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Lab values · Published

血漿ノルエピネフリン

Plasma norepinephrine

別名
血漿ノルアドレナリンplasma noradrenaline
臓器系
神経循環器内分泌・代謝
科目
Surgery
トピック
外科学 B/01:副腎の外科疾患
関連疾患
ドパミンβ水酸化酵素欠損症

🧠 全体像:値は「交感神経のがどれだけ保たれているか」を映す指標である。臥位での絶対値はの有無を、臥位から立位へのは(〜)全体の機能を反映する——この2つを混同すると解釈を誤る。のでは、単独の検査というより、QSART・と組み合わせて「かか」を絞り込む一部品として位置づけられる。

何を測っているか

はの終末から放出される神経伝達物質で、その一部が血中へ「あふれ出す()」ことで血漿濃度として測定できる。臥位安静時の値は、全身のの量と機能をおおまかに反映する——そのものが脱落していれば、いくら中枢からの命令が保たれていても血中濃度は上がらない。

基準値と単位

施設差が大きく、なは一律には決まっていないが、の鑑別における実務上の目安は次のとおりである。

病態 臥位値の傾向
健常者 正常範囲
一般に低値1
パーキンソン病+ 一般に低値1
一般に正常範囲1

高値の意味 / 低値の意味

  • 低値(臥位) — の広範なを示唆する。・パーキンソン病+に典型的で、末梢のそのものが失われているために、中枢からの指令があっても放出できる神経伝達物質の総量が乏しい状態を反映する1。
  • 正常〜軽度上昇(臥位) — は保たれているが、中枢〜の経路(脳幹の心血管中枢、脊髄の)が障害されている可能性を示唆する。に典型的で、末梢への「指令」が届かないために起立時の代償性上昇が欠けるという病態を反映する1。
  • ⭐ 経過中の上昇そのものが病型の変化を示唆しうる。 と診断された患者のうち、臥位値が100 pg/mLを超える場合は、後にへ移行するリスクを予測する因子の一つとされている2。「低いことが病型を決める」のではなく「経過中の相対的な変化・逸脱」が移行の兆しとして重視されるという点が実務上の要点である。

測定上の注意

⚠️ 採血手技・体位・薬剤の影響を強く受ける。

  • 交感神経は体位・ストレス・疼痛・運動に鋭敏に反応するため、採血直前の安静時間が短いとになる——臥位で十分な安静を取ってからで採血することが前提になる。
  • ・・利尿薬・・・()などは値に影響しうるため、検査前の服薬状況を確認する。
  • 単回値は・個体内変動を受けるため、境界域の値は単独で病型を決めない——他の(・・での)と組み合わせて解釈する。

経時変化とモニタリング

⭐ 単回の絶対値より、臥位から立位への「」と、経過を追ったときの「相対的な変化」の両方を見る。 診断時点では低値でも、経過観察中に値が上昇してくれば、・中枢性の要素が加わってきた——すなわちのような病型への移行の兆しである可能性を考える2。反復測定の目的は治療効果判定ではなく、この移行を早期に拾うことにある。

まとめ

  • 臥位値はの保持の程度を反映し、は全体の機能を反映する。
  • ・パーキンソン病+では低値、では正常範囲というパターンが、 vs ・中枢性の鑑別軸になる。
  • 臥位値>100 pg/mLはからへの移行を予測する因子の一つとされる。
  • 体位・安静時間・薬剤の影響を強く受けるため、単回値だけで病型を決めず他のと組み合わせて解釈する。

出典

  1. 1.Neurogenic Orthostatic Hypotension: A Pathophysiological Approach(Circulation・2009)神経原性起立性低血圧のレビュー。純粋自律神経不全症とパーキンソン病+神経原性起立性低血圧では臥位血漿ノルエピネフリン値が一般に低値であるのに対し、多系統萎縮症とパーキンソン病+神経原性起立性低血圧では一般に正常範囲であること、この違いが純粋自律神経不全症・パーキンソン病では広範な節後性交感神経脱神経が生じているのに対し多系統萎縮症では末梢の節後性ニューロンが比較的保たれ中枢性・節前性の障害が主体であることを反映していることを確認した閲覧 2026-09-07
  2. 2.Pure autonomic failure: Predictors of conversion to clinical CNS involvement(Neurology・2017)抄録で確認:Mayo Clinicで自律神経専門医が診療した可能性のある純粋自律神経不全症318例の後方視的コホート研究で、3年以上の経過観察で安定していた41例と多系統萎縮症・パーキンソン病/レビー小体型認知症へ移行した37例(12%)を比較し、臥位ノルエピネフリン値>100 pg/mLが軽度の心臓迷走神経障害・節前性発汗障害パターン・重度の膀胱機能障害・軽微な運動徴候と並んで多系統萎縮症への移行を予測する因子の一つであったことを確認した閲覧 2026-09-07