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成人発症スチル病の重症度スコア

Adult-Onset Still Disease Severity Score

別名
AOSD重症度スコア
臓器系
免疫・膠原病
科目
Internal Medicine
トピック
内科学 L-70:発熱と高体温、不明熱
構成:症状
リンパ節腫脹
構成:検査値
フェリチン
適用疾患
成人発症Still病

🧠 全体像:この重症度スコアは、(AOSD)が日本のとして医療費助成を受けるとき、Yamaguchi分類基準で診断が確定した患者をさらに重症度で層別化するためのである。⭐ 覚え方は「臓器障害系の重い所見(・)は2点、それ以外は1点、合計0〜9点」——()とは別物で、診断がついた後に助成の対象になるかを決めるという役割の違いを最初に押さえる。

目的と適用場面

内容
目的 Yamaguchi分類基準で診断が確定した患者を、臨床的な重症度で層別化する
対象 でDefiniteと判定された患者(16歳未満にも同じが適用される)1
使う場面 日本の医療費助成の対象判定。中等症以上(2点以上)が助成対象となる1
評価しないもの 診断そのもの(診断はが別に担う)。このスコアは診断確定後の重症度評価専用

💡 との役割分担を混同しない。 は「かどうか」を決めるで、大項目(発熱・皮疹・関節痛・)と小項目(・リンパ節腫脹/脾腫・・/陰性)から成る。この重症度スコアは、で診断が確定した後に、臓器障害の程度と治療抵抗性を反映する別の7項目で点数化する。

構成要素と配点

⭐ 7項目・合計0〜9点。とだけが2点で、残り5項目は各1点——重い臓器障害・血液学的合併症に重みを付けた配点になっている1。

項目 基準 点
・・腹膜炎などの所見 1
() の合併 2
の合併 2
85%以上 1
3,000 ng/mL以上 1
リンパ節腫脹 著明なリンパ節腫脹 1
ステロイド治療抵抗性 換算0.4 mg/kg以上で治療抵抗性 1

解釈とカットオフ

点数 重症度 医療費助成
0〜1点 軽症 対象外
2点 中等症 対象
3点以上 重症 対象

合計0〜9点で、重症は3点以上、中等症は2点以上、軽症は1点以下であり、中等症以上(2点以上)が医療費助成の対象となる1。

💡 このは助成の可否を決めるだけの事務的な区分ではない。 142例の多施設研究で、重症群は重篤な合併症・生物学的製剤の使用頻度が高く、無治療での寛解達成率が有意に低いことが示されており(軽症49例35%・中等症37例26%・重症56例39%)、臨床的な予後とも対応する2。

限界と使ってはいけない場面

⚠️ このスコアはでDefiniteと判定された患者にのみ適用する。 診断が未確定の段階でこのスコアだけを使って重症度を論じない。

⚠️ 日本の医療費助成制度に特化した基準であり、国際的に標準化されたスコアではない。 /PReS 2024年推奨などの国際的な重症度・活動性評価(・寛解の定義など)とは別の枠組みであり、そのまま国際比較の指標として使わない。

⚠️ 項目のうち「85%以上」は好中球の割合であり、絶対数ではない。 施設によって報告様式が異なりうる点に注意する。

⚠️ ステロイド治療抵抗性の項目は、治療経過(換算0.4 mg/kg以上でも抵抗性)を要件とするため、初診時など治療前の患者には評価できない項目が含まれる。 全項目を初診時点で一度に付けられるとは限らない。

まとめ

  • の重症度スコアは、日本の医療費助成の枠組みで、による診断確定後の患者を7項目・合計0〜9点で層別化する。
  • とが各2点、・85%以上・3,000 ng/mL以上・著明なリンパ節腫脹・ステロイド治療抵抗性が各1点。
  • 3点以上が重症、2点が中等症、1点以下が軽症で、中等症以上が医療費助成の対象となる。
  • ()とは別物であり、142例のでは重症群ほど合併症頻度が高く率が低いという臨床的も報告されている。

出典

  1. 1.54 成人発症スチル病(指定難病の概要、診断基準等)(厚生労働省・2026)日本では成人発症スチル病が指定難病(告示番号54)で、医療費助成の診断基準として「Yamaguchiらの分類基準(1992年)」がそのまま採用され、Definite(大項目2項目以上を満たし、かつ大項目と小項目を合わせて5項目以上に該当し、かつ除外項目を除外したもの)を対象とすること、除外項目が「感染症(特に敗血症、伝染性単核球症)」「悪性腫瘍(特に悪性リンパ腫)」「膠原病(特に結節性多発動脈炎、悪性関節リウマチ)」の3群であること、「16歳未満の症例に対しても上記診断基準は適用される」と注記されていること、重症度スコア(漿膜炎1点・DIC 2点・血球貪食症候群2点・好中球比率85%以上1点・フェリチン3,000 ng/mL以上1点・著明なリンパ節腫脹1点・プレドニゾロン換算0.4 mg/kg以上での治療抵抗性1点、合計0〜9点で重症3点以上・中等症2点以上・軽症1点以下)が置かれ中等症以上が助成の対象であること、治療の項が「ステロイドで効果不十分な場合や減量困難な場合には、ステロイドに加えて保険適用のあるトシリズマブや、以前から使用されている免疫抑制薬(メトトレキサート、シクロスポリン)などを使用する」と記していることを、令和8年4月時点の掲載PDF本文で確認した閲覧 2026-09-05
  2. 2.Usefulness of the severity classification for predicting drug-free remission in Japanese patients with adult-onset Still's disease(Modern Rheumatology・2022)Maruyamaらが、日本の厚生労働省重症度分類(軽症・中等症・重症)が成人発症スチル病患者の転帰を予測するのに有用かを、多施設後方視的コホート研究で検証したこと。対象142例が軽症49例(35%)・中等症37例(26%)・重症56例(39%)に分類されたこと。重症群は重篤な合併症の頻度と生物学的製剤の使用頻度が高く、無治療寛解の達成率が有意に低かった(p=0.0125)こと閲覧 2026-09-07