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Drug Atlas · C5 Antivirals / 抗ウイルス薬

ペラミビル

peramivir

分類
Antivirals / 抗ウイルス薬
商品名(日本)
ラピアクタ
科目
Pharmacology
トピック
C5: Agents to treat Herpes simplex (HSV), varicella-zoster (VZV), cytomegalovirus (CMV). Anti-influenza agents. Drugs against Corona- and other viruses
承認適応
インフルエンザ
標的微生物
Influenza A virusInfluenza B virus
副作用
下痢幻覚

🧠 全体像:は、経口のや吸入のと同じ(NA)阻害薬でありながら、かつ単回投与という点だけが違う。この2つの性質が組み合わさることで、経口摂取ができない(意識障害・・)患者や、・吸入薬のが期待できない重症患者に出番が生まれる。日本では2010年の新型インフルエンザ流行を機に承認された経緯があり、入院を要する重症インフルエンザでの有効性は確立していないという限界も併せて覚える。

薬効群の中での位置づけ

グループ 代表薬 剤形・回数 特徴
(経口) 経口・1日2回×5日間() 最も汎用。48時間以内の治療開始が原則
(吸入) 吸入・1日2回×5日間 患者ではのリスクで不向き
(静注) 静注・原則単回 経口・吸入が使えない重症例、例に唯一の選択肢
経口・単回投与 が異なる(mRNA合成阻害)

⭐ 「静注」と「単回投与」はセットで覚える。 米国添付文書の承認用量は600 mgの単回投与だが、日本の添付文書は「重症化リスクの高い患者には1日1回600 mgを連日できる」としており1、単回投与が前提の薬という理解のまま日本での規定を見落とさない。

機序

flowchart TD
    A["感染細胞内で<span class='jp-term jp-term-diagram' title='influenza virus'>インフルエンザウイルス</span>が複製・出芽"] --> B["新生<span class='jp-term jp-term-diagram' title='virion'>ウイルス粒子</span>が細胞表面の<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='sialic acid residue'>シアル酸残基</span>に結合したまま"]
    B --> C["本来は<span class='jp-term jp-term-diagram' title='neuraminidase'>ノイラミニダーゼ</span>(NA)が<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='sialic acid'>シアル酸</span>を切断し粒子を遊離させる"]
    C --> D["娘ウイルスが拡散し次の細胞へ感染"]
    E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='peramivir'>ペラミビル</span>(シクロペンタン環構造、<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='prodrugs'>プロドラッグ</span>化不要)が<span class='jp-term jp-term-diagram' title='sialic acid'>シアル酸</span>類似構造でNAを<span class='jp-term jp-term-diagram' title='competitive inhibition'>競合阻害</span>"] -.->|"NAを阻害"| C
    E --> F["娘ウイルスが細胞表面に凝集したまま遊離できない"]
    F --> G["ウイルスの増殖・拡散サイクルが断たれる"]

💡 ・と同じ「NAを塞ぐ」機序だが、経口吸収がきわめて乏しいため静注薬として開発された。 化のステップが要らない点はと共通で、投与された薬剤がそのまま活性体としてNAを阻害する。

薬物動態

項目 値・特徴
注入のみ(15〜30分以上かけて投与)
分布 経口・吸入と異なりに直接入る
代謝 ほとんど代謝を受けない
排泄 ⭐ 未変化体の約90%が。半減期は約20時間2
透析で73〜81%除去される2

⚠️ がほぼすべてであるため、腎機能低下例では明確な減量規定がある。 に応じて段階的に減量し、では透析後の追加投与も考慮される。

適応

領域 使いどころ
米国の 症状発現後2日以内の合併症のない急性インフルエンザ(生後6か月以上)2
日本の A型またはB型感染症。重症化リスクの高い患者への連日も規定される1
実地での意義 の服用・吸入薬の吸入が困難な患者(意識障害、、、中など)における唯一の静注NA阻害薬

⚠️ 入院を要する重症インフルエンザでの有効性は確立していない。 の主対象はA型で、B型感染例は限られていた2。「経口・吸入ができないから使える」という消去法的な選択であり、重症例そのものへの効果を保証する薬ではない。

用法・用量

米国:成人・13歳以上の青少年は600 mgを単回、小児(生後6か月〜12歳)は12 mg/kg(上限600 mg)を単回、いずれも15〜30分以上かけてする2。

日本:成人は通常300 mgを単回(15分以上)、重症化リスクの高い患者には1日1回600 mgを連日できる。小児は1日1回10 mg/kg(上限600 mg)を単回する1。

⚠️ 腎機能低下時は必ず減量する。 30〜49 mL/分では成人200 mg・小児4 mg/kg、10〜29 mL/分では成人100 mg・小児2 mg/kgへ減量する2。

禁忌・注意

  • 禁忌:本剤の成分に対する重篤な過敏症・アナフィラキシーの既往のみ(米国・日本とも)21
  • ⚠️ アナフィラキシー・の報告がある。 投与中は救急処置が可能なで観察し、投与終了後も注意を続ける21
  • ⚠️ ・(せん妄・を含む)。 他のと共通の注意点で、日本の添付文書は「等に至るおそれのある」への予防対策を患者・家族に説明するよう求めている1。インフルエンザ自体でも起こりうる症状だが、投与中は経過を観察する
  • 日本の添付文書は重大な副作用として、ショック・アナフィラキシーに加え、・・・肺炎・・血小板減少・出血性大腸炎を列挙している1
  • 患者では前述のとおり必ず減量する

副作用

頻度 内容
高頻度 下痢(8% vs 7%)2
注意 せん妄・などの、アナフィラキシー
重篤・まれ 、、、、、血小板減少、出血性大腸炎21

まとめ

  • ・と同じだが、かつ原則単回投与という点が最大の特徴。
  • 経口・吸入が使えない重症例、例、意識障害例が主な出番であり、入院を要する重症インフルエンザそのものへの有効性は確立していない。
  • 未変化体の約90%がされ半減期は約20時間。腎機能に応じた減量規定がある。
  • 米国は600 mgの単回投与、日本は重症化リスクの高い患者への連日(1日1回600 mg)が規定されており、単回投与という前提を無条件に一般化しない。
  • 禁忌は成分への重篤な過敏症・アナフィラキシーの既往のみだが、・アナフィラキシー・など重大な副作用への警戒は他のNA阻害薬と共通する。

出典

  1. 1.ラピアクタ点滴静注液バッグ300mg/バイアル150mg 電子添文(2019年12月改訂・第3版)(独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)/塩野義製薬株式会社・2019)日本では2010年に承認され、効能又は効果が「A型又はB型インフルエンザウイルス感染症」で経口・吸入薬の服用や吸入が困難な場合を含め用いられること、用法及び用量が成人は通常300 mgを15分以上かけて単回点滴静注し重症化リスクの高い患者には1日1回600 mgを15分以上かけて点滴静注(連日反復投与可)、小児は1日1回10 mg/kg(上限600 mg)を15分以上かけて単回点滴静注であること、腎機能低下時にクレアチニンクリアランスに応じた減量が定められていること(例:30 mL/分以上50未満は通常用量から100 mgへ減量)、禁忌が本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者のみであること、警告として転落等に至るおそれのある異常行動が発現することがあるため患者・家族に説明し予防対策を講じること、重大な副作用にショック・アナフィラキシー・白血球減少・劇症肝炎・急性腎障害・精神神経症状・異常行動・肺炎・中毒性表皮壊死融解症・血小板減少・出血性大腸炎が含まれることを確認した閲覧 2026-09-05
  2. 2.RAPIVAB (peramivir injection), for intravenous use — Prescribing Information(U.S. Food and Drug Administration・2014)単回静注のノイラミニダーゼ阻害薬として、症状発現後2日以内の合併症のない急性インフルエンザに承認され、成人・青少年(13歳以上)は600 mg、小児(生後6か月〜12歳)は12 mg/kg(上限600 mg)を15〜30分以上かけて単回点滴静注すること、腎機能低下時(クレアチニンクリアランス30〜49 mL/分は成人200 mg・小児4 mg/kg、10〜29 mL/分は成人100 mg・小児2 mg/kg)に減量すること、禁忌が本剤成分への重篤な過敏症・アナフィラキシーの既往のみであること、アナフィラキシーとStevens-Johnson症候群の報告があること、インフルエンザ患者に幻覚・せん妄・異常行動などの神経精神症状のリスクがあること、最も多い副作用が下痢(8%、プラセボ7%)であること、半減期が約20時間で未変化体の約90%が腎排泄され血液透析で73〜81%除去されること、重症で入院を要するインフルエンザでは有効性が確立していないこと、初回米国承認が2014年であることを確認した閲覧 2026-09-05