Anatomy

Anatomy · 3.8

腹部:局所解剖

Abdomen — Topography

🧠 腹部の局所解剖は「弱点になる通路(管・孔・三角・陥凹)」を境界と内容で覚える。 はヘルニアの通路、Calot三角は胆嚢手術の目印、は大小嚢の交通口、腹膜陥凹は液の溜まる場所。処置・手術の要点として整理する。

鼠径部と鼠径管

は前腹壁下部を斜めに貫く通路で、男性では精索、女性ではが通る。3層筋の折り重なりで壁が作られる。

構成
後壁 膜・
天井 の弓状縁

は直接の部位で、境界は次の通り。

構成
外側
内側 外側縁

⚠️ 間接ヘルニアはの外側、直接は内側。 間接はから精索経路をたどり(動脈の外側)、直接はの後壁を貫く(動脈の内側)。動脈との位置で鑑別する。

大腿管

から始まるで、リンパ管と脂肪・リンパ節(Cloquet節)を含む。の通路になる。

の境界 構成
内側
外側

⚠️ は女性・嵌頓に注意。 骨盤が広い女性に多く、が狭く硬い境界()に囲まれるため嵌頓・絞扼を起こしやすい。との位置でと鑑別する(の下方・外側)。

Calot三角

Calot三角()はを同定する目印である。

構成
内側
下(外側)
肝下面

内容: (多くは右から分岐)、Mascagniリンパ節。

ではCalot三角を確実に展開する。 を安全に同定・処理するため、この三角の「critical view of safety」を得ることが胆管損傷を防ぐ鍵になる。

網嚢孔

(Winslow孔)はの交通口である。

境界 構成
:門脈・
下大静脈
十二指腸上部

💡 Pringle法はを圧迫する。 肝出血制御で)を挟む手技。に指を入れ前縁を圧迫して肝への流入血を止める。

腹膜陥凹

腹膜が作る陥凹には、液が溜まりやすく・膿瘍や内ヘルニアが生じうる部位がある。

陥凹 意義
仰臥位で腹腔の最低点。出血・膿の貯留
上行・下行結腸外側。液の移動路
の部位
立位で骨盤内最低点

FASTでMorison窩とDouglas窩を確認。 外傷エコーでを探す代表部位。仰臥位ではMorison窩、下方ではDouglas窩に液が溜まる。は上腹部と骨盤をつなぐ液の通路になる。

まとめ

  • はヘルニアの通路。内側)は直接ヘルニアの部位。
  • の通路で、女性・嵌頓に注意。
  • Calot三角は同定の目印で、の要。
  • ・小嚢の交通口。はPringle法で圧迫。
  • 腹膜陥凹(Morison窩・Douglas窩・)は液貯留・膿瘍の部位でFASTに用いる。