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Lab values · Published

圧尿流検査

Pressure-flow study

別名
内圧尿流検査圧流量検査PFS
臓器系
腎・泌尿器
科目
Urology
トピック
泌尿器科学 U-09:尿失禁と尿流動態検査
関連疾患
排尿筋低活動

🧠 全体像の尿流だけを見るだが、低流量の原因がかはそれだけでは分けられない——は、膀胱内圧と腹圧を同時に記録してを求め、尿流量と組み合わせることでこの一点を解決する検査である。⚠️ 侵襲的な検査であり、全例に行うものではない。 結果が実際にを変える場面(多くは手術を検討する前)に限って行う。

どう測るか

は、に続けて行う排尿期の検査である。を終えて排尿の許可を出した直後に、カテーテルを留置したまま排尿させて記録する1

  • :経尿道または恥骨上に留置した(目安6〜7Fr)で測定する。
  • で測定する。腹圧は・咳などで変動するため、膀胱内圧から分離するために必須である。
  • :Pdet = Pves − Pabdとして算出する。膀胱平滑筋そのものの収縮による圧から、腹圧の混入を差し引いた値である1
  • と尿流量を同じ時間軸で同時記録し、両者を対応させて評価する。

単独との違いは一点に尽きる——低流量の原因がかは、圧を同時に見なければ分けられない。 同じ低流量パターンが両方の機序から生じるためである1

判定の考え方

尿流量との組み合わせで4つに分類する。

尿流量 解釈
低圧 正常
低流量 高圧
低流量 低圧
高圧

この分類を数値化する指標がいくつか使われる1

  • (BOOI/時のから、BOOI = PdetQmax − 2×Qmaxで算出する。男性では20未満を非閉塞、20〜40を不確定、40超を閉塞とする12。EAUは「はすべての患者の前立腺手術前にルーチンに行う検査ではない」と位置づけている2
  • :BCI = PdetQmax + 5×Qmaxで算出し、150超を強い収縮、100〜150を正常、100未満を弱い収縮()とする1
  • :BOOIを軸にした図で、男性の閉塞の有無を視覚的に分類する1

⚠️ これらの式・は男性で確立されたものであり、そのまま女性に当てはめない。 女性用に係数を変えた指標( = PdetQmax − 2.2×Qmax)も提案されているが、EAUは「男性の場合と異なり、女性のBOO診断には普遍的に受け入れられた閾値がない」と明記しており、統一された合意はまだ無い3。女性のBOO評価は単一の式やに頼らず、を含めた総合判断に依存する。

⚠️ 測定上の注意

  • 侵襲的検査に伴うリスクがある。 に関連する、血尿、尿路感染、尿閉、カテーテル挿入困難が報告されている1
  • 検査室という環境そのものが結果を歪める。 羞恥心や緊張から普段どおりに排尿できない「」が生じやすく、時とは異なる値になりうる1
  • と差し引き法(Pdet = Pves − Pabd)が正しく働いているかを確認する。 慣例としてのゼロ点は上縁の高さに合わせに設定し、排尿開始前の安静時が0またはそれに近いことを確認してから記録に進む1
  • 信号の質はで管理する。 咳をさせて膀胱内圧・腹圧の両トレースにより少なくとも15 cmH2O高い振幅のピークが同時に出るかを見る。片方が他方の70%未満なら、その回路をフラッシュしてから再検する1
  • 直腸の痙攣・収縮がに混入する。 低振幅の変化として現れ、膀胱内圧側には対応する変化が生じないため、の値を見誤らせうる1
  • )の混入。 2秒を超えて膀胱内圧と腹圧が同時に一時的に上昇する形で記録に現れ、自体の収縮力を過大評価させうる1

適応

⚠️ 全例に行う検査ではない。 侵襲的()であるため、結果が実際にを変える場面に限って行う。

  • (手術)を検討する前で、かつ次のいずれかに該当する場合:前回のが不成功だった、150 mLを超えて排尿できない、主体でQmaxが10 mL/秒を超える、50歳未満または80歳超である2
  • が疑われる場合。この場合の侵襲的は、可能な限り(画像を同時記録する方式)で行い、それが使えないときにに続けてを行う4
  • 診断が不明確なままを検討する場合、複数の病態が併存し治療の優先順位を決める必要がある場合、複雑な解剖学的異常がある場合1
  • 女性でも、所見がの選択を変えうる場合や診断的不確実性がある場合に限って行い、合併症のないに第一選択治療を行う際にはルーチンに行わない3
flowchart TD
    A["尿流量低下または<span class='jp-term jp-term-diagram' title='lower urinary tract symptoms, LUTS'>下部尿路症状</span>"] --> B{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='invasive treatment'>侵襲的治療</span>を検討している<br>または診断が不明確か"}
    B -->|"いいえ"| C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pressure-flow study'>圧尿流検査</span>は行わない<br>非侵襲的評価で経過を見る"]
    B -->|"はい"| D{"若年・高齢・治療不応・<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='neurogenic bladder'>神経因性膀胱</span>疑いなどに該当するか"}
    D -->|"いいえ"| C
    D -->|"はい"| E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pressure-flow study'>圧尿流検査</span>を検討"]
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='neurogenic'>神経因性</span>が疑われるなら<br>可能な限り<span class='jp-term jp-term-diagram' title='video urodynamic study'>ビデオ尿流動態検査</span>で施行"]

まとめ

  • は、膀胱内圧と腹圧を同時記録して(Pdet = Pves − Pabd)を算出しながら尿流量を測る、に続く排尿期の検査である。
  • 単独と違い、低流量の原因がかを圧の同時記録で分けられる。
  • 尿流量×の4分類、で判定するが、これらは男性で確立された指標であり女性にそのまま当てはめない。
  • 侵襲的検査であり、カテーテル関連の感染・血尿・疼痛のリスクと、検査室環境による再現性低下という限界がある。
  • 全例には行わず、手術を検討する前・疑い・若年または高齢・治療不応・症状と非侵襲的検査の不一致など、結果がを変える場面に限って施行する。

出典

  1. 1.Urodynamic Testing and Interpretation(StatPearls (NCBI Bookshelf)・2023)Procedures節で、経尿道または恥骨上カテーテルで膀胱内圧(Pves)を、直腸バルーンで腹圧(Pabd)を測定し排尿筋圧(Pdet = Pves − Pabd)を算出すること、6〜7Frの多腔カテーテルを用いること、圧トランスデューサーのゼロ点は恥骨結合上縁の高さで大気圧に設定する慣例であること、蓄尿を終えて排尿の許可を出した直後に圧-流量検査へ進む検査の流れを確認した。Indications節で、診断が不明確なまま外科的治療を検討する場合・複数の病態が併存し治療の優先順位を決める必要がある場合・複雑な解剖学的異常がある場合に施行するとされていることを確認した。Potential Diagnosis節・Normal and Critical Findings節で、膀胱出口閉塞指数(BOOI = PdetQmax − 2×Qmax、男性で20未満は非閉塞・20〜40は不確定・40超は閉塞)、排尿筋収縮指数(BCI = PdetQmax + 5×Qmax、100未満は低活動・100〜150は正常・150超は強い収縮)、女性用の膀胱出口閉塞指数(BOOIf = PdetQmax − 2.2×Qmax)、ICSノモグラムがBOOIを軸に男性の閉塞を分類することを確認した。Interfering Factors節で、咳試験で膀胱内圧・腹圧の両トレースに安静時圧より少なくとも15 cmH2O高い振幅のピークが同時に出るかを確認し、片方が他方の70%未満ならその回路をフラッシュして再検すること、直腸の痙攣・収縮が低振幅の変化として腹圧トレースに混入すること、いきみ(straining)が2秒を超える膀胱内圧・腹圧の同時上昇として記録に混入すること、検査室という環境での羞恥・緊張が排尿を妨げうることを確認した。Complications節で、カテーテル関連の合併症として排尿時痛・血尿・尿路感染・尿閉・カテーテル挿入困難が挙げられていることを確認した。閲覧 2026-08-04
  2. 2.EAU Guidelines on the Management of Non-neurogenic Male LUTS — Diagnostic Evaluation(European Association of Urology (EAU)・2026)セクション4.12「Urodynamics」で、圧尿流検査(urodynamics)は侵襲的治療を検討する前の個別患者に限り、前回の侵襲的治療が不成功だった場合・150 mLを超えて排尿できない場合・排尿症状主体のLUTSで手術を検討しQmaxが10 mL/秒を超える場合・50歳未満または80歳超の場合に施行するとされ、4.12.1節に「pressure-flow studies are not tests for routine use prior to prostate surgery for all patients」と明記されていること、膀胱出口閉塞指数(BOOI = pdetQmax − 2Qmax、40超で閉塞・20〜40で不確定・20未満で非閉塞)が示されていることを確認した。閲覧 2026-08-04
  3. 3.EAU Guidelines on Non-neurogenic Female LUTS — Diagnosis(European Association of Urology (EAU)・2026)セクション3.6.2「Diagnostic accuracy」に「Unlike the situation in men, there is no universally accepted threshold for BOO diagnosis in women」と明記されていること、セクション3.6.4の推奨で、尿流動態検査は所見が侵襲的治療の選択を変えうる場合または診断的不確実性がある場合に限って行う(弱い推奨)とされ、第一選択治療を提供する際にルーチンには行わない(強い推奨)とされていることを確認した。閲覧 2026-08-04
  4. 4.EAU Guidelines on Neuro-Urology — The Guideline(European Association of Urology (EAU)・2026)セクション3.3.7「Urodynamics and pelvic neurophysiological tests」で、神経因性膀胱が疑われる患者の侵襲的尿流動態検査にはビデオ尿流動態検査を用いること、それが利用できない場合は蓄尿時膀胱内圧測定に続けて圧-流量検査を行うことが推奨されていることを確認した。閲覧 2026-08-04