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Microbe Atlas · 原虫

Plasmodium malariae

四日熱マラリア原虫

分類
胞子虫 / SporozoaPlasmodium
科目
Medical Microbiology
トピック
4/18: Plasmodia
原因となる疾患
ネフローゼ症候群マラリア
作用する薬剤
クロロキン

🧠 全体像P. malariae72時間周期のという独特の発熱パターンと、という他のマラリア種にない合併症で覚える種である。しか狙わないため急性期のは低く抑えられる一方、P. vivaxP. ovaleのようなは作らないにもかかわらず、低レベルのが何十年も持続しうるという別の慢性化のしかたを持つ点が最大の特徴である。

微生物学的な特徴

  • での(バンドフォーム)——栄養型が赤血球を横断する帯状に伸びる。
  • が花弁状に配列)を呈する。
  • (senescent red cell)を選択的に狙うため、赤血球あたりの感染機会が限られ、の上限は5種の中で最も低い。

生活環

flowchart TD
  A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Anopheles mosquito'>ハマダラカ</span>の刺咬<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='sporozoites'>スポロゾイト</span>注入"] --> B["肝細胞に感染<br>(潜伏期13〜40日、最長)"]
  B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='hepatic schizont'>肝シゾント</span>形成→<span class='jp-term jp-term-diagram' title='merozoite'>メロゾイト</span>放出<br>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='hypnozoite'>休眠体</span>は作らない)"]
  C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='senescent red blood cell'>老いた赤血球</span>に選択的に感染"]
  D --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='band form'>帯状体</span>(バンドフォーム)に発育"]
  E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='rosette-shaped'>ロゼット状</span>の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='schizont'>分裂体</span>形成"]
  F --> G["赤血球破裂<br>(72時間ごとの発熱発作=<span class='jp-term jp-term-diagram' title='quartan fever'>四日熱</span>)"]
  G --> D
  G --> H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='gametogenesis'>配偶子形成</span>→蚊へ伝播"]
  D -.->|"低レベルの<span class='jp-term jp-term-diagram' title='parasitemia'>寄生虫血症</span>が<br>数十年持続しうる"| D

病原性の仕組み

  • のみに感染するため急性期のは低く抑えられ、臨床経過は良性であることが多い。
  • 一方で、な抗原刺激により免疫複合体がに沈着しを来す。これがとして発症する——他のマラリア種にはみられない本菌に特異的な合併症である。
  • は作らないが、低レベルの無症候性(再発ではなく)が何十年も持続しうる——輸血や無症候のからの感染経路として問題になる。

感染経路と疫学

  • 媒介動物・終宿主はAnopheles属)。
  • 熱帯アフリカ、極東・インドなど、他種と重なる地域により低頻度・的に分布する。
  • 13〜40日と5種の中で最長

起こす疾患

臨床像・重症化基準・治療の全体像はマラリアを参照。本菌に特異的な臨床像は次のとおり。

臨床像 特徴
72時間ごとの発熱発作(発作の間隔が中2日)
免疫複合体の糸球体沈着による寄生虫が消失した後も改善しないことがある
慢性無症候性 治療せずとも何十年も低レベルで持続しうる(再発ではなく

診断

  • ):
  • 形態がP. knowlesiの初期像と類似するため、東南アジア渡航歴がある例ではPCRでの鑑別が重要——P. knowlesiは本菌よりはるかに急速に重症化しうるため、誤って「軽症の」と判断すると危険である。

治療と予防

  • が有効で、耐性報告はまれ。
  • を作らないため、によるradical cureは不要——P. vivaxP. ovaleとの治療上の重要な違い。
  • を発症した場合は、寄生虫の駆除に加えて腎症自体への対症療法を要し、寄生虫消失後も蛋白尿が残存しうることを念頭に経過を追う。

まとめ

  • P. malariaeのみに感染し、72時間周期のを呈する。
  • 免疫複合体の糸球体沈着によるが本菌に特異的な合併症で、寄生虫消失後も改善しないことがある。
  • は作らないが、低レベルのなく何十年も持続しうる——P. vivaxP. ovaleの「による再発」とは異なる慢性化のしかた。
  • P. knowlesiと紛らわしく、渡航歴によってはPCRでの鑑別が重要。
  • 治療はが有効で、によるradical cureは不要。