span>の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='inspection'>視診</span>・必要時の触診"]
    B --> C["適応があれば<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Speculum examination'>腟鏡診</span>"]
    C --> D["腟壁・子宮頸部・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='leukorrhea'>帯下</span>を評価"]
    D --> E["検診時期または病変に応じ細胞・感染検体を採取"]
    E --> F["適応があれば<span class='jp-term jp-term-diagram' title='colposcopy'>コルポスコピー</span>・生検"]
    F --> G["必要時に<span class='jp-term jp-term-diagram' title='bimanual examination'>双合診</span>"]
    G --> H["所見を共有し次の方針を決定"]

外陰部

  • 左右対称性、発毛、皮膚色、発疹、腫脹、潰瘍、裂傷、疣贅、腫瘤、出血、を観察する。
  • 、会陰、尿道口、腟口を系統的に評価する。
  • は腟口後外側のおよそ5時・7時方向にあり、疼痛性または無痛性腫瘤は嚢胞・膿瘍を示唆する。
  • が疑われる損傷は、本人の同意と地域の法的手順に従って記録・検体採取する。

腟鏡診

  • 腟壁では、萎縮、発赤、出血、潰瘍、腫瘤を確認する。
  • 子宮頸部では外子宮口の形、発赤、、びらん様変化、潰瘍、、疣贅、腫瘤、分泌物を確認する。
  • Pap検査またはHPV検査は、検診指針と過去の結果に従う。妊娠そのものは追加検診の適応ではない。

コルポスコピー

拡大・照明下で、腟、子宮頸部を観察し、正常と異常上皮を区別して生検部位を選ぶ。

  • 酢酸を塗布すると核密度の高い異常上皮が白色化しうる。
  • を含むは重要な評価部位である。
  • Lugolヨードでグリコーゲンを含む成熟扁平上皮は染色され、異常・未熟上皮は不染となりうる。
  • 白色化やだけで確定診断せず、疑わしい部位をへ進める。

双合診

  • 腟内の指と腹壁側の手で、子宮の大きさ、形、位置、可動性、圧痛を評価する。
  • ・圧痛、を評価する。
  • 卵巣を触れないことは正常であり、閉経後の明瞭なは精査する。

妊娠の確認と妊娠週数

妊娠の確認

  • 尿・血清β-hCGは絨毛性組織の存在を示すが、単独では妊娠部位や生存性を確定しない。
  • 正常早期妊娠でもβ-hCGの増には幅があり、「必ず48時間で倍増」ではない。連続値は症状とを合わせて解釈する。
  • β-hCG低下または増加不良ではを、高値では・週数誤認などを考えるが、値だけで診断しない。

分娩予定日

  • Naegele則:LMP初日から3か月引き、7日加え、1年加える。標準28日周期でLMPから280日を仮定する。
  • 周期不整、LMP不確実、排卵日が既知、または超音波との乖離がある場合は補正する。
  • 第1三半期のが最も正確で、確定したEDDは特別な理由なく変更しない。
  • 妊娠週数は完了週+日で表し、33+3は33週3日を意味する。
三半期 現行の区分
第1三半期 0週0日〜13週6日
第2三半期 14週0日〜27週6日
第3三半期 28週0日以降

初回妊婦健診

  • 妊娠前相談が可能なら、慢性疾患、薬剤、ワクチン、葉酸、遺伝・生活リスクを妊娠前から調整する。
  • 初回は早期に行い、全身状態、身長、体重、BMI、血圧を記録する。
  • 基本検査には血算、ABO/RhD、赤血球抗体、尿検査・尿培養、地域指針に沿うHIV・梅毒・B型肝炎などの感染症検査、風疹免疫確認を含める。
  • 歯科ケア、シートベルト、禁煙・、薬剤安全性、栄養、症状について相談する。
  • 受診回数は低リスク・高リスクを一律に扱わず個別化する。WHOは妊娠中8回以上の接触を推奨している。

まとめ

  • では、説明、同意、トラウマ配慮、中止権が手技そのものと同じくらい重要である。
  • 、腟鏡、は、それぞれの目的と適応を区別する。
  • β-hCGは妊娠部位・生存性を単独で確定せず、と超音波を統合する。
  • 妊娠週数はLMPと早期超音波から確定し、初回健診で母体・胎児リスクを包括的に評価する。