薬理学

薬理学 · Core38

伝統的生薬有効成分

Core38: Traditional herbal active substances

前提:病態
Core23:酵素誘導薬

🧠 全体像:は、では「長年使われてきた」という実績だけで登録できる簡略経路(使用登録)をもつ。ここで免除されるのは有効性のだけであって、品質試験と安全性の文献レビューは免除されない1。⚠️ だから「=無害」は成り立たない——製剤ごとに含量がばらつき、処方薬との相互作用は処方薬が効かなくなるという気づきにくい形で現れる2。⭐ 覚える固有名詞は2つだけ——=(併用薬が効かなくなる)と、=(併用薬が効きすぎる)。向きが逆である。

EUの簡略登録 — 何が免除され、何が免除されないのか

の植物薬指令(2004/24/EC)は、医薬品指令2001/83/ECに「」という簡略登録の章を挿入した。申請は加盟国の所管当局へ行う(一括の承認ではない)1。

要件 内容
使用実績 申請日までに少なくとも30年の、うち域内で少なくとも15年1
有効性 は不要。「長年の使用と経験からまたは有効性が妥当と考えられる」ことで足りる1
適応の範囲 の監督を受けずに使えるよう意図された適応に限る(診断・処方・治療監視を要するものは不可)1
剤形 経口・外用・吸入のみ1
用法・用量 定められた含量と用法・用量でのみ投与されること1
品質 免除されない。 医薬品としての品質試験の結果を提出する1
安全性 免除されない。 安全性データの文献レビューと報告書を提出する1
副作用報告 医薬品指令のファーマコビジランスの条項(第101〜108条)が準用される1
表示 「専ら長年の使用実績に基づく植物薬である」旨と、症状が続くときは受診する旨を表示・添付文書に明記する1

⭐ 「剤形は経口・外用・吸入のみ」は試験に出しやすい。 注射剤をこの経路で登録することはできない。「の監督なしで使える適応に限る」という要件と合わせて読むと、この制度が想定しているのは一般用(OTC)の領域だと分かる。

⚠️ 「が不要」を「何も要らない」と読まない。 登録が拒否されるのは、①組成が表示どおりでない、②通常の下で有害となりうる、③使用のデータが不十分、④医薬品としての品質が十分に示されていない、のいずれかに当たるときである1。品質と安全性の関門は通常の医薬品と同じように働く。

💡 なぜこの制度が必要だったのか。 2002年のBJCPの系統的レビューは、当時の英国では1968年Medicines Act第12条の免除規定により未承認のが販売でき「未承認のには特定の安全性・品質要件が適用されない」状態だったのに対し、スウェーデンでは品質・安全性・有効性を評価したうえで承認していたと記し、著者自身が「将来の植物薬指令が欧州全体のを調和させることが期待される」と書いている2。2004/24/EC はその調和として出てきた——この歴史的経緯を知っていると、制度の趣旨が腑に落ちる。

植物由来の製品をで売る経路は、有効性を何で示すかで分かれる。使用登録の1つ上にあるのが「確立した使用(well-established use)」で、こちらはの代わりに域内で少なくとも10年にわたる文献上の有効性・安全性の根拠を要する3。

flowchart TD
    A["植物由来の製品を<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='European Union'>EU</span>で売りたい"] --> B{"どの根拠で<br>有効性を示せるか"}
    B -->|"新たな<span class='jp-term jp-term-diagram' title='clinical trial (clinical study)'>臨床試験</span>"| C["通常の販売承認<br>(医薬品としての完全な申請)"]
    B -->|"10年以上の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='European Union'>EU</span>域内の<br>文献上の根拠"| D["確立した使用<br>(well-established use)"]
    B -->|"30年(うち<span class='jp-term jp-term-diagram' title='European Union'>EU</span>域内15年)の<br>使用実績のみ"| E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Traditional'>伝統的</span>使用登録<br>(simplified registration)"]
    E --> F["経口・外用・吸入に限る<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='medical doctor'>医師</span>の監督が不要な適応に限る"]
    D --> G["品質試験と安全性の評価は<br>どの経路でも要る"]
    E --> G
    C --> G

同じ植物でも、調製法が違えば枠組みが違う — イチョウ葉

⭐ はこの制度の理解を試す格好の例である。 EUでは乾燥エキスと粉末葉で登録の根拠も適応も別になる3。

調製物 根拠 適応
乾燥エキス 確立した使用(域内10年以上の文献上の根拠) 軽度認知症の成人の、加齢に伴うと生活の質の改善
粉末葉 使用(30年/域内15年) 軽微な循環障害に伴う脚の重さ、手足の冷えの緩和(重篤な病態をが除外した後)

⚠️ を「重篤な副作用の無い安全な」として覚えない。 HMPCは逐語で「眼・鼻・脳・消化管の出血が報告されている」とし、「のある患者、あるいは血液を薄くする薬を使っている患者では、乾燥エキスを含む製剤はに相談したうえでのみ使う」と明記している3。軽度認知症に用いたときの最も多い副作用は頭痛(10人に1人超)である。抗凝固薬・を使っている患者に「ハーブだから大丈夫」と答えてはならない。

個別の例 — EUの評価がどこまで言っているか

での位置づけ 適応として言えること 安全性で押さえる点
植物薬委員会の評価が終了し、植物薬モノグラフが定められている。治療領域は咳・かぜ4 や咽頭・口腔粘膜の刺激に対するシロップ・トローチ 講義でも重篤な副作用・相互作用は挙がらない
乾燥エキスは確立した使用、粉末葉は使用3 上表のとおり調製物ごとに別 講義が挙げるのはと落ち着きのなさ。⚠️ の評価はこれに加えて出血(眼・鼻・脳・消化管)と頭痛を挙げる3
(オオアザミ果実) 使用5 消化器症状・・の緩和と、肝機能を支えること。いずれも重篤な病態をが除外した後 重篤な相互作用は講義でもの公開要約でも挙がらない。副作用は消化器症状、頭痛、アレルギー反応(重篤な急性アレルギー反応・喘息を含む)。⚠️ 植物への過敏症が禁忌5

⚠️ を「肝障害の治療薬」と覚えない。 HMPCが認めたのは「肝機能を支える(support liver function)」までで、しかも重篤な病態がにより除外された後という条件が付く5。肝障害の患者を対象とした臨床研究も評価はされたが、の質の低さ・症例数の少なさ・用量と期間の不統一を理由に確定的なは出せないとされ、はあくまで使用に基づいている5。⭐ 「機序不明」で片づけるより、「機序も有効性も確立していないが、長年の使用実績で登録されている」と理解するほうが制度の姿に合う。

セントジョーンズワート — この科目で最重要の生薬

は、のが処方薬を無効化しうることを示す代表例である。欧州のの自発報告と世界の文献を対象とした系統的レビューが、臨床的に意義のある相互作用を薬剤別に整理している2。

💡 機序は「酵素を増やす」側である。 系統的レビューは相互作用を「おそらく・CYP2C9・ と P糖蛋白の誘導による」と留保つきで述べている2。⭐ を介した誘導であること、誘導のと消退に数日〜数週間かかること、中止後の回復半減期の実測値は Core23: が正典として扱う。 ここでは繰り返さない。

主な相互作用と対応

併用薬 相互作用の結果 対応
(・・・) 血中濃度低下、抑制の喪失 量を測り、を中止
(・) 同上 同上
ワルファリン・フェンプロクモン 抗凝固作用の減弱、増量が必要になる を測り中止。⚠️ 中止後にが上がりうるので監視を続け用量を調節
血中濃度低下、拒絶 血中濃度を測り中止。⚠️ 中止後に濃度が上がりうる
経口避妊薬(など) 血中濃度低下、と意図しない妊娠 中止する
(カルバマゼピン・・フェニトイン) 血中濃度低下、痙攣のリスク 濃度を測り中止。⚠️ 中止後に濃度が上がりうる
ジゴキシン 血中濃度低下、心拍調節や心不全管理の破綻 濃度を測り中止。⚠️ 中止後に濃度が上がりうる
血中濃度低下、喘息・慢性の管理の破綻 濃度を測り中止。⚠️ 中止後に濃度が上がりうる
(・ナラトリプタン・リザトリプタン・ゾルミトリプタン) の増強 中止する
(・・・・) の増強 中止する

出典はこれらを「臨床的に意義が確立した相互作用」として掲げ、とについては、既知の薬理から潜在的な患者安全上のリスクとして同じ表に含めている2。

⚠️ 危ないのは併用中だけではない。中止したときも危ない。 表の多くの項に「中止後に濃度が上がりうるのでが要る」という注意が付く2。誘導されている間に増量した併用薬をそのまま続けると、酵素が元の水準へ戻ったところで過量になる。

⚠️ この相互作用は「効かない」という形で現れるので、相互作用だと気づかれにくい。 出典は、患者が「前ほど効かない」と感じても、を犯人とは考えずにも言わないまま代替薬を求めることがある、と指摘している2。薬が効かなくなったときの鑑別に、とを入れる。

誘導以外の作用

  • の相互作用は誘導とは別の機序()である。との併用で中枢のに特徴的な症状が報告されている2。→ と臨床像は Core52:
  • 単独の副作用は消化管症状・アレルギー反応・めまい/混乱・疲労/鎮静・口渇が多く、多くは軽度〜中等度または一過性とされる。は重篤になりうる副作用として挙がるが、⚠️ 主たる根拠は色素の薄い牛が大量摂取した際の逸話的報告であり、が示唆される段階にとどまる2。

品質のばらつきと偽和 — 「伝統的=無害」が崩れるところ

  • ⚠️ 同じ名前の製品でも、含んでいる量が違う。 系統的レビューは誘導の程度が予測できない理由として、逐語で「製剤ごとの成分の質と量のばらつき」を挙げている2。が揃っていなければ、相互作用の大きさも揃わない。
  • ⚠️ 前審査の無い枠組みでは、中身が表示どおりとは限らない。 米国では、表示と実際の成分が異なる例、ロット間で含量が変動する例に加え、処方薬のな混入(・・ベンゾジアゼピン・、筋肉増強製品ではや)が繰り返し確認されている6。→ Core37:
  • ⚠️ そのものが肝毒性を起こしうる。 高用量の緑茶(エピガロカテキンガレート)、ゲルマンダー、チャパラル、コンフリーなどのジジン(、)が挙げられている6。
  • ⚠️ 禁止に至ったがある。 は心血管・神経精神・消化管のとの関連から、米国で2004年にが禁止した6。
  • ⭐ OTCで買えるため、患者はとして申告しない。 米国の総説も、利用者が医療者への申告を控える傾向を指摘している6。で名指しして聞く。

グレープフルーツ — 向きが逆の相互作用

ではないが、同じ「食品由来の相互作用」として対にして覚える。は腸管を機構依存性(不可逆的)に阻害するので、併用薬の濃度が上がる方向に働く。時間をずらしても避けきれない点も誘導とは違う。

まとめ

  • の使用登録=「30年(うち域内15年)の使用実績」で有効性のを免除する制度。 申請先は加盟国の当局で、一括の承認ではない1。
  • ⚠️ 免除されるのは有効性の試験だけ。 品質試験と安全性の文献レビューは必要で、品質が示されなければ登録は拒否される1。剤形は経口・外用・吸入のみ、適応はの監督なしで使えるものに限られる。
  • 調製法が違えば枠組みが違う。 は乾燥エキスが確立した使用(軽度認知症)、粉末葉が使用(軽微な循環障害)で、適応も根拠も別である3。
  • ⚠️ 「比較的安全」は「副作用が無い」ではない。 には出血(眼・鼻・脳・消化管)と血液を薄くする薬との注意があり3、には過敏症という禁忌と重篤なアレルギー反応の報告がある5。
  • ⚠️ の適応は「肝機能を支える」まで。 肝疾患の治療として確定的なは出ていない5。
  • ⭐ =。 ワルファリン・・経口避妊薬・・ジゴキシン・・治療薬の濃度と効果を下げ、とはにも干渉する2。中止後に濃度が上がる局面まで含めて覚える。機序の正典は Core23。
  • ⭐ 向きで対にする。 =誘導=効かなくなる/=長く続く阻害=効きすぎる。
  • ⚠️ ≠ 無害。 製剤ごとの含量のばらつき、処方薬の偽和、そのものの肝毒性、そして禁止に至った麻黄の例がある26。
  • ⭐ OTC・の使用は必ず確認する。 患者は薬だと思っていないので自分からは言わない62。

出典

  1. 1.Directive 2004/24/EC of the European Parliament and of the Council of 31 March 2004 amending, as regards traditional herbal medicinal products, Directive 2001/83/EC on the Community code relating to medicinal products for human use(EUR-Lex (European Union)・2004)EU出版局のレンディションで全文を取得して確認した。第16a条第1項は簡略登録(traditional-use registration)の要件として、(a) 診断・処方・治療監視のために医師の監督を受けずに使えるよう意図され設計された適応であること、(b) 定められた含量と用法・用量でのみ投与されること、(c) 経口・外用および/または吸入の製剤であること、(d) 第16c条第1項(c)の使用期間が経過していること、(e) 伝統的使用のデータが十分で、特に定められた使用条件下で有害でないことが示され、かつ逐語で「the pharmacological effects or efficacy of the medicinal product are plausible on the basis of long-standing use and experience」であることの5つを掲げる。第16c条第1項(c)は逐語で「in medicinal use throughout a period of at least 30 years preceding the date of the application, including at least 15 years within the Community」を求め、同条第3項はその使用が特定の承認に基づくものでなくても要件を満たすとする。⚠️ 品質と安全性は免除されない——同条第1項(a)(ii)は「the results of the pharmaceutical tests」の提出を求め、(d)は安全性データの文献レビューと専門家報告書を求める。第16e条第1項は、組成が表示どおりでないとき(a)、通常の使用条件下で有害となりうるとき(c)、伝統的使用のデータが不十分で特に長年の使用と経験から薬理作用や有効性が妥当と考えられないとき(d)、逐語で「the pharmaceutical quality is not satisfactorily demonstrated」のとき(e)に登録を拒否すると定める。第16g条第1項は医薬品指令のファーマコビジランスの条項(第101〜108条)を準用し、第2項は表示と添付文書に逐語で「the product is a traditional herbal medicinal product for use in specified indication(s) exclusively based upon long-standing use」と、症状が持続する場合や添付文書にない副作用が出た場合は医師等に相談する旨の記載を義務づける。第16f条は伝統的植物薬に使える生薬・調製物のEUリストを定め、リスト収載品については30年の使用実績の証拠(第16c条第1項(c))を提出しなくてよいとする。申請先は加盟国の所管当局である(第16b条第2項)。閲覧 2026-09-22
  2. 2.St John's wort (Hypericum perforatum): drug interactions and clinical outcomes(British Journal of Clinical Pharmacology・2002)全文(PMC1874438)で確認した。欧州の規制当局と医療者から集めた自発報告と世界の公表文献を対象とした系統的レビューで、抄録は逐語で「A number of clinically significant interactions have been identified with prescribed medicines including warfarin, phenprocoumon, cyclosporin, HIV protease inhibitors, theophylline, digoxin and oral contraceptives resulting in a decrease in concentration or effect of the medicines. These interactions are **probably** due to the induction of cytochrome P450 isoenzymes CYP3A4, CYP2C9, CYP1A2 and the transport protein P-glycoprotein by constituent(s) in SJW.」とし、誘導の帰属に probably という留保を付けている。抄録は続けて逐語で「The degree of induction is unpredictable due to factors such as the variable quality and quantity of constituent(s) in SJW preparations.」と、製剤ごとの含量のばらつきが誘導の程度を予測不能にしていると述べる。セロトニン作動薬との薬力学的相互作用については逐語で「possible pharmacodynamic interactions with selective serotonin re-uptake inhibitors and serotonin (5-HT1d) receptor-agonists such as triptans」と、これも可能性として挙げる。個別の記述は、ワルファリンが1998年から2000年12月までにEUの規制当局へ22件の自発報告があり国際標準比が不安定化し低下することが最も多かったこと(S-ワルファリンがCYP2C9で代謝されることからCYP2C9誘導が示唆されるが逐語で「this has still to be confirmed in vitro or in vivo」)、シクロスポリンが公表4例(心移植2・腎移植1・膵移植1)とEUの自発報告1例で、いずれも血中濃度低下と移植片拒絶が観察され、低下幅は開始3〜4週以内に25%から62%だったこと、経口避妊薬では不正出血が報告され2001年12月時点で英国のYellow Card制度に意図しない妊娠が7件・スウェーデンに2件報告されていること、インジナビルとラミブジン併用例でHIV RNA量が増加したこと。表4は管理方針を薬剤ごとに示し、HIVプロテアーゼ阻害薬・非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬・ワルファリン・シクロスポリン・経口避妊薬・抗痙攣薬(カルバマゼピン・フェノバルビトン・フェニトイン)・ジゴキシン・テオフィリンの各項に、⚠️ 中止後は濃度が上がりうるので用量調節が要るという注意を付けている。副作用は消化管症状・アレルギー反応・めまい/混乱・疲労/鎮静・口渇が多く、光線過敏は重篤になりうるが主な根拠は動物(色素の薄い牛)の逸話的報告であるとする。⚠️ 本稿は2002年時点の記述で、当時の英国は1968年Medicines Act第12条により未承認の生薬製品が免除規定の下で販売でき「No specific safety or quality requirements apply to unlicensed herbal remedies」だったのに対しスウェーデンは品質・安全性・有効性の評価後に承認しており、著者自身が逐語で「It is hoped that the future Directive for Traditional Herbal Medicinal Products will harmonize the regulation of herbal products throughout Europe.」と、本ノートのもう一つの出典である2004/24/EC による調和に期待すると書いている。閲覧 2026-09-22
  3. 3.Ginkgo leaf (Ginkgo folium) — herbal medicinal product: Summary for the public (EMA/HMPC/324406/2015)(European Medicines Agency(植物薬委員会 HMPC)・2015)ページ全文を取得して確認した。イチョウ葉は調製方法によってEUでの枠組みが2つに分かれる。乾燥エキスは「well-established use」(EU域内で少なくとも10年にわたる文献上の有効性・安全性の根拠)に基づき、逐語で「to improve the age-related cognitive impairment (worsening of mental abilities) and quality of life of adults with mild dementia」として使える。粉末葉は「traditional use」(臨床試験の根拠は不十分だが有効性が妥当と考えられ、少なくとも30年・うちEU域内15年の安全な使用実績がある)に基づき、逐語で「for the relief of heaviness in the legs and the sensation of cold hands and feet that may occur with minor circulation problems」として使え、重篤な病態が医師により除外された後にのみ用いる。いずれも成人に限る。認知症では3か月で改善しないか悪化する場合、循環障害では2週間を超えて症状が続く場合に受診する。⚠️ リスクとして、軽度認知症に用いたときの最も多い副作用は頭痛(10人に1人超)であり、逐語で「Bleeding such as bleeding in the eye, nose, brain or gut has also been reported. In patients who have a tendency to bleed or who use blood thinning medicines, ginkgo leaf medicines containing the dry extract should only be used after consulting a doctor.」と出血について明示している。循環障害への使用では消化管障害・頭痛・アレルギー反応が報告されている。作用機序は完全には解明されておらず、血流の調節や活性酸素の中和を介して直接または間接に脳細胞を保護すると考えられている。承認申請は加盟国の当局へ行う。yearは本要約文書(EMA/HMPC/324406/2015、初回公開2015年8月3日・最終更新2015年12月14日)の発行年から採った。閲覧 2026-09-22
  4. 4.Plantaginis lanceolatae folium (Ribwort Plantain) — herbal medicinal product: European Union herbal monograph, Revision 1 (EMA/HMPC/887979/2022)(European Medicines Agency(植物薬委員会 HMPC)・2024)ランディングページ全文を取得してKey factsを確認した。学名は Plantago lanceolata L.、英名は Ribwort Plantain、治療領域(Therapeutic area)は「Cough and cold」、Status は「F: Assessment finalised」、European assessment の結果は「European Union herbal monograph」であり、EU植物薬モノグラフが定められている生薬である。最終版のモノグラフ Revision 1(EMA/HMPC/887979/2022)は2024年8月14日に初回公開され、ページ上の最終更新は2025年10月20日。⚠️ 本ノートが確認したのはこのランディングページのKey factsまでで、モノグラフPDF本体と評価報告書は取得していないため、適応の逐語・用量・禁忌をこの出典で論じることはできない。year はモノグラフ Revision 1 の初回公開年から採った。閲覧 2026-09-22
  5. 5.Milkthistle fruit (Silybi mariani fructus) — herbal medicinal product: Summary for the public (EMA/415131/2018)(European Medicines Agency(植物薬委員会 HMPC)・2019)ページ全文を取得して確認した。ミルクシスル果実について、HMPCの結論は逐語で「on the basis of their long-standing use, these milkthistle fruit preparations can be used for relief of symptoms of digestive disorders, sensation of fullness and indigestion and to support liver function, after serious conditions have been excluded by a medical doctor」であり、成人に限り、症状が2週間を超えて続くか悪化する場合は受診する。⚠️ 根拠は伝統的使用であり、逐語で「although there is insufficient evidence from clinical trials, the effectiveness of these herbal medicines is plausible and there is evidence that they have been used safely in this way for at least 30 years (including at least 15 years within the EU)」と明記される。肝障害患者を対象とした臨床研究も評価されたが、逐語で「Although the studies indicated that milkthistle fruit may have positive effects on liver function and improve symptoms, firm conclusions could not be drawn due to poor study design, small number of patients and differences in dose levels and duration of treatment.」として結論には採用されていない。副作用は口渇・悪心・胃部不快・胃刺激・下痢といった軽い消化器症状のほか、頭痛、アレルギー反応(皮膚の炎症・掻痒・発疹・蕁麻疹・重篤な急性アレルギー反応・喘息)が挙がり、頻度は不明とされる。禁忌はミルクシスルまたはキク科(Asteraceae)植物への過敏症。承認申請は加盟国の当局へ行う。yearは本要約文書(EMA/415131/2018、初回公開2019年2月14日)の公開年から採った。閲覧 2026-09-22
  6. 6.Scientific and Regulatory Perspectives in Herbal and Dietary Supplement Associated Hepatotoxicity in the United States(International Journal of Molecular Sciences・2016)全文(PMC4813193)で確認した。米国では生薬・植物製品を含む栄養補助食品は逐語で「regulated by the Food and Drug Administration (FDA) as a special category of foods」で、市販前に有効性は評価されない。品質については、表示と実際の成分が異なる例、同一製品のロット間で含量が変動する例が報告されており、処方薬による意図的な偽和(コルチコステロイド・シルデナフィル・ベンゾジアゼピン・ジクロフェナク、筋肉増強目的の製品ではアナボリックステロイドやアロマターゼ阻害薬、性機能をうたう製品ではホスホジエステラーゼ5阻害薬)が繰り返し確認されている。肝毒性を直接起こしうる生薬として、高用量の緑茶(エピガロカテキンガレートとエピカテキンガレートによる)、ゲルマンダー、チャパラル(ノルジヒドログアイアレチン酸)、Atractylis gummifera、Callilepsis laureola を挙げ、コンフリーなどのピロリジジンアルカロイドによる類洞閉塞症候群は用量依存性であるとする。麻黄(ma huang, ephedra)は心血管・神経精神・消化管の有害作用との関連からFDAが2004年に禁止した。利用者は処方薬・一般用医薬品を併用していることが多いのに、逐語で「They tended to conceal their botanical use from their physicians and other health-care providers」と、医療者への申告を控える傾向があり、生薬には重要な薬物相互作用があるため懸念されると述べる。閲覧 2026-09-22