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MMSE

Mini-Mental State Examination

臓器系
神経
科目
NeurologyTranslational Medicine and PathophysiologyPsychiatry
トピック
神経内科 G1-26:主要神経認知障害(認知症)の診断病態生理学 P-2-32:認知機能検査と神経変性疾患(軽度認知障害)精神医学 B-06:老年精神医学
適用疾患
アルツハイマー病認知症

🧠 全体像:()は1975年にFolsteinらが作った1、を6領域・30点満点で概括評価する、最も広く使われてきたである。よく併記されるMoCAとの違いは、・への配点がでは1点のみと薄いことと、には著作権上の使用があることの2点に集約される。

目的と適用場面

目的は全般的なのスクリーニング(病型診断・確定診断ではない)で、対象はが疑われる患者、認知症の重症度を大まかに追う患者である。外来・入院時の初期評価、経過観察での点数推移の記録という場面で使い、病型の鑑別や日常生活の自立度そのものは評価しない。

構成要素と配点

6領域・合計30点。

領域 課題 配点
年月日・曜日・季節、都道府県・病院名など 10
物品名3つの 3
注意・計算 100から7を順に5回引く 5
した3語の 3
言語 呼称2、1、3段階の口頭指示3、1、1 8
2つの 1

⭐ 6領域のうちはわずか1点で、を独立して測る項目もない。これが後発のMoCAとの最大の設計差になる。

解釈とカットオフ

点数 目安
24〜30点 なし〜正常範囲
21〜23点 軽度の低下相当
10〜20点 中等度の低下相当
10点未満 高度の低下相当

⚠️ 23/24点をとして「あり」とすることが多いが、が短いと偽陽性、高学歴ではによる偽陰性が起こりやすく、年齢・で調整したを参照する。

💡 の検出では MoCA に劣る。 34研究の系統的レビューではが 0.883 に対し 0.780 だった2。 は・への配点が薄く、軽度の段階ではを起こしやすいことが理由として挙げられる。

限界と使ってはいけない場面

⚠️ 著作権の:はPAR社が出版権を保有しており、かつてのように自由に複製して配布することはできない。使用・採点用紙の入手にライセンス取得が必要で、このを理由に、著作権上のが緩いMoCAなど他ツールへ切り替える施設が増えている。

⚠️ ・の配点が薄いため、やのようにから障害され始める病型を見逃しやすい。 ()の障害は記憶・・注意・言語・のどの領域にも起こりうるが、へ進むで最も多いのは(新しい情報を覚えて保持する力)の障害である3。の記憶課題は3単語のだけなので、この軽い記憶障害も拾いにくく、でも満点近くを取ってしまうが指摘されている。

⚠️ せん妄・うつ病・感覚障害(難聴・)・の影響を受けるため、点数単独で認知症を確定診断しない。

との比較は次のとおり(両ノート共通)。

MMSE MoCA
満点 30点 30点(12年以下は+1点、上限30)
・の配点 1点のみ ・・などで5点+2点
所要時間 約5〜10分 約10〜15分
著作権 PAR社が保有。使用・複製にライセンスが必要 開発者が非営利の臨床・教育目的ではサイトで無償公開。標準化した実施には研修・認定が求められる
への感度 が生じやすく、検出感度は低いとされる ・課題を厚くしており、検出感度はより高いとされる

まとめ

  • は6領域30点満点ので、23/24点をとすることが多い。
  • ・の配点が薄く、やなど優位の障害を見逃しやすい。
  • PAR社の著作権により使用・複製にライセンスが必要で、これが近年の使用につながっている。
  • ・確定診断はできず、せん妄・うつ病・感覚障害・の影響を受ける点に注意する。
  • ・への配点が厚く検出感度が高いとされるMoCAと使い分ける。

出典

  1. 1.“Mini-mental state”. A practical method for grading the cognitive state of patients for the clinician(Journal of Psychiatric Research・1975)MMSEの原著。Crossref で著者(Folstein MF, Folstein SE, McHugh PR)・誌名・巻12・頁189-198・1975年を照合した。閲覧 2026-08-15
  2. 2.Is the Montreal Cognitive Assessment (MoCA) screening superior to the Mini-Mental State Examination (MMSE) in the detection of mild cognitive impairment (MCI) and Alzheimer’s Disease (AD) in the elderly?(International Psychogeriatrics・2019)系統的レビュー34研究。軽度認知障害の検出能で MoCA の AUC 0.883 が MMSE の 0.780 を上回った。なお著者は Pinto TCC らであり、同主題の Ciesielska ら(Psychiatr Pol 2016)とは別論文であることを Crossref・Europe PMC で確認した。閲覧 2026-08-15
  3. 3.The diagnosis of mild cognitive impairment due to Alzheimer's disease: Recommendations from the National Institute on Aging-Alzheimer's Association workgroups on diagnostic guidelines for Alzheimer's disease(Alzheimer's & Dementia(NIA-AA)・2011)PMC3312027(Wayback 保存版)の全文で、MCIの認知機能低下は記憶・遂行機能・注意・言語・視空間技能のいずれの領域にも起こりうること、エピソード記憶(新しい情報を学習し保持する能力)の障害がのちにアルツハイマー型認知症へ進むMCI患者で最も多くみられることを確認した。閲覧 2026-09-24