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SARC-F

SARC-F

臓器系
運動器全身
科目
PathophysiologyInternal Medicine
トピック
病態生理学 2-29:老化症候群の臓器レベルの症状内科学 L-28:不随意体重減少の鑑別診断
構成:症状
筋力低下歩行不安定転倒
適用疾患
サルコペニア

🧠 全体像:SARC-Fは、を疑うかどうかを1分もかからず自己記入できるでふるい分けるスクリーニングツールである。筋力・歩行・昇降・転倒歴の5項目を0〜2点で採点し、合計4点以上での可能性ありと判定する。ただしは「感度より特異度」——陽性なら(筋量測定)に進む価値が高いが、陰性でも安心して除外できないという限界を理解して初めて正しく使える。

目的と適用場面

内容
目的 が疑われる患者を短時間で拾い上げる一次スクリーニング
対象 高齢者を中心に、筋力・身体機能の低下が疑われる成人全般
使う場面 外来・入院時の初期評価。EWGSOP2の4段階アルゴリズムでは最初のFind(拾い上げ)ステップに位置づけられる1
評価しないもの そのもの、の確定診断

構成要素と配点

各項目は自己申告に基づき0〜2点で採点する2

0点 1点 2点
10ポンド(約4.5kg)の物を持ち上げて運ぶのに困難がない やや困難 非常に困難、または不可能

歩行の

0点 1点 2点
部屋を横切って歩くのに困難がない やや困難 非常に困難、補助具が必要、または不可能

椅子からの(Rise from a chair)

0点 1点 2点
椅子やベッドからするのに困難がない やや困難 介助なしでは非常に困難、または不可能

0点 1点 2点
10段のを上るのに困難がない やや困難 非常に困難、または不可能

0点 1点 2点
過去1年間の転倒なし 1〜3回 4回以上

合計0〜10点2。⭐ SARC-Fの名称自体がStrength・Assistance in walking(歩行の介助)・Rise from a chair・Climb stairs・Fallsの頭文字である。

解釈とカットオフ

合計点 判定
3点以下 の可能性は低い
4点以上 の可能性あり。筋量測定などへ進む

陽性(4点以上)であれば、EWGSOP2のFind-Assess-Confirm-Severityアルゴリズムの次段階(測定などのAssess、筋量測定によるConfirm)へ進む1そのものの詳細は側を参照する。

限界と使ってはいけない場面

⚠️ 感度が低い。 EWGSOP基準を参照標準としたでは0.21(95%CI 0.13〜0.31)にとどまり、特異度は0.90(95%CI 0.83〜0.94)と高い3。つまりSARC-F陰性(3点以下)だけでを除外してはならない——見逃しが起こりやすい設計である。

⚠️ 自己申告(自記式)に依存するため、・言語障壁・自己評価の過小/過大申告がある患者ではが下がる。

⚠️ 筋力低下の原因は多数ある。SARC-Fが拾い上げるのはを疑うきっかけであり、脳卒中、末梢神経障害、関節疾患など他の原因を除外する診察を代替しない。

⚠️ そのものは測定しない。確定診断には筋量測定(DXA・BIAなど)が必須であり、SARC-Fの点数だけでと診断・を決めない。

まとめ

  • SARC-Fは筋力・歩行の補助・椅子からの昇降・転倒歴の5項目、各0〜2点、合計0〜10点の自記式スクリーニングである。
  • 4点以上での可能性ありと判定し、(筋量測定)へ進む。
  • 感度は低く(0.21)特異度は高い(0.90)ため、陰性だけでを除外できない。
  • EWGSOP2の4段階アルゴリズムではFind(拾い上げ)ステップのとして位置づけられる。
  • 確定診断には筋量測定が必須で、SARC-Fの点数のみで診断・を決めない。

出典

  1. 1.SARC-F: A simple questionnaire to rapidly diagnose sarcopenia(Journal of the American Medical Directors Association(Malmstrom TK, Morley JE)・2013)筋力(Strength)・歩行の補助(Assistance in walking)・椅子からの立ち上がり(Rise from a chair)・階段昇降(Climb stairs)・転倒歴(Falls)の5項目を各0〜2点で採点し合計0〜10点とする自記式質問票SARC-Fを提示し、4点以上をサルコペニアおよび不良な転帰の予測因子としたこと閲覧 2026-08-11
  2. 2.SARC-F for Screening of Sarcopenia Among Older Adults: A Meta-analysis of Screening Test Accuracy(Journal of the American Medical Directors Association(Ida S, Kaneko R, Murata K)・2018)7研究12800例のメタ解析で、EWGSOP基準を参照標準としたSARC-Fの統合感度が0.21(95%CI 0.13〜0.31)、統合特異度が0.90(95%CI 0.83〜0.94)であり、感度は低いが特異度が高いため確定診断へ進める対象を絞り込む道具として有用と結論したこと閲覧 2026-08-11
  3. 3.Sarcopenia: revised European consensus on definition and diagnosis(European Working Group on Sarcopenia in Older People 2 (EWGSOP2) / Age and Ageing・2019)Find-Assess-Confirm-Severityの4段階アルゴリズムのFindステップに、SARC-Fなどの質問票によるスクリーニングを位置づけていること閲覧 2026-08-11