Biochemistry

Biochemistry · 5/1

体内および食事中の主要な脂質の構造と機能

Structure and function of the most important lipids in the body and in the diet — S I

症状
必須脂肪酸欠乏

🧠 脂質は「(貯蔵)・リン脂質(膜)・コレステロール(構造・前駆体)」の3本柱で読む。 食事脂質はほぼ。脂肪酸の長さとが物性(/液体)を決め、はヒトが合成できずPUFA系列の起点になる。動脈硬化との関連から、食品群ごとの脂肪酸組成も押さえる。

三大栄養素とその配分

炭水化物・脂質・タンパク質が。バランス食での推奨配分はおよそ炭水化物60%・脂質30%・タンパク質10%。微量栄養素(ビタミン・ミネラル)はカロリーを持たないが代謝に必須。

食事性脂質

食事脂質は主にで、少量のリン脂質・コレステロールを含む。これら疎水性物質は、吸収前に胆汁酸でされ加水分解される必要がある。(A・D・E・K)やなどもこので一緒に吸収される。

⚠️ ・脂質欠乏を招く。 脂質の・吸収経路を共有するため、脂肪摂取が極端に少ない、またはがあると、・D・E・K欠乏症を合併しうる。

トリアシルグリセロールと脂肪酸の物性

は、グリセロールの3つのすべてが脂肪酸でされた構造。脂肪酸の・二重結合数が、そのままTAGの物性を決める。

脂肪酸の性質 常温での状態 代表
(例:ラード、バター)
不飽和・、短鎖 液体(が高い)(例:植物油)

天然のはすべてをもち、炭素鎖に「折れ曲がり」を作る(このためが高い)。

オメガ命名法と必須脂肪酸

二重結合の位置を、でなく非カルボニル末端(オメガ・n末端)から数えると、PUFAはオメガ-3系・オメガ-6系に分類される。

系列 特徴
オメガ-6(18:2, cis-Δ9,12) ヒトが合成不可、必須
オメガ-3(18:3, cis-Δ9,12,15) ヒトが合成不可、必須

は長鎖PUFAの出発物質。 は食事から摂る必要があり、これらからなどの長鎖PUFAが合成される(06-02-eicosanoids-prostaglandins-thromboxane-and-leukotrienes-cyclooxygenaseの前駆体)。良い食事源は魚、ヒマワリの種、菜種、カボチャの種、油、クルミ、葉物野菜。

脂質代謝と動脈硬化

トリグリセリド・動脈硬化・心血管疾患の発症に重要な役割を果たす(西欧型国での主要な死因)。1948年開始のFramingham研究以来、食事指針は変遷してきた(詳細は05-11-risk-factors-associated-with-cholesterol-homeostasis-in-atherosclerosis)。

食品群ごとの脂肪酸組成

食品 脂肪含量・組成の特徴
・乳製品 生乳は脂肪3.5–5%。脂肪酸の約30%が不飽和(主に)、70%飽和(うち1/3はより短鎖)。チーズは種類で脂肪含量が20%(カッテージ)〜62%(パルメザン)まで幅広い
ヤシ油・パーム核油 (C6–C12)が全脂肪酸の約2/3を占める(ヤシ油は常温でが高い)
(ラード) 動物種・飼料で組成が変わる。豚脂:飽和約40%・一価不飽和約50%(主に)・10%。ガチョウ/脂は飽和が少なく(25–30%)柔らかい
マーガリン(トランス脂肪) 大豆油などのを化学的に飽和させ固形化。結果としてを生じる

⚠️ の摂取は心血管リスクと関連。 で生じるは、天然のシス脂肪酸と異なる物性・代謝影響をもち、摂取は心血管疾患リスク上昇と関連づけられている。

まとめ

  • は炭水化物60%・脂質30%・タンパク質10%が目安。食事脂質の主体はTAG。
  • 胆汁酸によるが脂質吸収に必須で、の吸収も共有する。
  • 脂肪酸のがTAGの物性(/液体)を決める。天然はシス型。
  • =オメガ6、=オメガ3)はヒトが合成できず、長鎖PUFA(EPA・DHA・)の前駆体。
  • 食品群で脂肪酸組成が大きく異なる。の産物で心血管リスクと関連。