生物物理学

生物物理学 · 26.07

MRIにおける巨視的磁化―スピン–スピン緩和(spin–spin relaxation)

Macroscopic magnetization in MRI — spin–spin relaxation

応用トピック
MRIの基礎
画像所見
脳微小出血皮質表在性ヘモジデローシス

🧠 は、同士の相互作用によりの位相がばらつき、合成が減衰する過程である。 のエネルギー回復とは別の現象であり、エコー時間を長くすると組織間のT2差が信号へ強く現れる。

横磁化と位相同期

直後には、多数の核がほぼ同位相でし、受信コイルで検出できるMxyM_{xy}を作る。がわずかに異なると各の歳差位相が次第にずれ、であるMxyM_{xy}が小さくなる。

理想的な―は

Mxy(t)=Mxy(0)e−t/T2M_{xy}(t)=M_{xy}(0)e^{-t/T_2}

で表される。T2T_2はが初期値の1/e1/eまで減衰する時間である。

T2とT2*の区別

T2減衰は、近接間の相互作用による微視的な変動から生じ、直ちにへの正味のエネルギー移動を必要としない。一方、実測のにはの不均一や差による可逆的な位相ずれも加わり、より短いT2∗T_2^*として見える。

flowchart TD
  A["RF 後に<span class='jp-term jp-term-diagram' title='spin'>スピン</span>位相がそろう"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='local magnetic field'>局所磁場</span>差で歳差速度がずれる"]
  B --> C["位相分散が進む"]
  C --> D["合成<span class='jp-term jp-term-diagram' title='transverse magnetization'>横磁化</span> Mxy が減衰"]
  D --> E["静的な不均一は 180° パルスで再収束可能"]

180°パルスを用いるエコーは、静的な磁場不均一による位相ずれを再収束させるため、不可逆的なT2成分を評価しやすい。ただし間相互作用そのものは巻き戻せない。

MRI信号への反映

TEが長いほどは多く減衰し、組織間のT2差が信号差として現れやすい。これはT1による回復とは独立に考える必要がある。を与える空間の間にも位相は蓄積し、最終的なを左右する。

まとめ

T2とT2*の区別は、エコー形成と静的磁場不均一の補正を理解する基礎である。12

  • はを構成するのが失われる過程である。
  • 理想的なはT2T_2でに減衰する。
  • T2∗T_2^*には真のT2減衰に加え、不均一などの可逆的な位相分散が含まれる。
  • TEを調節すると、組織間のT2差を画像として強調できる。

出典

  1. 1.Spin echo magnetic resonance imaging(Journal of Magnetic Resonance Imaging・2013)スピンエコーMRIにおける縦磁化回復、横磁化減衰と撮像コントラスト閲覧 2026-08-21
  2. 2.MR pulse sequences: what every radiologist wants to know but is afraid to ask(RadioGraphics・2006)MRIパルス系列、TR・TEと画像コントラストの関係閲覧 2026-08-21