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Disease Atlas · 神経 · 症候群

認知症

Dementia

別名
神経認知障害NCDMajor neurocognitive disorder
臓器系
神経精神
科目
NeurologyPsychiatry
トピック
神経内科 G1-26:主要神経認知障害(認知症)の診断精神医学 A-06:重度・軽度神経認知障害(認知症):病因・診断基準・臨床管理
鑑別疾患
せん妄気分障害(うつ病・双極性障害)巨赤芽球性貧血甲状腺機能低下症水頭症
治療薬
ドネペジルリバスチグミンメマンチン
検査値
甲状腺刺激ホルモン
スコア
MMSEMoCA
下位分類
アルツハイマー病血管性・レビー小体型・前頭側頭型認知症など非アルツハイマー型認知症
元疾患
ハンチントン病
禁忌薬
オランザピンカリプラジンパリペリドン

🧠 全体像:認知症()は、以前より明らかなが日常生活の自立を妨げ、せん妄などでよりよく説明されない状態と定義されるである。「物忘れがある」ことよりも「自立が失われたこと」を確認するのが核心であり、診断の最初の関門は病型を決めることではなく、せん妄・うつ病・薬剤性・ビタミンB12欠乏・症・といった治療可能な原因を除外することにある。それを終えたうえで、変性疾患としての病型をアルツハイマー型と非アルツハイマー型に分けて考える。

分類の軸

認知症の病型分類は、大きくアルツハイマー型非アルツハイマー型(血管性・レビー小体型・前頭側頭型など)の軸で整理する。

flowchart TD
    A["以前より明らかな<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cognitive decline'>認知低下</span>"] --> B{"日常生活の自立を妨げているか"}
    B -->|"妨げていない"| C["軽度<span class='jp-term jp-term-diagram' title='neurocognitive disorder'>神経認知障害</span>(暫定的経過観察)"]
    B -->|"妨げている"| D{"せん妄・うつ病・薬剤性など<br>可逆的な原因で説明できるか"}
    D -->|"できる"| E["可逆的原因を治療し再評価"]
    D -->|"できない"| F{"病型の手掛かり"}
    F -->|"緩徐進行する<span class='jp-term jp-term-diagram' title='recent memory'>近時記憶</span>障害が主体"| G["アルツハイマー型"]
    F -->|"脳卒中との時間関係・変動・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='visual hallucination(s)'>幻視</span>・行動変化など"| H["非アルツハイマー型"]

アルツハイマー型はとして扱う。非アルツハイマー型(など)はとしてまとめて扱う。

💡 せん妄・うつ病・ビタミンB12欠乏・症・は認知症の「病型」ではなく「認知症様の症状を来す治療可能な鑑別疾患」である。そのためせん妄などはrelatedDiseasesとして関連づけるにとどめ、アルツハイマー型・非アルツハイマー型と並ぶ子(分類)としては扱わない。

共通の初期アプローチ

どの病型を疑う場合も、最初にやることは共通している。

  • 本人・家族()から、発症時期、進行の速さ、認知領域別の変化、(服薬・金銭・調理・移動)の自立度を聴取する。
  • 急性発症・があれば、まずせん妄として原因を緊急に検索する。 せん妄が併存すれば、安定後に再評価するまで認知症の確定診断を保留する。
  • をスクリーニングするが、・言語・感覚障害の影響を考慮して単独では確定に用いない。
  • 血液検査(血算、電解質、Ca、腎肝機能、、ビタミンB12など)と(困難な場合はCT)で、可逆的・構造的な原因(腫瘍、、脳血管病変)を検索する。
  • うつ病や感覚障害など、の原因になりうる他の精神疾患・身体疾患を評価する。

⚠️ のスコア単独で認知症と確定してはならない。 生活機能の障害とせん妄・他の精神疾患の除外を組み合わせて初めて診断が成立する。

下位型の判別

治療可能な原因を除外したうえで、病型の手掛かりから変性疾患としての大分類を絞り込む。

項目
早期に目立つ特徴 緩徐進行する障害、。後に言語・機能低下 脳卒中との時間的関係や段階的経過(血管性)、(レビー小体型)、早期の・行動変化(前頭側頭型)など類型ごとに異なる
進行パターン 一貫した緩徐進行 状・(血管性)、変動が目立つ(レビー小体型)、初期は認知より人格・行動変化が先行(前頭側頭型)
中核病理 脳血管病変(血管性)、(レビー小体型)、・TDP-43など(前頭側頭型)
治療反応の注意 が中心 病型により反応・危険性が異なる(前頭側頭型にはを提供しない、レビー小体型では抗精神病薬に重篤な過敏反応をきたしうる)

⭐ 高齢者では単一病理よりも、様の変化と血管性・レビー小体型の所見が併存するの方が一般的とされる。画像や単一の手掛かりだけで病型を断定せず、経過・・生活機能を統合する。

総論としての治療原則

薬剤選択・行動心理症状への対応など詳細な治療は、の各ノートに譲る。として押さえるべき原則は次の3点である。

  • 可逆的原因の治療が最優先される。 せん妄、うつ病、薬剤性、ビタミンB12欠乏、症、が見つかれば、まずそれを治療してからを再評価する。
  • な危険因子の管理は病型を越えて共通する。 高血圧、糖尿病、脂質異常、、喫煙、睡眠の管理は、進行抑制やの追加予防として全病型に関わる。
  • 生活・介護支援は薬物療法と並ぶ柱である。 安全な環境整備(転倒・服薬・金銭・運転)、教育とが保たれる早期からのの話し合いは、病型によらず共通の支援である。

まとめ

  • 認知症の診断は「以前より明らかな」+「日常生活の自立の障害」+「せん妄などでよりよく説明されない」ことの確認から始まる。
  • ⚠️ 病型診断の前に、せん妄・うつ病・薬剤性・ビタミンB12欠乏・症・といった可逆的原因を必ず除外する。これらは子(分類)ではなく関連疾患として扱う。
  • 変性疾患としての大分類は、アルツハイマー型と非アルツハイマー型(血管性・レビー小体型・前頭側頭型など)の軸で整理する。
  • 高齢者では単一病理よりもが一般的とされ、画像や単独の手掛かりだけで病型を断定しない。
  • な危険因子の管理と生活・介護支援は、病型によらず共通する治療原則である。