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Imaging findings · Published

tree-in-bud様所見

Tree-in-bud pattern

別名
樹芽状陰影
臓器系
呼吸器
科目
Pulmonology and Thoracic Surgery
トピック
呼吸器内科 24:気管支炎と気管支拡張症呼吸器内科 27:結核
関連疾患
びまん性汎細気管支炎

🧠 全体像:tree-in-bud(木の芽)様所見は、中心小葉性結節に分岐するが連結し、木の芽が枝分かれするように見えるパターンである。最もされるのは内が分泌物・膿・で満たされる性の感染症だが、で最初に決めるのは病名の確定ではなく、気道が詰まっているのか、末梢肺血管が病変で置き換わっているのかという二択であり、後者を見落とすと血管性の緊急病態を取り逃す。

所見の定義

中心小葉性結節に、単一の茎から分岐する複数の線状構造が連結した所見で、の内腔が粘液・膿・・腫瘍細胞などで拡張・充満し、隣接する分岐気道とともに描出されたものである1。もともとの気管支内播種の症例で報告された名称だが、現在では多様な病態の所見として認識されている1。

中心小葉性結節が「点」の分布パターンであるのに対し、tree-in-bud様所見はそこに分岐する「線」が加わったものと理解すると位置づけやすい。を伴わない孤立した中心小葉性結節の集まりは中心小葉性結節のノートを参照する。

モダリティと写り方

吸気が標準で、微細な分岐構造まで描出できる。胸部X線では分岐パターンそのものを判別できず、・として非特異的に写るにとどまる。(CTPA)では、気道内腔の充満ではなく末梢肺動脈がで置き換わり・tree-in-bud様に見えることがあり、同じ呼び名でも由来する構造(気道か血管か)が異なる点に注意する2。

リスクを上げる形態

軸 代表疾患 手掛かり
感染性() 活動性肺結核、、の感染増悪、誤嚥性 発熱、膿性喀痰、空洞・優位分布(結核)
() (とは)、びまん性汎 の既往、、
血管性 症・肺腫瘍 の呼吸困難、既知または疑われる悪性腫瘍、末梢肺動脈の拡張・・tree-in-bud様外観というCTPA所見2
まれな悪性疾患 白血病・リンパ腫の で診断されることがある3

⭐ 感染症だけを鑑別に置かない。 最も頻度の高い鑑別は結核・を含む感染症だが、免疫学的・先天性・特発性疾患、誤嚥・吸入、まれに悪性疾患もこの所見を来す3。とくにで見る「・tree-in-bud様外観」は末梢肺動脈がで狭窄・閉塞した所見であり、性の所見と機序がまったく異なる。症・肺腫瘍はの経過をとるため生前診断そのものが臨床的に難しく、多くが剖検で初めて診断される2。

評価の進め方

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='thin-section CT'>薄切CT</span>でtree-in-bud様所見を確認"] --> B["過去画像と比較:新規か、慢性の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='bronchiectasis'>気管支拡張症</span>に伴うものか"]
    B --> C{"発熱・膿性喀痰などの感染徴候があるか"}
    C -->|"はい"| D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='sputum smear'>喀痰塗抹</span>・培養・抗酸菌検査を優先"]
    C -->|"いいえ"| E{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='rapidly progressive'>急速進行性</span>の呼吸困難と悪性腫瘍の背景があるか"}
    E -->|"はい"| F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pulmonary angiography'>肺動脈造影</span><span class='jp-term jp-term-diagram' title='computed tomography'>CT</span>で血管の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='filling defect'>充盈欠損</span>の有無を確認し<span class='jp-term jp-term-diagram' title='vascular lesion'>血管性病変</span>を検討"]
    E -->|"いいえ"| G["喘息既往・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mucus plugging'>粘液栓</span>・好酸球増多から<span class='jp-term jp-term-diagram' title='allergic bronchopulmonary aspergillosis'>ABPA</span>など<span class='jp-term jp-term-diagram' title='non-infectious'>非感染性</span>を検索"]
    D --> H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='airborne precautions'>空気予防策</span>の要否を判断し臨床像・随伴所見を統合"]
    F --> H
    G --> H

が疑われる急性例では、精査を待たずの要否を先に判断する。慢性のに伴う所見は、増悪期かかを過去画像との比較で見極める。

⚠️ 紛らわしいもの

紛らわしいもの 見分けるポイント
血管の分岐断面 連続スライスで追うと通常の血管樹につながり、経過で不変
(分岐を伴わない中心小葉性結節) 「点」のみで「線」の連結を欠く
過去の 経過が安定し、を伴わない
の慢性所見 増悪のたびに悪化・軽快を繰り返す背景病変であり、新規の急性所見と区別する

まとめ

  • tree-in-bud様所見は、の内腔充満によって中心小葉性結節に分岐するが連結した所見で、もともと結核の気管支内播種で報告された。
  • 感染性(結核・・増悪・誤嚥)と(・びまん性汎、まれに悪性疾患)の2大鑑別軸で整理する。
  • ⭐ 感染症の除外だけで終わらせず、免疫学的・先天性・特発性疾患やまれな悪性疾患も鑑別に残す。
  • ⚠️ で見る末梢肺動脈の・tree-in-bud様外観は()の所見であり、性の所見と見た目が似ていても機序が異なる。
  • 急性の感染徴候の有無、悪性腫瘍の背景、慢性の既往を統合して次の検査を選ぶ。

出典

  1. 1.Tree-in-bud pattern at thin-section CT of the lungs: radiologic-pathologic overview(RadioGraphics (Radiological Society of North America)・2005)tree-in-bud所見が軟部組織濃度の小さな中心小葉性結節と、単一の茎から分岐する同程度の口径の複数の線状構造の連結からなること、この所見がもともと結核菌の気管支内播種の症例で報告されたこと、末梢気道疾患(感染性・先天性・特発性の細気管支炎・異物誤嚥吸入・免疫学的疾患・結合組織病)に加え、腫瘍性肺塞栓症のような末梢肺血管疾患もこのパターンの原因になること、この所見の原因は画像所見だけではしばしば鑑別できず病歴・臨床像と付随所見の組み合わせが診断の助けになることを確認した閲覧 2026-09-07
  2. 2.Pulmonary Tumor Embolism and Pulmonary Tumor Thrombotic Microangiopathy Causing Rapidly Progressive Respiratory Failure: A Case Series(Journal of Investigative Medicine High Impact Case Reports・2022)Europe PMC経由でPMC8943465の全文を取得して確認した。肺動脈造影CTでの末梢肺動脈の拡張・数珠状またはtree-in-bud様外観が肺腫瘍塞栓症・肺腫瘍血栓性微小血管症を示唆する所見であること(原文:"The presence of dilated, beaded, or tree-in-bud appearance of pulmonary arteries on CT pulmonary angiography is suggestive of PTE and PTTM")、これらの疾患は急速進行性の経過をとるため生前診断が臨床的に困難で文献上も生前診断例がわずかであり、多くが剖検で初めて診断されることを確認した閲覧 2026-09-07
  3. 3.'Tree-in-Bud': Thinking beyond Infectious Causes(Respiration・2015)tree-in-bud所見の最も頻度の高い鑑別診断が結核菌・非結核性抗酸菌・その他の細菌・真菌・ウイルス病原体による感染症であること、他の原因として免疫学的・先天性・特発性疾患や有害物質の誤嚥・吸入があること、悪性疾患はまれな鑑別であるとしたうえで、慢性リンパ性白血病の肺浸潤が経気管支生検で初めて診断された症例をtree-in-bud肺浸潤として提示したことを確認した閲覧 2026-09-07