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Barthel指数

Barthel Index

別名
バーセル指数
臓器系
運動器神経
科目
Rehabilitation
トピック
リハビリテーション 02:リハビリテーションにおける機能評価:移動能力・筋力・標準化スケール

🧠 全体像は、食事・排泄・移動といったを10項目・0〜100点(5点刻み)で数値化し、「どれだけ自力でできるか」を追跡する尺度である。が個々の筋の出力そのものを測るのに対し、その筋力・可動性が実際の生活動作としてどこまで使えているかという応用の軸を測る。認知・項目は含まないため、その領域は(Functional Independence Measure)が補う。

目的と適用場面

内容
目的 基本的ADLの自立度を数値化し、リハビリテーションの効果判定・退院計画・経過追跡に用いる
対象 脳卒中後などADL低下を来す患者全般
使う場面 入院時・退院時の比較、リハビリテーション経過中の定期評価、施設間・多職種間での共通言語
評価しないもの 交流(が含む領域)、買い物・金銭管理・服薬管理などの

構成要素と配点

10項目それぞれを、介助の要否・程度に応じて2〜4段階で採点する。過去1〜2週間の実際の遂行状況(できる可能性ではなく、実際に行っているか)で評価する。

食事

点数 基準
10 自立。皿から自分で食べ物を口に運べる(の使用は可)
5 食物を切る、パンにバターを塗るなど下ごしらえに介助を要する
0 、または不可能

入浴

点数 基準
5 自立(方法を問わず一人で行える)
0 介助を要する

整容(洗面・整髪・歯磨き・髭剃り)

点数 基準
5 自立(用具の準備は介助者が行ってもよい)
0 介助を要する

更衣

点数 基準
10 自立。着脱・靴紐結び・ボタン留め・の着脱を含めすべて可能
5 半分以上は自分で行えるが一部介助を要し、妥当な時間内に完了できる
0

(過去1週間)

点数 基準
10 失禁なし。が必要な場合も自分で管理できる
5 ときに失禁がある(週1回以下)、またはの管理に介助を要する
0 失禁、または管理不能

(過去1週間)

点数 基準
10 失禁なし。カテーテル使用者は自分で管理できる
5 ときに失禁がある(24時間に1回以下)
0 失禁、またはカテーテルを自分で管理できない

点数 基準
10 自立(、衣服の操作、清拭、水洗をすべて介助なしに行える)
5 バランス保持・衣服の操作・後始末などに一部介助を要する
0 または不可能

(ベッドと椅子の間)

点数 基準
15 自立(からのを含めすべての段階が可能)
10 見守り、言葉かけ、または部分的な身体介助を要する
5 座ることはできるが、自体には1〜2名の強い身体介助を要する
0 座位、またはでも不能

移動(平地50 m)

点数 基準
15 補助具(杖など。車輪付き歩行器を除く)を使用してもよいが自立して移動できる
10 見守りまたは介助者1名の助けで移動できる
5 だが、を自分で操作し角を曲がることも含め50 m以上移動できる
0 上記のいずれも不可能

昇降

点数 基準
10 自立(手すり・杖の使用は可)
5 見守り、言葉かけ、身体的介助、または補助具を運んでもらう介助を要する
0 昇降不能

合計は0〜100点(5点刻み)で、100点が完全自立、0点がにあたる。

解釈とカットオフ

合計点 目安
0〜20
21〜60 高度の介助を要する
61〜90 中等度の介助を要する
91〜99 軽度の介助を要する
100 基本的ADLは完全自立

⚠️ この点数帯は臨床でよく使われる目安であり、統一されたではない。原版(Mahoney & Barthel, 1965)以降、配点・解釈をわずかに変更した改変版(Granger版、Shah改変版など)が複数存在するため、経過を追う際は同一版を一貫して使用する。

限界と使ってはいけない場面

⚠️ 100点は「基本的ADLに介助を要さない」ことを意味するにすぎず、独居生活が可能であることの保証ではない。 買い物、金銭管理、服薬管理、交通機関の利用などのは評価対象外であり、これらは別の尺度(など)で補う。

⚠️ 能力を評価しないため、を伴う患者(脳卒中後など)の全体像をするには、認知項目を含む(Functional Independence Measure)の方が適することが多い。

⚠️ 5点刻みのため、リハビリテーション初期・後期の微細な変化を捉えにくいがある。高機能群・低機能群の経過を細かく追う場合は、より段階の細かい尺度を併用する。

⚠️ 「できる能力」ではなく「実際の遂行」で採点する。環境やケア方針によって点数が変わりうる点に注意する。

まとめ

  • は食事・整容・更衣・排泄・・移動・昇降など10項目のを0〜100点(5点刻み)で数値化する。
  • 各項目は「実際にどこまで自力で行っているか」で採点し、100点は完全自立、0点はを意味する。
  • 点数帯によるは臨床上の目安であり、の統一ではない。版によって配点・基準が異なるため経過観察では同一版を用いる。
  • は評価対象外であり、これらを含む評価にはなど別の尺度を併用する。