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Lab values · Published

PFA-100

Platelet function analyzer (PFA)

別名
血小板機能解析装置閉塞時間
臓器系
血液
科目
Internal Medicine
トピック
内科学 H-12:フォン・ヴィレブランド病
関連疾患
Heyde症候群グランツマン血小板無力症

🧠 全体像:PFA-100(platelet function analyzer)は、全血を用いて(血小板の・凝集)の機能を短時間で評価するで、手技依存性が高く再現性に乏しいに代わって広く用いられている。⚠️ この検査を読むときの軸は「感度・特異度は完全ではなく、正常でもを否定しきれない」という一点にある——が正常だからといって、を安心して除外してはならない1。

何を測っているか(原理)

クエン酸加全血を、コラーゲン+エピネフリン(CEPI)またはコラーゲン+ADP(CADP)を塗布した膜の小孔(アパチャー)に高い下で通し、血小板が・活性化・凝集して孔が閉塞するまでの時間を秒単位で測定する。これを()と呼ぶ2。

flowchart TD
    A["クエン酸加全血をカートリッジへ吸引"] --> B["コラーゲン塗布膜の小孔を<br>高い<span class='jp-term jp-term-diagram' title='shear stress'>ずり応力</span>下で通過"]
    B --> C["血小板が<span class='jp-term jp-term-diagram' title='adhesion'>粘着</span>・活性化・凝集"]
    C --> D["小孔が閉塞するまでの時間を測定<br>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='closure time'>閉塞時間</span>)"]

実施方法とカートリッジの使い分け

2種類のカートリッジを組み合わせて判定する。

カートリッジ 主に反映する経路 アスピリンの影響
コラーゲン/エピネフリン(CEPI) を含む ⚠️ 延長しやすい
コラーゲン/ADP(CADP) ADP受容体を介した 比較的影響を受けにくい

⭐ CEPIのみ延長しCADPが正常なら、アスピリンなど阻害薬の効果を示唆する。 両カートリッジとも延長する場合は、またはを示唆する所見になる2。

判定基準と正常値

⚠️ は施設ごとに設定されるため、最終的な判定は報告書に記載された各施設ので行う。 そのうえで、一般的には次の値を超えるものを異常(延長)と扱う2。

カートリッジ 一般的な
コラーゲン/エピネフリン(CEPI) >180秒で異常
コラーゲン/ADP(CADP) >120秒で異常(<120秒なら正常)

⭐ CEPIが>180秒と延長し、CADPが<120秒と正常にとどまるのがアスピリンなど阻害薬のパターンである。両方が延長する(CEPI >180秒かつCADP >120秒)場合は、あるいはBernard-Soulier症候群・といったを示唆する2。

異常が意味すること

所見 考えられる病態
CEPI >180秒・CADP >120秒(ともに延長) 、(Bernard-Soulier症候群・など先天性、または薬剤性)
CEPI >180秒・CADP <120秒(CEPIのみ延長) アスピリンなど阻害薬の影響
の 低、血小板減少

⚠️ 測定上の注意(最重要)

  • は低値・血小板減少で延長する2。貧血や血小板減少を伴う患者では、延長がそのものの異常によるものか、これらの因子によるかを区別できない。
  • ⚠️ 正常なでも一部の(とくに軽度の1型)やなどの血小板分泌異常を除外できない。 PFA-100はが比較的高い検査だが、この例外があるため「正常だから否定」とは判断しない1。
  • の代わりとして位置づけられるが、の評価における必須項目ではなく補助的なスクリーニングにとどまる1。

Heyde症候群での位置づけ

では、による高いでが分解されを来す。PFA-100の延長はこのをスクリーニングする手段の一つとして用いられるが、⚠️ 感度・特異度が完全ではないため、が正常であってもを否定できない。確定診断はマルチマー解析によるの選択的欠損の証明で行う3。

まとめ

  • PFA-100は全血を用いたので、コラーゲン/エピネフリン・コラーゲン/ADPの2カートリッジのを測定する。
  • ⚠️ 一般的なはCEPI >180秒・CADP >120秒(施設差あり)。CEPIのみ延長ならアスピリンの影響を、両方延長なら・を示唆する。
  • ⚠️ は低値・血小板減少で延長するため、貧血例では単独で解釈できない。
  • ⚠️ 正常なでも一部の(軽度の1型など)を除外できない。
  • のスクリーニングに用いるが、確定診断はマルチマー解析に委ねる。

出典

  1. 1.Platelet function analyzer (PFA)-100 closure time in the evaluation of platelet disorders and platelet function(Journal of Thrombosis and Haemostasis (ISTH-SSC Platelet Physiology Subcommittee)・2006)PFA-100閉塞時間が正常であれば陰性的中率は高いものの、貯蔵プール病・軽度の1型von Willebrand病・一次分泌異常など一部の血小板機能異常では正常閉塞時間でも異常を除外できない例外があること、PFA-100閉塞時間の評価は出血性疾患の評価において必須ではなく補助的な位置づけであることを確認した。閲覧 2026-08-19
  2. 2.Laboratory Evaluation of Coagulopathies(StatPearls (NCBI Bookshelf)・2024)PFA(platelet function analyzer)がコラーゲン・ADP塗布またはコラーゲン・エピネフリン塗布のカートリッジに全血を通し高いずり応力下で血小板を活性化させ、孔が閉塞するまでの時間(閉塞時間)を測定する検査であること、閉塞時間がヘマトクリット低値で延長すること、アスピリンの効果としてコラーゲン/エピネフリンカートリッジの閉塞時間が延長し(>180秒)コラーゲン/ADPカートリッジは正常(<120秒)にとどまるパターンを示すこと、von Willebrand病や一部の血小板機能異常(Bernard-Soulier症候群、Glanzmann血小板無力症)の優れたスクリーニング検査であることを確認した。閲覧 2026-08-19
  3. 3.Heyde Syndrome Unveiled: A Case Report with Current Literature Review and Molecular Insights(International Journal of Molecular Sciences・2024)Heyde症候群の診断にPFA-100による閉塞時間延長が一次止血異常のスクリーニングとして有用であり、確定診断はフォン・ヴィレブランド因子マルチマー解析(高分子量マルチマーの選択的欠損)で行うことを確認した。閲覧 2026-08-19