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副鼻腔・鼻症状アウトカムテスト22

Sino-Nasal Outcome Test-22

別名
SNOT-22SNOT22
臓器系
耳鼻咽喉科
科目
Otorhinolaryngology
トピック
耳鼻咽喉科 32:急性・慢性鼻副鼻腔炎と治療原則

🧠 全体像:SNOT-22は、患者自身が22項目の鼻・副鼻腔症状と生活への影響を0〜5点で採点する()である。が診る所見や内視鏡所見(重症度)と、患者が困っている度合い(重症度)は必ずしも一致しないため、・の治療効果を「患者にとって良くなったか」で測る物差しとして使われる。

目的と適用場面

内容
目的 症状と、それに伴う生活の質()への影響を患者自身の申告で数値化する
対象 (の有無を問わない)、、など症状を来す病態全般
使う場面 内科的治療・手術・生物学的製剤の効果判定、治療前後の比較、の評価
前身 SNOT-20(20項目版)に、の随伴症状2項目(の・耳の症状に関連する項目)を追加・改訂した22項目版1

構成要素と配点

22項目それぞれを、過去2週間の症状の程度に応じて0(問題なし)〜5点(これ以上ないほど重い)の6段階で自己採点する。項目はだけでなく、随伴する全身症状・心理面・睡眠にまで及ぶ。

領域 含まれる項目の例
鼻閉、、、くしゃみ
鼻以外の症状 嗅覚・味覚の低下、咳嗽
耳・顔面症状 、、めまい、顔面痛・圧迫感
心理面 集中力低下、イライラ、落ち込み、疲労感、当惑(人前で気になる)
睡眠 、夜間覚醒、起床時の疲労感、夜間の目が覚めるほどの咳

22項目の合計は0〜110点(点数が高いほど症状・への影響が大きい)。項目ごとに「自分にとって特に重要な症状」を最大5つまで選ばせる版(重要度付きスコア)もある。

解釈とカットオフ

総得点の目安 解釈
点数が高いほど 症状とそれに伴うへの影響が大きい
治療前後の差 薬物治療を受けた患者では、9〜13点程度の改善があれば患者本人ができる臨床的に意味のある変化()とみなされる(算出方法により差がある)2

⚠️ 統一された重症度の(軽症・中等症・重症の境界点)は研究によって設定が異なり、のようなの点数帯区分は確立していない。経過を追う際は、絶対点よりも同一患者内での治療前後の変化量()で解釈するのが基本である。

生物学的製剤の治療効果判定では、SNOT-22は・鼻閉スコア・(喘息・アレルギー・中耳の問題)への効果とあわせて、の柱の一つとして位置づけられている3。

限界と使ってはいけない場面

⚠️ 自己申告に基づく尺度であり、な重症度(内視鏡所見・所見・UPSITのような)とは必ずしも一致しない。 が評価する所見とは相関が弱いことがあり、どちらか一方だけで治療効果を判断すべきではない。

⚠️ 項目の性質上、疾患に特異的ではない症状(疲労感、イライラ、睡眠障害など)を含む。 うつ・不安・など他疾患の影響でも点数が上昇しうるため、疾患そのものの重症度と単純に同一視しない。

⚠️ 統一された重症度が定まっていないため、点数だけで疾患の重症度を分類する目的には使いにくい。 治療効果判定には向くが、初診時のは他の基準(スコア、所見など)と組み合わせて判断する。

まとめ

  • SNOT-22は22項目の症状・への影響を患者自身が0〜5点で自己採点する尺度で、合計0〜110点である。
  • SNOT-20を改訂した版であり、だけでなく耳・顔面症状、心理面、睡眠まで幅広く評価する。
  • 統一された重症度はなく、薬物治療では9〜13点程度の変化を臨床的に意味のある改善()の目安とする解釈が中心となる。
  • 生物学的製剤・手術など治療効果の判定に広く使われるが、自己申告ゆえ所見とは乖離しうる点、疾患に特異的でない項目を含む点に注意する。

出典

  1. 1.Psychometric validity of the 22-item Sinonasal Outcome Test(Clinical Otolaryngology・2009)22項目版のSNOT-20を改訂したSNOT-22が、英国87施設・鼻副鼻腔手術を受けた成人3128例の前向きコホートで妥当性検証されたこと。慢性副鼻腔炎患者と健常対照を有意に判別できたこと(P<0.0001)閲覧 2026-09-05
  2. 2.Minimal clinically important difference for the 22-item Sinonasal Outcome Test in medically managed patients with chronic rhinosinusitis(Clinical Otolaryngology・2018)薬物治療を受けた慢性副鼻腔炎患者において、SNOT-22の臨床的に意味のある最小変化量(MCID)が算出方法により約9〜13点の範囲であったこと閲覧 2026-09-05
  3. 3.EPOS/EUFOREA update on indication and evaluation of Biologics in Chronic Rhinosinusitis with Nasal Polyps 2023(Rhinology(European Rhinologic Society/European Forum for Research and Education in Allergy and Airway Diseases)・2023)発行元 rhinologyjournal.com が公開しているPDF全文を閲覧した。生物学的製剤の治療反応を評価するための患者報告アウトカム(Patient reported outcomes)としてSNOT-22・嗅覚低下・鼻閉スコア・併存疾患への効果を挙げていること。ただし本文中でSNOT-22は「治療反応の評価指標」として登場し、EPOS2020の適応基準5項目のうち「生活の質への著しい影響」という項目がSNOT-22で測定されるとは明記されていない閲覧 2026-09-05