生化学

生化学 · 4/1

糖質の構造;食事中の糖質;食物繊維と食品添加物

Structure of carbohydrates; carbohydrates in the diet; dietary fibers and additives — S I

🧠 糖質は「→→多糖」の階層と、「消化される糖 vs 消化されない」で読む。 食事中の糖質は総エネルギーの50〜60%。多糖は加水分解で→→になり小腸で吸収される。消化されない糖質は大腸で腸内細菌に発酵される。血糖への上がりやすさはで表す。

糖質の構造

階層 の数 例
1 グルコース、、
2 、ラクトース、
3〜10個程度 、
多糖 多数 、グリコーゲン、

・多糖は で共有結合している。

単糖の見分け方

観点 区分 例・ポイント
カルボニル基の種類 アルドース()/ケトース(ケトン基) グルコース・はアルドース、はケトース
炭素数 三炭糖〜七炭糖 グルコース・・はいずれも六炭糖、は
立体配置 D型/L型 生体の糖はほぼD型
環状構造 六員環(ピラノース)/五員環(フラノース) 水溶液中のグルコースはほぼ環状。環を作るときにできる新しいでα型・β型(アノマー)が生じる

💡 α型かβ型かが「消化できるか」を決める。 とはどちらもグルコースだけの多糖だが、はα1→4結合、はβ1→4結合でつながる。ヒトのはのα結合しか切れないので、はとして大腸へ届く。

二糖と多糖の結合

糖 構成単位 結合 還元性
グルコース+グルコース α1→4 あり
ラクトース +グルコース β1→4 あり
グルコース+ α1↔β2(両方の還元末端どうし) なし
(アミロース) グルコース α1→4 の直鎖 —
() グルコース α1→4 の鎖に α1→6 の分岐 —
グリコーゲン グルコース と同じ型で、分岐がより多い —
グルコース β1→4 の直鎖(ヒトは分解できない) —

💡 だけが還元性をもたない理由。 還元性は環が開いて(ケトン基)を出せる末端に由来する。はグルコースとがその末端どうしで結合しているため、開ける環が残らない。

食事中の糖質

  • 糖質は総エネルギー需要の約50〜60%を占める。摂取の目安は、米国の許容主要栄養素分布範囲で総エネルギーの45〜65%、日本人の食事摂取基準の目標量で50〜65%。
  • 多糖は酵素的に加水分解され、→→となり小腸で吸収される(と各反応は糖質の消化と吸収)。
  • ヒトが消化できない糖質(など)は大腸に達し、腸内細菌に発酵されるか、そのまま排泄される。

血糖指数

(GI)は、食品中の糖質がどれだけ速く血糖を上げるかの指標(1980年代に糖尿病食のために開発)。標準量(50 g)の糖質を含む試験食を摂取し、2時間の血糖のを、同量の純グルコース(GI=100)と比較する。食品の品種・加工・調理によって値は変動する1。

GI区分 例
高GI(≥70) グルコース、コーンフレーク、白パン、白米、多くのジャガイモ
中GI(56–69) 食品の品種・加工・調理により該当
低GI(≤55) 、乳製品、豆類、多くの果物・野菜(穀類は製法により変動)

💡 低GI食品は応答を小さくしやすい。 速くグルコースに消化・吸収される食品は高GI。GIは調理法・・同時摂取物(脂肪はを遅らせる)に左右されるため、食品名だけから一律には決まらない。

主要な糖と甘味料

糖 ・供給源
グルコース(デキストロース) 比 約70–80%の甘さ。蜂蜜・果物、/多糖の加水分解
と同程度〜やや強いを示すことがあるが、相対は濃度・温度・食品条件で変動する。蜂蜜・果物、加水分解2
高コーンシロップ(糖) コーンスターチのグルコースを一部に(下図)。清涼飲料に添加
ラクトース グルコース+。乳・乳製品。が低下するとになる
flowchart TD
  STARCH["コーンスターチ(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='starch'>デンプン</span>)"] -->|"α-<span class='jp-term jp-term-diagram' title='amylase'>アミラーゼ</span>・グルコ<span class='jp-term jp-term-diagram' title='amylase'>アミラーゼ</span><br>工業的な加水分解(H₂O)"| GLC["グルコース"]
  GLC -->|"グルコースイソメラーゼ<br>工業的な<span class='jp-term jp-term-diagram' title='isomerization'>異性化</span>(一部だけ変換)"| FRU["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='fructose'>フルクトース</span>"]

変換は一部にとどまるので、製品の高コーンシロップはグルコースとの混合液になる。

⚠️ の過剰摂取、とくに糖含有飲料のは肥満・糖尿病と関連する。 高コーンシロップは清涼飲料・加工食品に広く使われるが、特定の料だけでなく全体の摂取量を考える。

食物繊維

は、ヒトので分解されない糖質(主に植物細胞壁の多糖)。大腸で腸内細菌に発酵されるものと、されずに排泄されるものがある。

食品添加物

料・・などのも糖質関連で扱われる。やはカロリーやGIを抑える目的で使われるが、一部は下痢を起こしうる。

まとめ

  • 糖質は→→多糖の階層で、・多糖はで連結。はアルドース/ケトース、炭素数、環の形とアノマー(α/β)で見分ける。
  • ・グリコーゲンはα結合、はβ1→4結合。ヒトはα結合しか切れない。は還元性をもたない。
  • 食事糖質はエネルギーの50〜60%。多糖→に消化され小腸で吸収、消化されない繊維は大腸で発酵/排泄。
  • GIは血糖の上がりやすさの指標(純グルコース=100)。低GI食品は応答を小さくしやすい。
  • 主要糖:グルコース・・高コーンシロップ(グルコースの一部をした混合液)・ラクトース。の相対は条件で変動し、の過剰摂取は肥満・糖尿病と関連する。
  • は便通・血糖・コレステロール・腸内細菌に働く。吸収されない糖はを起こしうる。

出典

  1. 1.International tables of glycemic index and glycemic load values 2021: a systematic review(The American Journal of Clinical Nutrition・2021)GI値には食品の品種・加工・調理による幅があり、低・中・高GIの境界はそれぞれ55以下、56〜69、70以上である閲覧 2026-08-20
  2. 2.A new sensory sweetness definition and sweetness conversion method of five natural sugars, based on the Weber-Fechner Law(Food Chemistry・2019)糖の相対甘味は濃度などの測定条件に依存し、固定値として扱えない閲覧 2026-08-20