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MRC徒手筋力テスト

MRC muscle scale

別名
MMT徒手筋力テスト
臓器系
神経運動器
科目
NeurologyRehabilitation
トピック
神経内科 04:運動系の診察:筋緊張・筋萎縮・筋力リハビリテーション 02:リハビリテーションにおける機能評価:移動能力・筋力・標準化スケール
構成:症状
筋力低下

🧠 全体像:MRC(Medical Research Council)は、1つの筋・筋群のを、と検者の抵抗との関係だけで0〜5の6段階に採点する、神経診察でもっとも基本的な筋力評価法である。が「生活の中で何がどこまでできるか」という応用の軸を測るのに対し、単一の筋・関節運動そのものの出力を測るであり、両者は評価する軸が異なる。

目的と適用場面

内容
目的 個々の筋・筋群のを段階評価し、脱力の分布・程度から病変の局在(末梢神経・神経根・脊髄・脳のどのレベルか)を推定する
対象 意識清明で指示に従える患者。脳卒中重症筋無力症などの神経筋疾患、後の筋力低下など
使う場面 神経診察での筋力の記載、な悪化・回復の追跡、局在診断の材料
評価しないもの 筋緊張()、協調運動、ADL上の実際の遂行能力(など別のツールが担う)

構成要素と配点

単一の筋・関節運動ごとに、と検者の抵抗との関係で0〜5点を判定する。

点数 所見
0 筋収縮なし(
1 筋を触知しながら収縮を試みさせると、を触知できるのみで、関節運動そのものは起こらない
2 の影響を除いたでなら自動運動が可能(に抗しては動かせない)
3 に抗していっぱいまで動かせるが、検者の抵抗にはまったく抗せない
4 検者のある程度の抵抗に抗して動かせるが、正常より弱い
5 検者の最大抵抗に抗しても動かせる(=正常筋力)

💡 臨床ではGrade 4を4−/4/4+へさらに細分することが多い(4−は抵抗にわずかしか抗せない程度、4+は正常に近いがなお軽度の低下を残す)。Grade 4がカバーする幅(「にはかろうじて勝るが抵抗にはほぼ抗せない」〜「ほぼ正常」)は他のグレードより著しく広く、単一の整数だけでは経過を追いにくいための臨床的な補正である。

解釈とカットオフ

個々のグレードでの評価に加え、複数の筋群を合算して重症度を層別化する(sum score)領域で用いられる。

使い方 内容
個々のグレード 3以下はに抗せない、または抗せても検者の抵抗には負けるレベルであり、実用的な筋力低下として扱う
両側のの6筋群(合計12部位)を各0〜5点で採点し合算する。満点60点
の目安 鎮静・意識障害の影響を除外したうえで、合計スコア48点未満を支持する所見とされる

限界と使ってはいけない場面

⚠️ 意識障害・強い疼痛・非協力的な患者では信頼できる採点ができない。 指示に従えない、または最大努力を出せない患者では、真の筋力ではなく努力・理解度を反映してしまう。

⚠️ Grade 4は範囲が広く、評価者間のばらつきが大きい。4−/4/4+のような細分を使っても、他施設・他検者間の厳密な比較には限界がある。

⚠️ などのを評価しないがある肢では自体は保たれていても運動がに見えることがあり、筋力と協調性・性を混同しない。

⚠️ 筋力が保たれていること(高いグレード)は、その筋力を生活動作に実際に使えることを意味しない。ADL上の自立度はなど別の尺度で評価する。

まとめ

  • は1つの筋・関節運動のを、と検者の抵抗との関係で0()〜5(正常)の6段階に採点する。
  • Grade 4は範囲が広いため4−/4/4+へ細分することが多いが、それでも評価者間のばらつきは残る。
  • 両側6筋群・12部位の合計(満点60点)はと呼ばれ、48点未満はを支持する。
  • は評価対象に含まれず、筋力そのものと生活動作上の自立度(など)は別の軸として扱う。