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GAPインデックス

GAP index

別名
GAPステージGAPスコア
臓器系
呼吸器
科目
PulmonologyInternal Medicine
トピック
呼吸器内科 38:特発性肺線維症内科学 S-05:間質性肺疾患
構成:検査値
スパイロメトリー肺拡散能
適用疾患
特発性肺線維症

🧠 全体像:GAP indexは、予後(死亡リスク)を層別化するための指標である。性別・年齢・肺機能()という診療でに得られる4だけから算出でき、でもを決める指標でもない点を最初に確認する。

目的と適用場面

GAP indexの目的は、と診断された患者の短期〜中期の死亡リスクを層別化することである。4からI〜IIIを判定し、が上がるほど死亡率が高い1。診断そのものには使わず、を使うかどうかというを単独で決める指標でもない。使う場面は、診断確定後の外来で患者に予後を説明するとき、で対象患者を重症度別に層別化するとき、施設への紹介タイミングを検討するときである。診断時点だけでなく、経過中の再評価にも同じ点数表をそのまま使える。

構成要素と配点

4(性別・年齢・)の点数を単純に合計する2

性別

0点 1点
女性 男性

年齢

0点 1点 2点
60歳以下 61〜65歳 65歳超

で測定)

0点 1点 2点
75%超 50〜75% 50%未満

で測定)

0点 1点 2点 3点
55%超 36〜55% 35%以下 測定不能

⚠️ DLCOが測定不能な例の扱い:DLCOだけが4のなかで唯一0〜3点と加点範囲が広く、「測定不能」を最重症側の3点として扱う。呼吸困難が強すぎて検査をできない患者を欠測として除外せず、むしろ重症側に位置づける設計である。性別・年齢・には測定不能の区分はなく、通常どおり評価してそのまま合算する。

合計点は0〜8点の範囲を取る。

解釈とカットオフ

合計点をI・II・IIIの3段階に分け、が上がるほど死亡率が高くなる2

合計点 1年死亡率 2年死亡率 3年死亡率
0〜3点 I 約5.6% 約10.9% 約16.3%
4〜5点 II 約16.2% 約29.9% 約42.1%
6〜8点 III 約39.2% 約62.1% 約76.8%

⭐ 臨床的に重要なのは、が上がるほど1〜3年の死亡リスクが上がるという方向性である。GAP indexが示すのは同じに属する集団の死亡リスクであり、「あなたは何年生きられるか」という個々の患者の余命を予測するではない

限界と使ってはいけない場面

⚠️ GAP indexは診断時点の単回の横断的な値にすぎない。FVCの低下速度、の合併、の既往といった動的な情報は点数に反映されない。同じGAPでも、FVCが急速に低下している患者と安定している患者では実際の予後が異なりうる。

⚠️ GAP indexは、)が国際ガイドラインで推奨される前のコホートから導かれたモデルである3が普及した現在の診療では、点数が示す死亡リスクを実際より高く見積もる可能性がある。

⚠️ GAP indexはのコホートで導かれたモデルであり、以外のへそのまま外挿しない。ILD病型をに加えたという派生版があり、を0点、を−2点として、複数のILD病型にわたるに拡張している4

⚠️ 移植適応の判断はGAP index単独では決まらない。年齢、併存症、進行速度、患者本人の意思など個別の要素を総合して判断する。

まとめ

  • GAP indexは性別・年齢・の4(合計0〜8点)から、の死亡リスクをI〜IIIに層別化する指標である。
  • DLCOだけが測定不能を最重症側の3点として扱う点が他の3と異なる。
  • が上がるほど1〜3年死亡率が高いが、集団の層別化であり個々の患者の余命を予測するではない。
  • 単回の横断的な値であり、FVC低下速度・といった動的な情報は含まない。
  • が普及する前のコホートから導かれたモデルで、以外のILDにはという派生版がある。
  • 移植適応の判断はGAP単独では決まらない。

出典

  1. 1.A Multidimensional Index and Staging System for Idiopathic Pulmonary Fibrosis(Annals of Internal Medicine・2012)抄録で、性別・年齢・FVC%予測値・DLCO%予測値の4変数からステージI〜IIIを判定するモデルであり、ステージが上がるほど死亡率が高い(1年死亡率はステージI/II/IIIで約6%/16%/39%)ことを確認した。配点表と2年・3年死亡率は抄録に無く、全文は未取得閲覧 2026-08-04
  2. 2.GAP index and staging system(Medical Data Models Portal(ハイデルベルク大学病院医療情報学研究所ほか運営)・2021)Ley 2012原著の配点表を再録した二次資料(原著全文は403で未取得)から、配点(性別0〜1点、年齢0〜2点、FVC%予測値0〜2点、DLCO%予測値0〜2点+測定不能3点)と、ステージI/II/III(0〜3/4〜5/6〜8点)ごとの1・2・3年死亡率を確認した閲覧 2026-08-04
  3. 3.Combined assessment of the GAP index and body mass index at antifibrotic therapy initiation for prognosis of idiopathic pulmonary fibrosis(Scientific Reports・2021)GAP index開発時点では抗線維化薬(ピルフェニドンを含む)が国際ガイドラインで推奨されておらず、抗線維化薬普及前のコホートから導かれたモデルである閲覧 2026-08-04
  4. 4.ILD-GAP Combined with the Charlson Comorbidity Index Score (ILD-GAPC) as a Prognostic Prediction Model in Patients with Interstitial Lung Disease(Canadian Respiratory Journal・2023)Ryerson 2014のILD-GAPはGAPの4変数にILD病型を追加し、IPF・分類不能型ILDを0点、膠原病関連間質性肺炎/特発性NSIP/慢性過敏性肺炎を−2点として、複数のILD病型にわたる予後予測に拡張している閲覧 2026-08-04