Histology

Histology · 6.2

循環器:動脈

Circulatory system — Arteries

応用トピック
経皮的冠動脈血行再建術(PCI)大動脈解離の診断と治療動脈疾患の疫学・危険因子・スクリーニング・予防・保存的治療:血管炎血管造影・基本的血管内治療・血管外科技術・血管グラフト大動脈瘤と末梢動脈瘤急性大動脈症候群

🧠 動脈は心臓から離れるにつれ「弾性→筋性→細動脈」と中膜のが変わる、と一本道の変化として覚える。 心臓に近い大動脈は拍出の衝撃を吸収するため弾性線維が主体(弾性血管)、末梢に向かうにつれ血流を各臓器へ配分・調節する必要が増すため平滑筋が主体(筋性血管)に置き換わり、最も末梢の細動脈では平滑筋の収縮そのものがを決める主役になる。

動脈の3分類:弾性動脈・筋性動脈・細動脈

flowchart TD
  A["大動脈・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pulmonary trunk'>肺動脈幹</span>(心臓に近い)"]
  A --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='elastic artery'>弾性動脈</span>:中膜に多数の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='elastic laminae'>弾性板</span>"]
  B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='muscular artery'>筋性動脈</span>:中膜は平滑筋が優勢"]
  C --> D["細動脈:平滑筋1〜数層、<span class='jp-term jp-term-diagram' title='peripheral vascular resistance'>末梢血管抵抗</span>を規定"]
種類 中膜の 機能・代表例
に配列した多数の 心収縮期の圧を吸収し拡張期にも血流を維持する「圧の緩衝装置」。大動脈、など
平滑筋が優勢、が明瞭 血流量の分配・調節。体内のほとんどの名前のついた動脈(など)
細動脈 平滑筋層が1〜数層のみ、中膜が薄い の主たるの要

が「」によりを平坦化するという理解は循環生理と直結する頻出ポイント——心臓が収縮期にのみ血液を送り出すにもかかわらず、末梢の血流がほぼ持続的に保たれるのは、が収縮期にいったん血液のエネルギーを蓄え、拡張期に放出するため。

動脈壁の3層(動脈における具体化)

一般的な血管の3層構造(06-1-general-plan)は動脈で以下のように具体化される。

動脈での特徴
内皮+内皮下層+(波状に見える、標本作製時の収縮による
中膜 では優勢、では平滑筋優勢。外側にをもつことがある
外膜 動脈系では比較的薄い(06-1-general-plan参照)

💡 が標本上で波打って見えるのは、動脈がでの高い内圧から解放され(・標本作製時に)弾性線維が収縮するために生じる——「波打つ」を見たら反射的に「これは動脈だ」と判断してよいが、波打ちそのものは生理的な構造ではなく標本作製上の変化だと理解しておく。

まとめ

  • 動脈は心臓に近い側から優勢)・(平滑筋優勢)・細動脈(薄い中膜)に分類される。
  • によりを平坦化し、持続的な末梢血流を可能にする。
  • 細動脈の平滑筋層はの主たるとなる。
  • 動脈のは標本上で波打って見えるが、これはによるである。