Embryology

Embryology · 10.4

筋系:臨床

Muscular System — Clinical

🧠 筋系の臨床相関は「特定の筋(群)がまるごと欠損・低形成になる」症候群として現れることが多い、と覚える。 いずれも前駆細胞の形成・遊走・分化のどこかの段階が障害された結果であり、しばしば隣接する骨格・皮膚の異常(など)を伴う点が特徴。

Poland症候群

(特に胸肋部)の欠損または低形成を特徴とするで、しばしば同側のや乳腺・の低形成を伴う。片側性が多い。

💡 は体壁の筋(10-2-head-limb-body-wall-muscles)に由来するが、ではの血流障害(の分枝の発生異常)が原因と考えられており、単純な細胞の分化障害というより局所的な血流供給の異常が背景にあるとされる。

プルーンベリー症候群

腹壁筋の広範な低形成・欠損により腹壁がしわの寄った(プルーン様の)外観を呈する症候群。腹壁筋の欠損は単独の異常ではなく、尿路系の異常(膀胱・尿管の高度拡張、など)を高率に合併する。

⚠️ 腹壁筋の欠損と尿路異常が合併する理由は完全には解明されていないが、の高度な尿路閉塞・巨大な膀胱拡張が、その前方に位置する腹壁の筋発生を機械的・血流学的に障害するという説が有力。腹壁筋・尿路系・15-1-urinary-system)の異常が三徴としてセットで問われる点が重要。

横隔膜の筋に関連する異常

横隔膜の筋成分(体壁由来のの遊走、10-2-head-limb-body-wall-muscles)の形成不全は、11-4-clinical参照)の一因ともなりうる。横隔膜の発生自体は複数の胚組織の複合(11-3-diaphragm-formation)によるため、詳細は体腔の章を参照。

筋原性調節因子と分化障害

MyoD・Myf5(10-1-skeletal-striated-muscle)などのの機能不全はで骨格筋の完全欠損を来すことが示されているが、ヒトでの対応する先天性欠損症候群は非常にまれである。臨床的には、筋自体の発生異常よりも、神経支配の欠如(など)や結合組織の異常による二次的なの方が頻度が高い。

まとめ

  • の欠損・低形成で、同側のを伴うことが多く、局所血流障害が背景と考えられる。
  • は腹壁筋の広範な欠損で、尿路系の高度拡張・を合併する三徴として問われる。
  • 横隔膜の筋形成不全はの一因となりうる。
  • ヒトでのそのものの欠損症候群はまれで、臨床的には神経支配障害による二次的なの方が頻度が高い。