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Fagerströmニコチン依存度テスト

Fagerström Test for Nicotine Dependence

別名
FTNDFTCDFagerströmテストファガストロームテスト
臓器系
精神呼吸器
科目
Public Health
トピック
公衆衛生 08:喫煙に対するミニマル・インターベンション(roleplay)

🧠 全体像は、たばこ喫煙者がにどれだけ身体的に依存しているかを、起床後最初の1本までの時間や1日の喫煙本数など6項目・合計0〜10点で数値化する自己記入式の尺度である。診断そのものではなく依存の強さを段階づけるで、点数が高いほど禁煙時のが強く出やすいことを示す。2012年には作成者自身の手で「」から「(Fagerström Test for Cigarette Dependence, )」へ改称された。

目的と適用場面

内容
目的 たばこ喫煙者の身体的なの強さを段階評価する
対象 現在たばこを喫煙している患者(の喫煙パターンを前提に作成された)
使う場面 禁煙支援の初回評価、製剤やなど薬物療法の必要性・の強さを見積もるとき、COPD肺癌などの患者に禁煙介入を行うとき
診断ではない としてのを診断する基準ではなく、既に喫煙している人の依存の強さを段階づけるスクリーニング的な尺度である

1978年にFagerströmが発表した8項目のFagerström Tolerance Questionnaire()を土台に、Heathertonらが1991年に改訂したものが現行の6項目版である。ブランドの含有量を尋ねる項目と吸入の深さを尋ねる項目は、生化学的な曝露の指標との相関が乏しく尺度の精度を下げていたため削除された。

構成要素と配点

6項目すべてに回答し、合計0〜10点で採点する。

質問 回答と点数
1. 起床後どれくらいで最初の1本を吸うか 5分以内=3点/6〜30分=2点/31〜60分=1点/60分超=0点
2. 禁煙区域で喫煙を我慢するのが難しいか はい=1点/いいえ=0点
3. どの1本を最も手放したくないか 起床後最初の1本=1点/その他=0点
4. 1日の喫煙本数 10本以下=0点/11〜20本=1点/21〜30本=2点/31本以上=3点
5. 起床後の数時間、他の時間帯より頻繁に喫煙するか はい=1点/いいえ=0点
6. 病気で1日のほとんどをしていても喫煙するか はい=1点/いいえ=0点

💡 6項目のうち質問1(起床後最初の1本までの時間)が単独でもっとも予測力が高いとされる項目である。などの生化学的指標との相関が強く、の出やすさをよく反映するため、後述のでもこの項目が中核に据えられている。

解釈とカットオフ

合計点 依存度
0〜2点 非常に低い依存度
3〜4点 低依存度
5点 中等度依存度
6〜7点 高依存度
8〜10点 非常に高い依存度

⭐ 施設・研究によっては低・中等度・高の3区分に簡略化して使うこともある。

短縮版:Heaviness of Smoking Index(

Heathertonらが1989年にに先立って報告した簡易版で、質問1(起床後最初の1本までの時間)と質問4(1日の喫煙本数)の2項目だけを使い、0〜6点で採点する。

合計点 依存度
0〜1点 低依存度
2〜4点 中等度依存度
5〜6点 高依存度

💡 研究では合計スコア≥4点を「高い度」の目安として扱う報告もある。ただし、この点数を根拠に特定の薬剤(例:を優先する)を推奨する一次資料は見当たらない。vareniclineのプール解析でも、ベースラインの/スコアとvareniclineの効果に作用はなく、依存度の高低にかかわらず一貫した有効性が示されている。薬剤選択は依存度スコア単独ではなく、禁忌・患者の希望・過去の使用歴などを総合して行う。

限界と使ってはいけない場面

⚠️ /が測るのは身体的(生理学的)依存の強さだけであり、や習慣化した喫煙行動といったは評価しない。合計点が低くても、そのものが禁煙の障壁になっていることは珍しくない。

⚠️ の喫煙パターンを前提に作られた尺度であり、にはそのまま適用できない。向けにはのような別バージョンが作られている。

⚠️ 自己申告に基づく尺度であり、過小申告などの影響を受ける。

⚠️ 2012年の改称()は、だけがたばこ依存を形成する唯一の物質ではないという理解が広がったことを反映している。「度」という名称が測定対象を過度に狭く見せていたための修正であり、尺度の項目・配点自体は変わっていない。

まとめ

  • は6項目・合計0〜10点で、たばこ喫煙者の身体的なの強さを段階評価する尺度であり、診断ツールではない。
  • 8項目の(1978年)から、生化学的指標と相関の乏しい2項目を除いて1991年に6項目へ改訂されたのが現行版である。
  • もっとも予測力が高い項目は「起床後最初の1本までの時間」で、この項目と1日喫煙本数の2項目だけを使う短縮版が(0〜6点)である。
  • 2012年にから(Fagerström Test for Cigarette Dependence)へ改称され、以外の要因もたばこ依存に関与するという理解を反映した。
  • の評価や以外の製品への適用には限界があり、自己も避けられない。
  • 点数のみで薬剤選択を機械的に決める根拠は乏しく、禁忌・患者の希望なども合わせて禁煙治療を組み立てる。