Traumatology

Traumatology · 27

膝関節内骨折と治療法

Intra-articular fractures of the knee and treatment methods

前提:正常
下肢:膝と膝窩

🧠 全体像では、関節面だけでなく下肢アライメント、顆部の幅、安定性、、伸展機構、軟部組織を同時に再建する。高エネルギー損傷では腫脹・水疱・・血管損傷を優先し、必要なら関節架橋してから確定固定する。

含まれる骨折

骨折 主な形態 重要な合併損傷
、T型・Y型、 、開放損傷、人工周囲骨折
外側split・、内側、両顆、分離 ACL/PCL、側副
横、縦、 伸展、開放骨折、軟骨損傷

初期評価

  • 高エネルギー機転ではABCDEを優先し、と出血を管理する。
  • 、感覚・運動を記録する。
  • 腫脹、水疱、した区画、伸展痛を反復評価する。
  • では自動下肢伸展またはで伸展機構を確認する。
  • 正面・側面X線を基本とし、関節内骨折の手術計画ではCTを用いる。

機転、脈拍左右差、ABI 0.9未満などで血管損傷を疑えばCT 科評価を急ぐ。正常脈拍だけでは内膜損傷を完全に除外できない。

脛骨高原骨折:Schatzker分類

骨折形態
I 外側高原のsplit
II 外側高原のsplit+
III 外側高原の
IV 内側高原骨折
V 両顆骨折
VI 関節部との分離

Schatzker V・VIは高エネルギーとは限らず、I~IVでも軟部や後方骨片を伴う。CTで元的骨片配置を確認し、分類名だけでアプローチを決めない。

治療原則

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='intra-articular fracture of the knee'>膝関節内骨折</span>"] --> B["血管・区画・皮膚・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='open wounds'>開放創</span>を評価"]
    B --> C["緊急血管再建/<span class='jp-term jp-term-diagram' title='fasciotomy'>筋膜切開</span>/<span class='jp-term jp-term-diagram' title='debridement'>デブリードマン</span>が必要"]
    C --> D["同時に一時安定化"]
    B --> E["軟部組織が良好"]
    E --> F["関節面・アライメント・安定性をCTで計画"]
    B --> G["高度腫脹・水疱・高エネルギー"]
    G --> H["関節架橋<span class='jp-term jp-term-diagram' title='external fixation'>創外固定</span>+<span class='jp-term jp-term-diagram' title='elective'>待機</span>"]
    H --> F
    F --> I["安定・転位小・機能需要に適合"]
    I --> J["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='orthosis'>装具</span>+段階的運動・荷重"]
    F --> K["不安定・転位・アライメント不良"]
    K --> L["整復<span class='jp-term jp-term-diagram' title='internal fixation'>内固定</span>"]

非手術治療

安定し転位が小さく、下肢アライメントと関節安定性を保てる骨折、または手術利益が小さい患者で選ぶ。ヒンジ付き膝などで保護しながら早期を開始し、骨折型に応じて・部分荷重から進める。経時画像で二次転位を監視する。

2 mm未満なら保存、2 mm超ならORIF」という一律の区分は単純化し過ぎである。・開大だけでなく、顆部拡大、内アライメント、、骨質、損傷、患者機能、軟部組織を統合する。

手術治療

骨折 主な固定法・原則
遠位端 と逆行性が主な選択肢で、全体成績は概ね同等。骨折形態・骨質・関節内進展・既存などに応じて選び、必要なら二重プレートを用いる。関節面を先に再建しへ連結1
関節面を挙上・整復し、を充填してbuttress/locking plateで支持。後方骨片は適切なで固定する。複雑高エネルギー例では、軟部組織と骨折形態に応じてリングや最小侵襲骨接合を確定治療に用いることもある2
スクリュー、テンションバンド構成、プレートなどで伸展機構と関節面を再建

高度腫脹・水疱を伴う高エネルギー骨折では、関節架橋による段階的治療を基本とし、長さとアライメントを保ちながら、が戻るなど軟部組織回復後に確定固定する。2 開放骨折、、血管損傷では緊急処置を優先する。

は伸展機構が保たれ、転位が小さく関節適合性が許容できれば保存治療が可能である。伸展機構、開放骨折、な関節面不整・では手術を考える。例でも可能な限りを温存し、全摘は救済手段とする。

リハビリテーション

安定固定後は創・軟部組織を守りながら早期膝運動を開始し、と癒着を防ぐ。荷重時期は固定安定性、骨癒合、骨質、骨折型で決める。単に長期すれば関節面が守られるわけではなく、と軟骨栄養低下を来す。

合併症

早期 晩期
神経損傷、感染、VTE 、偽関節、固定破綻、外傷後、慢性不安定性、感染

外傷後は初期軟骨損傷、残存する不安定性、関節面不整、アライメント不良、喪失に関連する。関節面の数値だけでなく、下肢全体の力学を回復することが予防に重要である。

まとめ

  • 血管損傷、、皮膚状態を関節面整復より先に評価する。
  • はSchatzker分類に加えてCT骨片配置と軟部組織を読む。
  • 2 mmという単独閾値ではなく、アライメント、安定性、骨質、機能需要で治療を決める。
  • 高エネルギー損傷では一時的関節架橋から段階的確定固定へ進む。
  • 安定固定と早期運動を両立し、膝と外傷後を減らす。

出典

  1. 1.Treatment strategy for tibial plateau fractures: an update(EFORT Open Reviews・2016)脛骨高原骨折における軟部組織を重視した段階的治療と固定法の個別化閲覧 2026-08-09
  2. 2.Comparison of outcomes of retrograde intramedullary nailing versus locking plate fixation in distal femur fractures: A Systematic Review and Meta-analysis of 936 patients in 16 studies(Journal of Orthopaedics・2023)大腿骨遠位端骨折に対する逆行性髄内釘とロッキングプレートの比較成績閲覧 2026-08-09