Histology

Histology · 15.3

女性生殖:子宮頸部・腟・外陰部

Female reproductive system — Cervix, vagina & external genitalia

応用トピック
外陰・腟の炎症性疾患女性の性感染症外陰・腟の良性病変外陰・腟の悪性腫瘍子宮頸癌の病因と前癌病変子宮頸癌の症候・徴候・検診産科・婦人科診察産科診察

🧠 子宮頸部は「上半分は円柱上皮(粘液を作る)、下半分は(摩擦に耐える)」という2つの世界の、と覚える——この境界()こそがの好発部位。 腟には腺が一切なく、粘液はすべて頸管から供給される、という点も子宮頸部と腟をセットで理解する鍵になる。

子宮頸部:内子宮頸と外子宮頸

子宮頸部は上皮の種類が明確に異なる2つの領域に分かれる。

領域 上皮 特徴
深いヒダ(頸管腺, cervical glands)をもち粘液を分泌、に応じ粘液の性状が変化(排卵期に精子透過性が上昇)
腟部分と連続、摩擦への耐性
flowchart TD
  A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='endocervix'>内子宮頸</span>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='simple columnar'>単層円柱上皮</span>)"]
  A --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='squamocolumnar junction, SCJ'>扁平円柱上皮境界</span>=<span class='jp-term jp-term-diagram' title='transformation zone (prostate: transition zone)'>移行帯</span>"]
  B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ectocervix'>外子宮頸</span>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='nonkeratinized stratified squamous epithelium'>非角化重層扁平上皮</span>)"]

)はの好発部位として臨床的に極めて重要——2種類の上皮が接する境界部は細胞の入れ替わり(化生)が活発で、発癌性の標的になりやすい。塗抹)はこのからの細胞採取を重視する。

腟:腺を欠く重層扁平上皮

腟壁は02-1-classification)で覆われ、、その外側に平滑筋層をもつ(外膜は)。

💡 腟壁には腺が存在しない——腟の潤滑は腺からの粘液と、自体からの滲出液による。はエストロゲンの影響下でグリコーゲンを蓄積し、これを腟内の常在細菌(桿菌, Lactobacillus)が乳酸に分解することで腟内を酸性(pH約3.5〜4.5)に保ち、病原菌の増殖を防ぐ——この「グリコーゲン→乳酸」という作用の仕組みは頻出。

外陰部

は皮膚の付属器(08-3-appendages)を伴うからなる構造の集合で、大・毛包を伴う)・(毛包を欠く)・14-3-accessory-glands-penisに相同)などからなる。(大前庭腺)は陰道口付近に開口し、性的興奮時に潤を分泌する(男性のに相同)。

まとめ

  • 子宮頸部はに分かれ、両者の境界()はの好発部位。
  • 腟壁は腺をもたないからなり、潤滑はと上皮の滲出液による。
  • 腟上皮のグリコーゲンはにより乳酸に分解され、腟内を酸性に保つ作用を担う。
  • (男性のに相同)を含む性の構造からなる。