組織病理学

組織病理学 · H2-073A

胎児性癌

Embryonal carcinoma (image)

描出疾患
精巣腫瘍

🧠 全体像:は、未分化な原始上皮様細胞からなる悪性のである。形態所見や免疫結果が確認できない場合、特定の配列・出血・壊死・浸潤が存在したと断定してはならない。

診断根拠の限界

判断できること 判断できないこと
という学習対象 特定標本における腫瘍細胞の形態
一般的なの枠組み 腺・・などの実際の配列
診断に必要な確認項目 出血、壊死、、浸潤の有無
一般的な 個々の免疫染色結果や混合成分

⚠️ 標本固有の所見は、読める組織像、所見記載、免疫染色、臨床情報のいずれかで裏づけられた場合にだけ記載する。

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Embryonal carcinoma'>胎児性癌</span>という診断候補"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='architecture'>組織構築</span>を確認"]
    B --> C["細胞異型と壊死・出血を確認"]
    C --> D["OCT3/4・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='CD30'>CD30</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='SALL4 (spalt-like transcription factor 4)'>SALL4</span>などで補助"]
    D --> E["他の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='germ cell tumour'>胚細胞腫瘍</span>成分を検索"]
    E --> F["純粋型か混合型かを確定"]

一般的な確認項目

項目 で典型的な方向性
細胞 大型でがあり、核小体が目立つ原始上皮様細胞
細胞質 好塩基性〜両染性
構築 、胞巣状、腺、
背景 出血・壊死を伴いやすい
OCT3/4、、、が診断を補助1
鑑別 、、、

💡 パネルは「どれが陽性か」より「どの組合せで割れるか」で読む。 110例のでは、・・がとのいずれも90%超の細胞で強陽性、は陽性だが陰性、・も陰性だった1。OCT3/4はとの両方で陽性になるためこの2つは切り分けられず、そこはSOX2()とSOX17()がほぼ排他的に働く2。

これらは疾患一般の確認項目であり、対象組織での存在は個別に確認する必要がある。病理像、、病期、治療の詳細はを参照する。

まとめ

  • は悪性のである。
  • 根拠を確認できない形態や浸潤を個別所見として補わない。
  • 診断には形態、、他の成分の検索が必要である。
  • では、確認できる根拠と一般的知識を明確に分ける。

出典

  1. 1.SALL4 is a novel diagnostic marker for testicular germ cell tumors(The American Journal of Surgical Pathology・2009)原発性精巣胚細胞腫瘍110例の検討で、胚細胞腫瘍性上皮内病変・古典的セミノーマ・胎児性癌はSALL4とOCT4がいずれも腫瘍細胞の90%超に強陽性だった。卵黄嚢腫瘍31例は全例SALL4が90%超で強陽性だがOCT4は陰性、精母細胞性腫瘍・絨毛癌・奇形腫もOCT4陰性で、SALL4は精巣非胚細胞腫瘍23例すべてで陰性、非精巣腫瘍275例中でも巣状弱陽性が11例のみだった。閲覧 2026-08-24
  2. 2.Differential expression of SOX2 and SOX17 in testicular germ cell tumors(American Journal of Clinical Pathology・2009)精巣胚細胞腫瘍67例の検討で、セミノーマ成分は全例がSOX17びまん性核陽性かつSOX2陰性、胎児性癌は1例の巣状陽性を除き全例がSOX2びまん性核陽性かつSOX17全例陰性だった。卵黄嚢腫瘍はSOX17が種々に陽性でSOX2陰性、絨毛癌は両者とも陰性であり、SOX2とSOX17はセミノーマと胎児性癌の鑑別に有用である。閲覧 2026-08-24