Histopathology

Histopathology · H2-116B

髄膜腫

Meningioma

描出疾患
中枢神経系腫瘍(成人・小児)
疾患
髄膜腫

🧠 全体像はくも膜のに由来する、多くは良性の腫瘍である。脳表を外側からする境界明瞭な腫瘤として、あるいは内に発生し、浸潤ではなくによって症状を起こす点がとの対比で重要になる。

標本の所見

所見 解釈
に石灰化した小体。の変性・石灰化を反映し、型を含む複数の亜型でみられる
線維性間質 に富む間質で、線維性など間質成分が優位な亜型を示唆する
(whorled pattern) に取り巻く構築で、正常くも膜の配列を反映する
正常脳組織 された、あるいは境界を接する正常。浸潤ではなく性の境界であることの対比に用いる
flowchart TD
    A["くも膜の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='meningothelial cell'>髄膜上皮細胞</span>"] --> B["腫瘍性増殖"]
    B --> C["脳表を外側から<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mass effect'>圧排</span>する境界明瞭な腫瘤"]
    B --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ventricular system'>脳室系</span>内で発生"]
    C --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='whorled arrangement'>渦巻き状配列</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='psammoma body'>砂粒体</span>などの形態亜型"]
    E --> F["サイズ・局在・手術到達性・組織学的gradeで予後が決まる"]

WHO CNS分類とgrade

出典テキストの「grade 1〜3」という枠組みは現行のWHO分類第5版でも維持されているが、形態基準に加えて分子基準が加わった点が更新点である。

grade 形態基準(目安) 分子基準
grade 1(典型的 少数、脳浸潤なし。髄膜上皮性・線維性・き型)・型など多数の亜型 なし
grade 2(異型性 数増加(目安として10 HPFあたり4以上)または脳浸潤、あるいは細胞密度増加・小型細胞・核小体明瞭・増殖・自発壊死のうち3項目以上 明細胞型・様型は形態にかかわらずgrade 2
grade 3( 高い(目安として10 HPFあたり20以上)、または肉腫・悪性黒色腫様の明らかな TERTプロモーター変異またはCDKN2A/2B欠失があれば、形態が良性様でもgrade 3とする

⚠️ 乳頭型・横紋筋様型を、その形態だけでgrade 3としない。 かつては構造や横紋筋様細胞質が見られれば他の悪性所見とにgrade 3とされていたが、現行分類ではこの規則が廃止され、他の亜型と同じくgrade 2・3の形態基準と分子基準に照らしてgrade 1〜3へ振り分ける。

⚠️ 「grade 1は必ず低リスク」と単純化しない。TERT変異やCDKN2A/2B欠失があれば形態が典型的でもgrade 3として扱う分子基準が、現行分類では形態基準と並列に働く。

の多くはNF2遺伝子(産物merlin)の不活化に関連し、NF2野生型の一部(とくに頭蓋底発生例)ではTRAF7KLF4AKT1SMOなどの変異がみられる。両側性の鞘腫と多発の組み合わせは(NF2関連症)を示唆する。

まとめ