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Drug Atlas · A14 General anesthetics / 全身麻酔薬

キセノン

xenon

分類
General anesthetics / 全身麻酔薬
科目
Pharmacology
トピック
A14: Inhalational anesthetics

🧠 全体像そのものを麻酔薬として使うという発想の薬で、と同じNMDA拮抗系だが、MACが約63%とより格段に強く単独でも全身麻酔になる点が決定的に違う。血液にほとんど溶けず代謝も受けないため導入・覚醒が全麻酔薬中最速で、への抑制がほぼないという理想的な薬理プロファイルを持つ一方、大気中にごく微量しか存在せず抽出コストが高いため、使用は特殊な状況に限られる

薬効群の中での位置づけ

薬剤 分類・機序 特徴
・NMDA拮抗 MAC約63%で単独麻酔が可能。心血管安定・極めて高価
・NMDA拮抗 MAC>100%で単独では麻酔にならない。安価で広く使われる
・GABA-A増強 が少なく小児のに好適
・GABA-A増強 安価・古典的、維持向き
・GABA-A増強 導入・覚醒が最速(の中で)

は「同じ機序・対照的な立ち位置」の好例。 どちらもNMDA拮抗のを起こさないが、は安くて弱い(単独では麻酔にならない)、は高くて強い(単独で麻酔になる)という正反対の実利で使い分けが決まる。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='xenon'>キセノン</span>がNMDA受容体を拮抗"] --> B["グルタミン酸による興奮性シグナルを遮断"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='loss of consciousness'>意識消失</span>・鎮痛作用"]
    D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='blood-gas partition coefficient'>血液/ガス分配係数</span>が全麻酔薬中最低(約0.115)"] --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='alveolar concentration'>肺胞濃度</span>が動脈血・脳へ<br>最速で平衡→導入・覚醒が最速"]

NMDA受容体拮抗に加え、(TREKなど)への作用も関与するとされる。の誘因とならず、とは機序の系統そのものが異なる。

薬物動態

項目 値・特徴
約0.115(の中で最低)
MAC 約63%(酸素中)
代謝 なし(不活性なを受けない)
排泄 未変化体のまま
導入・覚醒速度 中で最速クラス

代謝を受けないであるという性質が、への抑制がほとんどないという特徴に直結する。 心筋やへのに乏しく、が不安定な患者でも比較的安定して使えるとされる。

適応

場面 使いどころ
全身麻酔 を特に安定させたい特殊な症例。高価なため使用は限定的

などに関する研究的関心もあるが、確立した標準治療としての適応ではない。

用法・用量

吸入。ガスの損失を抑えるため専用のが必要になる。MAC(約63%)を指標に濃度を調整する。実際のは施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 禁忌:高い(FiO₂)を要する病態(が酸素と置き換わり十分な酸素濃度を確保できないため)、過敏症
  • 特殊なと専用のモニタリングが必要で、通常のでは投与できない

副作用

頻度 内容
高頻度 悪心・嘔吐
重篤・まれ を誘発しない(他のとの重要な相違点)

まとめ

  • でNMDA受容体拮抗が機序。を起こさない点はと共通。
  • MAC約63%で単独でも全身麻酔になる点が(MAC>100%)と決定的に異なる。
  • が全麻酔薬中最低で、代謝も受けないため導入・覚醒が最速クラス。
  • への抑制がほとんどなくが安定しやすいが、極めて高価で使用は限定的。
  • 高いを要する病態には向かない(酸素と置き換わるため)。