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Disease Atlas · 皮膚 · 疾患

毛孔性紅色粃糠疹

Pityriasis rubra pilaris

別名
PRP紅色粃糠疹
臓器系
皮膚
科目
Dermatology
トピック
皮膚科 3-20:乾癬の臨床型と治療
鑑別疾患
乾癬
関連疾患
紅斑性角化症
治療薬
アシトレチンメトトレキサート
症状
紅皮症落屑
適応薬
アシトレチン

🧠 全体像:(PRP)は、乾癬と臨床像も病態機序も重なりながら別の疾患という位置づけにある、まれな炎症性角化症である。⭐ 毛包性のが融合してオレンジ色調のを作り、その中に「島状の」を残すという所見が診断の核である1。⚠️ 経口副腎皮質ステロイドが効かないことがむしろ診断的価値を持つ——乾癬なら反応しうる場面で反応しないことが、この疾患を疑う手がかりになる1。治療の第一選択はをはじめとするで、メトトレキサートと並ぶ好成績が報告されている1。

疫学

には大きな地域差がある。ケニアの新患患者では500人に1人、インドでは50,000人に1人と報告されている1。性別分布はほぼ均等で、発症年齢は第1〜2十年代と第5〜6十年代にピークを持つ二峰性を示す1。

病因

⚠️ 病因の大部分は不明である。 家族性の一部ではCARD14遺伝子のが同定され、通常2歳未満で発症する1。ポナチニブなどの薬剤や感染との時間的関連が報告されているが、は確立していない1。

💡 転写体解析では、PRPで異常発現していた遺伝子がすべて乾癬でも認められた——両疾患が病態機序を共有することを示唆する所見である1。

臨床像とGriffiths分類

flowchart TD
    A["毛包性<span class='jp-term jp-term-diagram' title='keratotic papule'>角化性丘疹</span>"] --> B["融合してオレンジ色調の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='erythroderma'>紅皮症</span>"]
    B --> C["島状の正常皮膚<br>(nappes claires)を残す"]
    A --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='palmoplantar keratoderma'>掌蹠角化症</span><br>赤オレンジ〜黄色の蝋様外観"]

⭐ 診断の核は、の中に島状のを残すことである1。は赤オレンジまたは黄色の蝋様外観を呈する1。

Griffiths分類は病型を6つに分ける1。

型 定義
I 古典的成人発症
II 非定型成人発症
III〜V 小児型(古典的・限局性・非定型)
VI 関連型

(CARD14関連の家族性型が加わることもある1。)

実際の症例でも、明るい赤色の斑に加え、の毛包丘疹、オレンジ赤色の蝋様、指関節背側の「ナツメグおろし状」丘疹が観察されている2。

病理

⭐ 垂直方向と水平方向のがに現れる「チェッカーボード状パターン」が典型である1。厚い上乳頭板と、内好中球の欠如が乾癬との鑑別に有用である1。実際の症例報告でも、垂直・水平方向のするパラケラトーシスと、厚い乳頭真皮板、保持されたが確認されている2。

乾癬との鑑別

PRP 乾癬
内の正常皮膚 ⭐ 島状に残る(nappes claires) 通常残らない
パターン チェッカーボード状(垂直・水平) 縦方向優位
内好中球 欠如 認めうる(Munro)
経口副腎皮質ステロイドへの反応 ⚠️ 無効(診断的価値) 反応しうる
転写体プロファイル 乾癬と重なる部分がある —

治療

⭐ 第一選択はである。 で36%、メトトレキサートで35%の非常に良好な反応が報告されており、両者は同程度の成績である1。⚠️ 経口副腎皮質ステロイドは無効であり、これ自体が診断の手がかりになる1。

治療抵抗例では生物学的製剤が用いられる。投与24週後に平均61.3%、投与28週後に平均55.6%の臨床重症度改善が報告されている1。実際の症例でも、単独では反応不十分だった患者が、増量との併用で3か月でほぼ寛解に至っている2。💡 著者らはIL-23/Th17経路が乾癬とPRPの両方で重要な役割を果たすとしており、これが乾癬治療薬がPRPにも効く理由と整合する2。

経過

成人発症例の約50%は数か月〜数年(平均3年)で寛解し、再発はまれである。小児例では43〜80%のが報告されている1。

まとめ

  • PRPは毛包性が融合してオレンジ色調のを作り、島状のを残す炎症性角化症。は地域差が大きく、発症は二峰性(第1〜2十年代・第5〜6十年代)。
  • 病因は大部分不明。家族性型ではCARD14変異があり2歳未満で発症する。⚠️ 転写体は乾癬と重なる部分があり、病態機序を共有する。
  • Griffiths分類(I〜VI型)で病型を分ける。病理は垂直・水平のチェッカーボード状が典型で、厚い上乳頭板と内好中球の欠如が乾癬との鑑別点。
  • ⭐ 経口副腎皮質ステロイドが無効であることが診断的価値を持つ。
  • 治療の第一選択は(36%、メトトレキサート35%が良好な反応)。難治例には生物学的製剤(・など)を用いる。
  • 成人の約50%は平均3年で寛解し再発はまれ。小児は43〜80%がする。

出典

  1. 1.Pityriasis Rubra Pilaris(StatPearls (NCBI Bookshelf)・2024)NCBI Bookshelfで2024年4月30日に最終更新された記事を閲覧した。紅色粃糠疹の有病率が地域差は顕著でケニアの新患皮膚科患者では500人に1人、インドでは50,000人に1人と報告されること、性別分布はほぼ均等で発症年齢が第1〜2十年代と第5〜6十年代の二峰性を示すこと、病因の大部分が不明で家族性の一部でCARD14遺伝子の機能獲得型変異が同定され通常2歳未満で発症すること、ポナチニブなどの薬剤や感染との時間的関連が報告されているが因果関係は確立していないこと、臨床像が毛包性角化性丘疹が融合してオレンジ色調の紅斑局面を作りその中に島状の正常皮膚(islands of sparing)を残すこと、掌蹠角化症が赤オレンジまたは黄色の蝋様外観を呈すること、Griffiths分類がI型(古典的成人発症)・II型(非定型成人発症)・III〜V型(小児型)・VI型(HIV関連型)にCARD14関連型を加えた体系であること、病理組織で垂直方向と水平方向の錯角化が交互に現れるチェッカーボード状パターンが典型であり厚い上乳頭板と角層内好中球の欠如が乾癬との鑑別に有用であること、転写体解析で紅色粃糠疹で異常発現していた遺伝子がすべて乾癬でも認められ両疾患の病態機序が重なることが示唆されたこと、第一選択治療でアシトレチンが36%・メトトレキサートが35%の非常に良好な反応を示したこと、経口副腎皮質ステロイドが無効であることが診断的価値を持つこと、生物学的製剤の治験でイキセキズマブ投与24週後に平均61.3%・セクキヌマブ投与28週後に平均55.6%の臨床重症度改善が示されたこと、成人発症例の約50%が数か月〜数年(平均3年)で寛解し再発はまれであること、小児例では43〜80%の完全寛解率が報告されることを確認した閲覧 2026-09-06
  2. 2.A case of classic adult pityriasis rubra pilaris successfully treated with a combination of acitretin and ustekinumab: A case report(SAGE Open Medical Case Reports(DeBiasio C, Cyr J, Ayroud Y, Glassman SJ)・2022)全文を閲覧した症例報告。58歳の健康な女性が顔と頭皮から始まり体幹・四肢へ急速に拡大した紅斑鱗屑性皮疹(罹患面積50%)を呈し、明るい赤色の鱗屑性斑・手背の毛包丘疹・オレンジ赤色の蝋様掌蹠角化症・指関節背側のナツメグおろし状丘疹を認めたこと、病理組織で垂直・水平方向の交互するパラケラトーシスと正角化・不規則な乾癬様増殖・厚い乳頭真皮板・保持された顆粒層を認め診断が支持されたこと、アシトレチン10 mg/日と外用ステロイドでは反応不十分でアシトレチンを20 mg/日に増量しウステキヌマブ45 mgを併用したところ2回目投与後に段階的改善が見られ3か月でほぼ寛解に至ったこと、著者らがIL-23/Th17軸が乾癬と紅色粃糠疹の両疾患で重要な役割を果たすと考察しウステキヌマブ治療中の皮膚検体でTh17サイトカインレベルが臨床・組織学的改善と相関したと報告したことを確認した閲覧 2026-09-06