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Imaging findings · Published

中心小葉性結節

Centrilobular nodules

臓器系
呼吸器
科目
Pulmonology and Thoracic Surgery
トピック
呼吸器内科 39:原因が明らかな間質性肺疾患

🧠 全体像:中心小葉性結節は、の中心(・肺動脈枝の周囲)に分布するという分布のパターンであって、単発結節の良悪性を決める言葉ではない。で最初に決めるのは病名ではなく、気道性の炎症・感染が広がっているのか、血管性の病変が小葉中心の血管を巻き込んでいるのかという二択であり、この分岐が次の検査(喀痰・気管支鏡か、評価か)を決める。

所見の定義

は、で囲まれた肺の構造単位で、中心にと肺動脈の枝(小葉中心構造)を持ち、辺縁は胸膜・・に接する。中心小葉性結節は、この小葉中心構造の周囲に生じる境界明瞭または不明瞭なで、胸膜面から数mm離れていることが特徴である1。この「胸膜から離れている」という位置関係が、にも及ぶ()や、胸膜・に沿うと区別する手掛かりになる。

結節の性状は原因によって幅がある。

性状 示唆する機序
境界不明瞭・すりガラス濃度 の炎症(、炎)
境界明瞭・軟部組織濃度、分岐するを伴う 気道内への分泌物・膿・の充満(tree-in-bud様所見)
血管に沿う、胸水・を伴う (、血管炎)

分岐するを伴わない孤立性の中心小葉性結節の集まりは、の分布として扱う。分岐するが加わり「木の芽」状になったものは、独立した所見としてtree-in-bud様所見を参照する。

モダリティと写り方

吸気が評価の中心で、胸部X線では重なりのためという分布そのものを判定しにくい。を追加すると、周囲の濃度吸収域・air trappingの有無が分かり、細気道閉塞を伴うを示唆する所見として利用できる。

リスクを上げる形態

⚠️ 分布を二軸で読む。 「性か血管性か」で鑑別が大きく変わる。

軸 代表疾患 手掛かり
性(感染性) 結核の気管支内播種、、細菌性 発熱、膿性喀痰、空洞・リンパ節腫大の併存
性() 、両側対称性、濃度吸収、2
血管性 症・肺腫瘍、血管炎 の呼吸困難、既知または疑われる悪性腫瘍、末梢肺動脈の拡張・・tree-in-bud様外観3

⭐ 血管性の鑑別を見落とさない。 中心小葉性結節は気道感染・炎症の所見としてされやすいが、症・肺腫瘍はの経過をとるため生前診断そのものが臨床的に難しく、多くが剖検で初めて診断される3。の呼吸困難に悪性腫瘍の既往・疑いが重なるときは、感染症の除外だけで終わらせない。

評価の進め方

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='thin-section CT'>薄切CT</span>で中心小葉性結節を確認"] --> B["過去画像と比較:新規か、拡大・増数したか"]
    B --> C{"分岐する<span class='jp-term jp-term-diagram' title='linear opacity'>線状影</span>を伴うか(tree-in-bud)"}
    C -->|"はい"| D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='airway spread'>気道散布</span>性を疑い喀痰・気管支鏡検体を検討"]
    C -->|"いいえ"| E{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='rapidly progressive'>急速進行性</span>の呼吸困難と悪性腫瘍の背景があるか"}
    E -->|"はい"| F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='vascular lesion'>血管性病変</span>を疑い<span class='jp-term jp-term-diagram' title='right heart catheterization'>右心カテーテル</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='wedge (as in wedge pressure)'>楔入</span>部吸引細胞診を検討"]
    E -->|"いいえ"| G["曝露歴・薬剤歴・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='connective tissue disease (collagen vascular disease)'>膠原病</span>を評価し<span class='jp-term jp-term-diagram' title='hypersensitivity pneumonitis'>過敏性肺炎</span>などを検索"]
    D --> H["臨床像・随伴所見を統合し原因を絞る"]
    F --> H
    G --> H

過去画像との比較は、新規出現か慢性の安定病変かを分ける最初の一歩になる。急性の呼吸器症状・発熱を伴う新規例は感染症の除外を急ぎ、慢性・緩徐進行例は曝露歴・薬剤歴・の検索に重心を移す。

⚠️ 紛らわしいもの

紛らわしいもの 見分けるポイント
結節ではなく壁を持たないで、濃度の方向が逆(吸収低下)
血管の 連続スライスで分枝する血管へつながり、経過で不変
() にも均等に及ぶ点が中心小葉性分布と異なる
の結節 胸膜・・に沿い、小葉中心の血管周囲には集まらない

まとめ

  • 中心小葉性結節はの中心(・肺動脈枝周囲)に生じ、胸膜面から離れて分布する所見で、単発結節の評価とは役割が異なる。
  • 性(感染性・の)と血管性(・血管炎)の2大軸で鑑別する。
  • 分岐するを伴えばtree-in-bud様所見として評価する。
  • ⚠️ 症・肺腫瘍はで生前診断が難しく、多くが剖検で初めて診断される。の呼吸困難+悪性腫瘍の背景ではを積極的に疑う。
  • 過去画像との比較と、曝露歴・発熱・悪性腫瘍歴などの臨床背景を統合して次の検査を選ぶ。

出典

  1. 1.Tree-in-bud pattern at thin-section CT of the lungs: radiologic-pathologic overview(RadioGraphics (Radiological Society of North America)・2005)tree-in-bud所見が軟部組織濃度の小さな中心小葉性結節と、単一の茎から分岐する同程度の口径の複数の線状構造の連結からなること、この所見がもともと結核菌の気管支内播種の症例で報告されたこと、末梢気道疾患(感染性・先天性・特発性の細気管支炎・異物誤嚥吸入・免疫学的疾患・結合組織病)に加え、腫瘍性肺塞栓症のような末梢肺血管疾患もこのパターンの原因になること、この所見の原因は画像所見だけではしばしば鑑別できず病歴・臨床像と付随所見の組み合わせが診断の助けになることを確認した閲覧 2026-09-07
  2. 2.Diagnosis of Hypersensitivity Pneumonitis in Adults: An Official ATS/JRS/ALAT Clinical Practice Guideline(American Thoracic Society / Japanese Respiratory Society / Latin American Thoracic Society・2020)非線維性過敏性肺炎が急性で同定可能な曝露、呼吸器症状・全身症状の急速な出現、胸部CTでの中心小葉性結節影、BAL細胞分画でのリンパ球増多を伴うことが多いこと、線維性過敏性肺炎でも境界不明瞭な中心小葉性結節とモザイク状濃度吸収を認めうることを確認した閲覧 2026-09-07
  3. 3.Pulmonary Tumor Embolism and Pulmonary Tumor Thrombotic Microangiopathy Causing Rapidly Progressive Respiratory Failure: A Case Series(Journal of Investigative Medicine High Impact Case Reports・2022)肺腫瘍塞栓症・肺腫瘍血栓性微小血管症のCT所見として末梢肺動脈の拡張・数珠状・tree-in-bud様外観が示唆的であること、肺腫瘍塞栓症・肺腫瘍血栓性微小血管症は急速進行性の経過をとるため生前診断そのものが臨床的に難しく、多くが剖検で初めて診断されることを確認した閲覧 2026-09-07