Histopathology

Histopathology · H2-110A

悪性黒色腫の免疫組織化学的診断・診断困難な亜型・センチネルリンパ節生検

Malignant melanoma

描出疾患
悪性黒色腫

🧠 全体像悪性黒色腫(malignant melanoma)の危険因子・進展様式・・標本所見は悪性黒色腫に、ABCDE基準とによる評価はに整理済みのため、本項目では診断を確定するための、診断が難しい亜型、そしてによるに焦点を当てる。

診断確定のための免疫組織化学

マーカー 特徴
S100 高感度だが特異度は低く、神経系・軟骨系など以外の腫瘍にも陽性となりうる
HMB-45 系分化に比較的特異的だが、型・性の腫瘍では陰性化しやすい
Melan-A(MART-1) HMB-45と同様に系分化の指標。同様に型では陰性化しうる
SOX10 核内発現で高感度な)マーカー。HMB-45・Melan-Aが陰性化しやすいでも陽性を保つことが多く、鑑別に有用
Ki-67 の指標。単独で良悪性を判定する基準にはならないが、他の所見と合わせた補助情報になる

⚠️ 単一マーカーの陰性だけで悪性黒色腫を否定してはならない。特にHMB-45・Melan-Aが陰性化しやすい亜型では、S100やSOX10を含む複数マーカーの組み合わせで評価する。

診断が難しい亜型

亜型 特徴 診断上の注意点
臨床的・組織学的に色素をほとんど認めない 色素の乏しさから他の悪性腫瘍と誤認されやすく、による確認が診断の要となる
線維性間質を伴う増殖を主体とし、瘢痕や線維肉腫様腫瘍に類似する HMB-45・Melan-Aが陰性化しやすく、S100・SOX10が診断の頼りになる。を伴いやすく局所再発のリスクが高い
からなり、やMPNSTなど他の腫瘍と類似する による鑑別が必須

病期診断の流れとセンチネルリンパ節生検

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pigmented'>色素性</span>病変を疑い<span class='jp-term jp-term-diagram' title='excisional biopsy'>切除生検</span>"] --> B["組織学的診断+必要に応じ<span class='jp-term jp-term-diagram' title='immunohistochemistry (IHC)'>免疫組織化学</span>"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Breslow thickness'>Breslow厚</span>・潰瘍の有無を評価"]
    C --> D{"中間厚以上か"}
    D -->|"はい"| E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='sentinel lymph node biopsy, SLNB'>センチネルリンパ節生検</span>で所属リンパ節転移の有無を評価"]
    D -->|"いいえ(きわめて薄い病変)"| F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='primary tumor'>原発巣</span>切除のみで経過観察"]
    E --> G{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='sentinel lymph node'>センチネルリンパ節</span>陽性か"}
    G -->|"陽性"| H["超音波による経過観察、または追加郭清を個別に検討"]
    G -->|"陰性"| F

は、中間的な厚さの悪性黒色腫で所属リンパ節転移の有無を最小限の郭清で評価するために行う。かつては陽性であれば所属リンパ節郭清を全例に追加する方針が一般的だったが、陽性例でも郭清を追加するか超音波による経過観察にとどめるかは、への効果を踏まえて個別に判断する考え方へ移行している。

⚠️ 結合組織形成性黒色腫はへの転移率が他の黒色腫より低い一方で局所再発・のリスクが高いため、リンパ節生検の意義付けや経過観察の重点が典型的な黒色腫とは異なる。

危険因子・進展様式・・標本所見は悪性黒色腫、ABCDE基準・・所属リンパ節/脳転移は、病型・臨床徴候・予後因子はの病型・臨床徴候・予後因子を参照する。

まとめ

  • HMB-45・Melan-Aが陰性化しやすい亜型では、S100・SOX10を含む複数マーカーで的に確認する。
  • 黒色腫・結合組織形成性黒色腫・型黒色腫は診断が難しく、が診断確定の鍵になる。
  • は中間厚以上の病変で所属リンパ節転移を評価する標準的手法で、陽性例への対応は個別に判断する。