Pediatrics

Pediatrics · 3-55

チアノーゼ性先天性心疾患

Cyanotic congenital heart disease

前提:病態
先天性心疾患
前提:正常
心血管系:臨床(円錐動脈幹奇形)心血管系:胎児循環
疾患
先天性心疾患(非チアノーゼ性・チアノーゼ性)

🧠 全体像では、右→左短絡、肺・体循環の並列化、静脈血と動脈血の混合不全により低酸素血症を生じる。新生児の中心性チアノーゼは緊急所見で、酸素だけに反応しない場合は動脈管依存性心疾患を考え、プロスタグランジン E1(PGE1)を開始しながら心エコーで解剖を確認する。

チアノーゼの評価

中心性チアノーゼは舌・口腔粘膜を含む青紫色で、低酸素血症を示す。口周囲だけの色調変化や四肢末端のは寒冷・末梢循環でも起こり、同義ではない。「SpO₂ 95%未満」だけをチアノーゼの定義にせず、測定条件、右手(動脈管前:preductal)と足(動脈管後:postductal)の差、血液ガス、呼吸所見を統合する。

flowchart TD
    A["新生児中心性チアノーゼ"] --> B["気道・呼吸・循環を安定化"]
    B --> C["動脈管前後SpO₂・血液ガス・胸部X線"]
    C --> D{"動脈管依存性心疾患が疑わしい"}
    D -->|"はい"| E["PGE1開始+緊急心エコー"]
    D -->|"不明/いいえ"| F["肺疾患・PPHN・敗血症なども評価"]
    E --> G["病変別のカテーテル/<span class='jp-term jp-term-diagram' title='surgery'>外科治療</span>"]

PGE1は動脈管を開存させるが、無呼吸、低血圧、発熱を起こしうるため、気道確保可能な環境で投与する。

疾患の比較

疾患 血行動態 初期治療・根治
によりVSDを介した右→左短絡 チアノーゼ、 治療、外科修復
大動脈は右室、肺動脈は左室から出て 生後早期の強いチアノーゼ PGE1、必要時バルーン
右房→右室流入がなく、心房間交通が必須 チアノーゼ、右室低形成 PGE1、段階的単心室手術
1本の動脈幹から体・へ流出 混合血、、心不全 早期外科修復
が右房側/体静脈へ還流 ASDで生存、閉塞型は肺水腫・ショック 緊急外科修復
左室・/大動脈弁・大動脈の重度低形成 動脈管依存性体循環 PGE1、段階手術/移植/緩和方針

Fallot四徴症

四徴は①、②/、③、④である。チアノーゼの程度は主に流出路狭窄で決まる。

では急激なチアノーゼ、頻呼吸、、意識低下を生じる。患児を落ち着かせ、膝胸位、酸素、輸液、モルヒネ、β遮断薬を病態に応じて用い、持続例では、挿管、緊急介入を検討する。年長児のは体血管抵抗を高め、右→左短絡を減らす。

完全大血管転位

では体循環とが並列となり、ASD/VSD/PDAを介した混合が生命維持に不可欠である。PGE1でPDAを保ち、混合不十分なら(atrial septostomy)を行い、根治はである。

混合病変・単心室系病変

三尖弁閉鎖・総動脈幹症

では右房から右室へ血流が入れず、ASD/PFOが必須で、はVSD/PDAに依存する。が形成されず、1本の共通動脈幹が両心室から出る。22q11.2 欠失との関連があり、から早期心不全を来す。

総肺静脈還流異常

では全が左房ではなく体静脈系/右房側へ還流し、ASDを介してへ流れる。が閉塞すると重篤な肺水腫、低酸素、ショックとなり緊急手術が必要で、PGE1が常に有効な病変ではない。

左心低形成症候群

では体循環が右室→肺動脈→PDA→大動脈に依存する。PDA閉鎖前からPGE1、換気・体バランスの調整、代謝性アシドーシスの補正を行い、を含む段階的手術、心移植、家族と相談したを検討する。

まとめ

  • 新生児中心性チアノーゼで動脈管依存性心疾患を疑ったら、診断確定を待たずPGE1を考慮する。
  • TOFのチアノーゼはに左右され、は膝胸位を含む緊急治療を要する。
  • d-TGAはであり、PDA・心房間交通による混合を確保してへつなぐ。
  • TAPVRはが右房側へ還流する病態で、閉塞型は緊急外科疾患である。