薬理学

薬理学 · Core39

医療機器

Core39: Medical device

前提:病態
Core1:薬物開発の段階(概要)

🧠 全体像:は「をもつが、主たる作用を薬理学的・免疫学的・代謝的な手段で達成しない製品」である1。作用するのは物理的・機械的な力、、あるいは医療ソフトウェア/in silico 機能である。⚠️ クラス分類も上市の経路も地域ごとに別の法律が決めている——は規則2017/745でI・IIa・IIb・III、米国はがclass I・II・III、日本は薬機法で一般・管理・高度管理である。同じ製品が地域によって違う箱に入るので、「クラスIIIの機器」とだけ言ってもどの地域の話かを添えないと意味が定まらない。⭐ 覚える幹は1本——リスクが高いほど、前に第三者(公認機関・当局)が関与する度合いが上がる。

定義 — どこまでが医療機器か

のは、旧来のと能動植込み型指令(AIMD 90/385/EEC)を置き換えて2017年4月25日に発効し、2021年5月26日から適用が始まった2。適用開始は当初2020年5月の予定だったが、を理由に欧州委員会が1年延期した2。

MDR第2条(1)の定義は、次ののいずれかのために使うよう製造業者が意図した器具・装置・器械・ソフトウェア・・試薬・材料等をとする1。

  • 疾患の診断・予防・監視・予測・予後・治療・緩和
  • 傷害または障害の診断・監視・治療・緩和・代償
  • 解剖、または生理学的/病理学的な過程・状態の検査・置換・修飾
  • 検体の体外検査による情報提供(臓器・血液・組織の提供に関するものを含む)

⚠️ 「をもたない」と丸めない。 条文が除外しているのは「主たる意図された作用を薬理学的・免疫学的・代謝的手段によって達成すること」であって、続けて逐語で「but which may be assisted in its function by such means(そうした手段によって機能を補助されることはありうる)」と書いてある1。⭐ 判定の軸は「主たる作用がどちらか」であり、の有無そのものではない。この一語の違いが、後述するコンビネーション製品の振り分けをそのまま決める。

💡 日本の法律は別の書き方をしている。 薬機法第2条第4項はを「疾病の診断・治療・予防に使用されること、又は身体の構造・機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等であつて、政令で定めるもの」と、目的で定義したうえで該当品目を政令に委ねる形をとる3。⚠️ 条文には「薬理学的・免疫学的・代謝的手段によらない」という除外文言が現れない。 同じ概念でも、どこで線を引くかの書き方が地域で違う。

  • 目的だけの製品は、必ずしもではない。の監視などに使うならになりうる。
  • 講義が挙げる作用の様式は3つ——物理的/、、医療ソフトウェア/in silico 機能。いずれも薬理学的・免疫学的・代謝的な経路ではない。
  • は、・・看護/と範囲が重なることがある。

クラス分類は地域で違う

⚠️ 最初に確認すべきはクラス名ではなく「どの地域の分類か」である。

(MDR) 米国() 日本(薬機法)
区分 クラスI / IIa / IIb / III の4段階12 class I / II / III の3段階4 一般 / 管理 / 高度管理 の3区分3
区分 クラスIに Is()・Im(機能)・Ir(再使用可能な外科用器具)2 — 別軸で特定保守管理(保守点検・修理に専門知識を要するもの)3
分類の基準 使用目的と固有のリスクを考慮し、附属書VIIIの規則で判定1 リスク(最小/中等度/高)4 副作用または機能の障害が生じた場合に生命・健康へ与える影響(重大/あり/ほとんどない)3
誰が線を引くか 規則の附属書(分類規則) 厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定3
  • の例:クラスIは低リスク、クラスIIIは高リスクで最も厳しい要求がかかる2。附属書VIIIの規則8は植込み型・長期外科的侵襲機器を原則クラスIIbとし、心臓・中枢循環系・中枢神経系と直接接触するもの、能動植込み型機器、と外科用メッシュ、人工関節、置換などをクラスIIIへ引き上げる1。講義で挙がる・はクラスI、補聴器はクラスIIa、・はクラスIIb、・・植込み型人工・はクラスIIIという並びは、この「リスクが上がるほど上のクラス」という軸をなぞっている。
  • 米国の例:逐語で「class I is minimal (eg, tongue depressors), class II is moderate (eg, tibia nails and powered wheelchairs), and class III is high (eg, implantable pacemakers)」4。

⚠️ 同じ製品が地域で違うクラスに入りうる。 米国では電動がのclass IIの例として挙げられている4が、講義ののクラス表はをクラスI(低リスク)に置いている。クラス名が似ていること(の「クラスI」と米国の「class I」)が、かえって取り違えを誘う。⭐ 製品名だけを覚えてクラスを答えない。 地域と、その地域の分類規則に戻る。

⚠️ では移行そのものでクラスが動いた機器がある。 逐語で「the MDR impacts the classification of some devices and, consequently, certain medical devices will be moved to a higher class」2。旧指令のもとでのクラスを、そのまま現行のクラスとして覚えない。

ソフトウェアはどう分類されるか

⭐ ソフトウェアがになるのは、この分野で近年いちばん動いた点である。MDR附属書VIIIの規則11は、診断または治療の判断に用いる情報を提供するソフトウェアを原則クラスIIaとし、その判断が死亡または不可逆的な健康状態の悪化を招きうる場合はクラスIII、重篤な悪化または外科的介入を招きうる場合はクラスIIbとする1。「患者に何が起きうるか」でクラスが決まり、ソフトウェアの技術的な複雑さでは決まらない。

上市の経路 — リスクが上がるほど第三者が関与する

リスク (MDR) 米国() 日本(薬機法)
低 クラスI:技術文書を作成し自ら適合宣言を発行する1 class I:通常は正式な試験を免除4 一般:厚生労働大臣への(第23条の2の12)3
中 クラスIs/Im/Ir、IIa、IIb:公認機関が関与する適合性評価12 class II:510(k)クリアランス4 認証基準が定められた管理・高度管理:登録認証機関の認証(第23条の2の23)3
高 クラスIII:最も厳しい要求2 class III:PMA(premarket approval、前承認)4 上記以外の管理・高度管理(認証基準が無いもの):厚生労働大臣の承認(第23条の2の5)3

⭐ で「前の承認」にあたるものはCEマーキングである。 医薬品のような当局の販売承認ではなく、適合性評価を経て適合宣言を出し、CEマーキングを付けて上市するという仕組みで、第三者認証機関(公認機関, Notified Body)の関与の度合いがクラスによって変わる12。公認機関は加盟国が指定する2。

💡 日本で経路を決めているのは、クラスそのものではなく「認証基準があるか」である。 条文の切り分けは、①一般は、②高度管理・管理のうち厚生労働大臣が基準を定めて指定したもの(指定高度管理等)は登録認証機関の認証、③それ以外は厚生労働大臣の承認、という順序になっている3。⚠️ 同じ「管理」でも、認証基準が定められているかどうかで②と③に分かれる。

💡 クラスIでも公認機関がまったく関与しないわけではない。 MDR第52条第7項は、クラスIでも状態で上市するもの(Is)・機能をもつもの(Im)・再使用可能な外科用器具(Ir)には公認機関の関与を求める。ただしその関与はの確立と維持/計量要件への適合/再使用にかかる洗浄・消毒・・保守・機能試験というその側面だけに限られる1。「関与する/しない」の二分ではなく、どこまで見るかが段階的に変わる。

⭐ 510(k)とPMAの違いは「何を証明するか」である。 PMAは「安全性と有効性の合理的な保証」を証明しなければならず、そのためにはが要る。一方510(k)は「既に市場にある別の機器との」を示せばよく、根拠はしばしばベンチトップ試験(非臨床・試験)と記述的解析である4。医薬品の承認のように有効性をで示す枠組みとは前提が違う。

💡 のの要求は医薬品に近づいている。 MDRについて「のデータは頑健で信頼できるものでなければならず、品質・安全性の要求は製薬業界で行われる試験と同様である」と評されている2。

審査の厳しさとリコールの関係

2008〜2017年に米国市場へ出た28,556件の機器を追跡したでは、510(k)が28,246件、PMAが310件(全体の1.1%)だった4。リコールされたのは510(k)群3,012件(10.7%)対PMA群84件(27.1%)で、リコールのは2.74(95%信頼区間2.19〜3.44)、死亡や重篤な健康被害のおそれを意味する高リスクリコールのは7.30(95%信頼区間4.39〜12.13)だった4。

⚠️ この数字を「PMAのほうが危険」と読まない。 これは観察研究であり、PMAを通る機器はそもそも高リスクの機器である。著者自身が限界として、有害事象報告データベースの不正確さ・不完全さ、使用頻度の高い機器ほど有害事象がされやすいという未調整の、そしてリコールされないまま重大な懸念を生じた機器(永久避妊デバイス Essure、)の存在を挙げている4。読み取れるのは「厳しい審査を通しても市販後の安全性の問題は残る」ことと、「リコールの絶対数の大半は510(k)機器が占める」ことの2点である。2011年には米国医学研究所が510(k)経路の段階的廃止を勧告している4。

⚠️ 「クラスIリコール」は「クラスI機器」ではない。 のリコールもI〜IIIに層別され、リコールのクラスIは「死亡または重篤な健康被害を招きうる高リスクの問題」を意味する4。機器のクラスIは最低リスクなので、同じ語が正反対の向きを指す。

薬との境界 — コンビネーション製品

MDRは、医薬品成分を含む機器と、医薬品を投与する機器を別々の規定で振り分ける。どちらも判定の軸は「主たる作用はどちらか」である1。

flowchart TD
    A["薬と機器が<br>一体になった製品"] --> B{"どういう一体か"}
    B -->|"医薬品にあたる物質を<br>不可欠の一部として組み込む<br>(第1条第8項)"| C{"その物質の作用は"}
    C -->|"機器の作用に対して<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='ancillary'>付随的</span>"| D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Medical Device Regulation, MDR'>医療機器規則</span>で評価・認可<br>例:<span class='jp-term jp-term-diagram' title='drug-eluting stent'>薬剤溶出ステント</span>"]
    C -->|"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='principal'>主</span>"| E["医薬品指令2001/83/EC<br>または規則726/2004"]
    B -->|"医薬品を投与する機器<br>(第1条第9項)"| F{"上市のされ方は"}
    F -->|"機器と医薬品が別々"| G["機器部分は<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Medical Device Regulation, MDR'>医療機器規則</span><br>医薬品部分は医薬品法"]
    F -->|"単一の一体製品で<br>その組合せ専用かつ再使用不可"| H["全体が医薬品指令<br>または規則726/2004<br>例:プレフィルドシリンジ"]
    E --> I["機器部分の安全性・性能には<br>附属書Iの一般要求が及ぶ"]
    H --> I
  • ⭐ は、(機器)の作用が主で表面の薬剤が付随的にあたる例として説明される——第1条第8項の枠に入り、としてされる側になる。
  • ⭐ プレフィルドシリンジは、注射器(機器)と医薬品が単一の一体製品として、その組合せ専用かつ再使用できない形で売られる例——第1条第9項の後段に入り、医薬品としてされる側になる。
  • ⚠️ 規則の条文は個々の製品名を挙げていない。 上の2例は条文の振り分けの軸を当てはめた説明であり、実際の製品がどちらに入るかは、その製品の主たる作用と上市のされ方を個別に見て決まる。
  • 吸入器のように、同じ「薬+デバイス」でも製品の売られ方で振り分けが変わることがある。再使用できるか、単一一体製品として売られるかを見る。
  • 同じ「主か付随的か」の軸は、の非生存の組織・細胞またはその誘導体を組み込んだ機器にも当てはまる。付随的ならで評価され、主であれば(先端医療医薬品の規則の対象でない限り)組織・細胞に関する指令2004/23/ECの側へ回る1。→ Core36:先端医療医薬品・ワクチン
  • ⚠️ どちらへ振り分けられても、機器部分の安全性・性能にはMDR附属書Iの一般安全性・性能要求が及ぶ1。「医薬品として審査されるから機器の要求は掛からない」ではない。

市販後の安全性監視

MDR第87条は、製造業者に重大インシデントとの所管当局への報告を義務づける1。

事象 報告期限
重大インシデント(一般) を確立したか合理的に可能と判断した後ただちに、かつ認知から15日以内
重大な上の ただちに、かつ2日以内
  • 重大インシデントの定義は、患者・使用者その他の者の死亡、健康状態の一時的または恒久的な重篤な悪化、重大な上ののいずれかを直接または間接に引き起こした・引き起こしえた・引き起こしうるインシデントである1。
  • ⭐ 製品情報に明記され技術文書で定量されている予期される副作用は、個別報告の対象から外れ、の枠で扱われる1。
  • 域内の機器のライフサイクル情報はEUDAMED(欧州データベース)に集約される2。
  • ⚠️ 語が医薬品側と違う。 MDRが使うのは「副作用」「回収」ではなく「重大インシデント」「是正的安全処置」であり、報告期限も上表のとおりMDR自身が条文で定めている1。医薬品の副作用報告の枠組みと用語も条文も別なので、どちらの制度の話をしているかを混ぜない。

まとめ

  • =をもち、主たる意図された作用を薬理学的・免疫学的・代謝的手段では達成しない製品。 ⚠️ 「が無い」ではなく「主たる作用がそれではない」であり、そうした手段による補助はありうる1。
  • クラスが高い=リスクが高い。 ただし⚠️ クラスの名前と数は地域で違う——はI・IIa・IIb・III、米国はclass I・II・III、日本は一般・管理・高度管理である143。地域を言わずに「クラスIII」と書かない。
  • クラスIII()=植込み型・生命維持型の高リスク機器。 心臓・中枢循環系・中枢神経系と直接接触するもの、能動植込み型機器、、人工関節などが規則8で引き上げられる1。
  • ⭐ リスクが上がるほど第三者の関与が増える。 は自己適合宣言→公認機関、米国は免除→510(k)→PMA、日本は→登録認証機関の認証→大臣承認143。
  • ⭐ 510(k)は「実質的同等性」を示すだけで、を要しない。 医薬品の承認とは前提が違う4。
  • ⚠️ 「クラスIリコール」は最も重大なリコールのことで、機器のクラスIとは向きが逆である4。
  • 薬と機器の境界は「主たる作用」で決まる(第1条第8項・第9項)1。この軸を当てはめると、は機器の側、プレフィルドシリンジは医薬品の側になると説明される。
  • 市販後はビジランスの枠組みで動く。 重大インシデントと是正的安全処置を15日以内(重大な上のは2日以内)に報告する1。
  • のMDRは2017年4月25日発効・2021年5月26日適用開始で、MDD 93/42/EECとAIMD 90/385/EECを置き換えた。適用開始はで1年延期された2。

出典

  1. 1.Regulation (EU) 2017/745 of the European Parliament and of the Council of 5 April 2017 on medical devices, amending Directive 2001/83/EC, Regulation (EC) No 178/2002 and Regulation (EC) No 1223/2009 and repealing Council Directives 90/385/EEC and 93/42/EEC(EUR-Lex (European Union)・2017)EU出版局のレンディションで官報掲載版(OJ L 117, 5.5.2017)の全文を取得して確認した。第2条(1)の定義は、診断・予防・監視・予測・予後・治療・疾患の緩和、傷害や障害の診断・監視・治療・緩和・代償、解剖もしくは生理学的/病理学的な過程または状態の検査・置換・修飾、ヒト由来検体の体外検査による情報提供のいずれかの医療目的で製造業者が使用を意図した器具・装置・器械・ソフトウェア・インプラント・試薬・材料等であって、逐語で「does not achieve its principal intended action by pharmacological, immunological or metabolic means, in or on the human body, but which may be assisted in its function by such means」と続く——除外されるのは薬理学的・免疫学的・代謝的手段による「主たる意図された作用」であって、そうした手段による補助は排除されない。第51条第1項は逐語で「Devices shall be divided into classes I, IIa, IIb and III, taking into account the intended purpose of the devices and their inherent risks. Classification shall be carried out in accordance with Annex VIII.」。第52条第7項は、クラスI機器は技術文書を作成したうえでEU適合宣言を自ら発行すればよいが、滅菌状態で上市されるもの・計測機能をもつもの・再使用可能な外科用器具については適合性評価に公認機関が関与し、その関与はそれぞれ滅菌の確立と維持、計量要件への適合、再使用(洗浄・消毒・滅菌・保守・機能試験)の側面に限られると定める。附属書VIIIの規則8は、植込み型機器と長期の外科的侵襲機器を原則クラスIIbとしつつ、心臓・中枢循環系・中枢神経系と直接接触するもの、生物学的作用をもつか大部分が吸収されるもの、体内で化学変化するもの、医薬品を投与するもの、能動植込み型機器とその附属品、乳房インプラントと外科用メッシュ、全/部分の人工関節、椎間板置換インプラントや脊柱と接触する植込み型機器をクラスIIIとする。規則11は、診断または治療の判断に用いる情報を提供するソフトウェアを原則クラスIIaとし、その判断が死亡または不可逆的な健康状態の悪化を招きうる場合はクラスIII、重篤な悪化または外科的介入を招きうる場合はクラスIIbとする。第1条第8項は、単独で使えば医薬品にあたる物質を不可欠の一部として組み込み、その作用が機器の作用に対して付随的(ancillary)である機器は本規則に従って評価・認可され、その物質の作用が主(principal)であれば医薬品指令2001/83/ECまたは規則726/2004に従うと定める。第1条第9項は、医薬品を投与することを意図した機器は本規則に従うが、機器と医薬品が単一の一体製品として、当該組合せでのみ使用することを意図し、かつ再使用できない形で上市される場合は、その単一一体製品は医薬品指令または規則726/2004に従うと定める。第87条は、製造業者に重大インシデントと是正的安全処置(field safety corrective action)の所管当局への報告を義務づけ、因果関係を確立したか合理的に可能と判断した後ただちに、かつ認知から15日以内(重大な公衆衛生上の脅威の場合はただちに、かつ2日以内)に報告するとする。第2条(65)は「重大インシデント」を、患者・使用者その他の者の死亡、健康状態の一時的または恒久的な重篤な悪化、重大な公衆衛生上の脅威のいずれかを直接または間接に引き起こした、引き起こしえた、または引き起こしうるインシデントと定義する。第2条(42)は「公認機関(notified body)」を本規則に従って指定された適合性評価機関と定義し、第2条(43)は「CEマーキング」を、当該機器が本規則その他の適用されるEU整合法令の要件に適合していることを製造業者が示すための表示と定義する。第19条は製造業者にEU適合宣言の作成と継続的な更新を求め、第20条第1項は、特注品と治験用機器を除き本規則の要件に適合するとみなされる機器はCEマーキングを付さなければならないとし、同条第4項は上市の前に付すこと、同条第5項は該当する場合にCEマーキングの後ろに第52条の適合性評価手続を担当した公認機関の識別番号を付すことを定める。閲覧 2026-09-22
  2. 2.Medical device regulation (MDR) in health technology enterprises - perspectives of managers and regulatory professionals(BMC Health Services Research・2023)全文(PMC10062684)で確認した。逐語で「The Medical Device Regulation, MDR 2017/745 (hereinafter referred to as “the MDR”) came into force on 25 April 2017 and into application on 26 May 2021.」であり、置き換えられたのは医療機器指令MDD 93/42/EECだけでなく能動植込み型医療機器指令90/385/EEC(AIMD)も含む。適用開始は当初2020年5月の予定だったが、逐語で「In April 2020, the European Commission announced that, due to the COVID-19 situation, it had postponed the transition period of the MDR by one year from May 2020 to May 2021.」と、COVID-19により1年延期された。クラス分類について逐語で「The MDR divides medical devices into four main categories: Class I, IIa, IIb and III. In addition, devices in Class I have three subclasses: Is, sterile condition, Im, measuring function and Ir, reusable surgical instruments.」とし、「Under the MDR and MDD, Class I medical devices are low-risk devices, while Class III medical devices are high-risk devices.」「A Class III device is considered a high-risk device and therefore has the most stringent requirements」と述べる。また逐語で「In practice, the MDR impacts the classification of some devices and, consequently, certain medical devices will be moved to a higher class.」と、MDRへの移行で上位クラスへ移る機器があるとする。臨床試験について逐語で「The MDR sets new standards for clinical trials since the data must be robust and reliable. The quality and safety requirements for the performance of clinical trials are similar to studies conducted in the pharmaceutical industry」。ソフトウェアについては附属書VIIIの規則11が要求を詳細化したと述べる。公認機関(Notified Body)は上市前の適合性を評価する組織でEU加盟国が指定すること、EUDAMEDがEU域内の機器のライフサイクル情報を収めるデータベースであることも記す。⚠️ 本論文はフィンランドの医療技術企業74社への質問紙調査であり、全文に vigilance と post-market の語は0件なので市販後監視の制度をこの出典で論じることはできない(陽性対照の MDR は107件)。閲覧 2026-09-22
  3. 3.医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)(デジタル庁 e-Gov法令検索(令和八年五月二十一日施行の現行版)・2026)e-Gov法令検索のAPIで現行版(令和八年五月二十一日施行、改正は令和五年法律第六十三号、current_revision_status は CurrentEnforced、廃止なし)の条文を取得して確認した。第2条第4項は「医療機器」を逐語で「人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等(再生医療等製品を除く。)であつて、政令で定めるものをいう」と定義し、該当する品目の範囲を政令に委ねている。第5項は「高度管理医療機器」を、副作用又は機能の障害が生じた場合において「人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあることからその適切な管理が必要なもの」として厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定するものとし、第6項は「管理医療機器」を高度管理医療機器以外で「人の生命及び健康に影響を与えるおそれがある」もの、第7項は「一般医療機器」を両者以外で「人の生命及び健康に影響を与えるおそれがほとんどないもの」と定める。第8項は保守点検・修理等に専門的な知識と技能を要する「特定保守管理医療機器」を別の軸として置く。上市の経路は3つに分かれる——第23条の2の5第1項は「医療機器(一般医療機器並びに第23条の2の23第1項の規定により指定する高度管理医療機器及び管理医療機器を除く。)…の製造販売をしようとする者は、品目ごとにその製造販売についての厚生労働大臣の承認を受けなければならない」とし、第23条の2の23第1項は「厚生労働大臣が基準を定めて指定する高度管理医療機器、管理医療機器又は体外診断用医薬品(=指定高度管理医療機器等)」について厚生労働大臣の登録を受けた「登録認証機関」の認証を受けなければならないとし、第23条の2の12第1項はそれ以外(=一般医療機器)について「あらかじめ、品目ごとに…厚生労働大臣にその旨を届け出なければならない」とする。⚠️ 条文にはEUのような「薬理学的・免疫学的・代謝的手段によらない」という除外文言は現れない。閲覧 2026-09-22
  4. 4.Risk of Recall Among Medical Devices Undergoing US Food and Drug Administration 510(k) Clearance and Premarket Approval, 2008-2017(JAMA Network Open・2021)全文(PMC8103223)で確認した。米国のクラス分類は逐語で「The FDA classifies devices according to risk: class I is minimal (eg, tongue depressors), class II is moderate (eg, tibia nails and powered wheelchairs), and class III is high (eg, implantable pacemakers).」で、続けて「Class III devices require a PMA, whereas class II devices typically undergo 510(k) clearance. Class I products are usually exempt from formal testing.」とする。立証責任の違いは逐語で「A successful PMA application must prove a reasonable assurance of safety and effectiveness, whereas the 510(k) application must show only substantial equivalence to another device already on the market. To achieve the former requires a clinical trial, whereas the latter frequently relies on benchtop (nonclinical and biomechanical) tests and descriptive analysis.」。2008年1月1日から2017年12月31日に市場に出た機器を追跡したコホート研究で、本文は逐語で「A total of 28 556 devices came to market during the 10-year study period; while the proportion of devices with PMA did increase from 0.7% to 1.5%, overall, only 310 devices (1.1%) were approved through the PMA process, and 28 246 devices received 510(k) clearance」。⚠️ 抄録のResultsは同じ310件を「310 devices (10.7%)」と書いており、本文の1.1%(310/28,556)と食い違う。分母で検算できる本文の値を採った。リコールはFDAの区分でクラスI〜IIIに層別され、逐語で「class I representing high-risk issues for serious harm or death」——**リコールのクラスIは機器のクラスIとは別の意味**である。結果は510(k)群3,012件(10.7%)対PMA群84件(27.1%)がリコールされ、クラスIリコールは510(k)群216件(0.8%)対PMA群16件(5.2%)、リコールのハザード比は2.74(95%信頼区間2.19〜3.44、P<.001)、高リスクリコールのハザード比は7.30(95%信頼区間4.39〜12.13、P<.001)。⚠️ 限界として、MAUDEデータベースに不正確・不完全なデータが含まれうること、使用頻度の高い機器ほど有害事象が把握されやすいという交絡を調整していないこと、Essure や腹腔鏡下モルセレーターのようにリコールされないまま重大な安全性の懸念を生じた機器があることを著者自身が挙げている。2011年に米国医学研究所が510(k)経路の段階的廃止を勧告したことにも触れている。閲覧 2026-09-22