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機能的自立度評価表

Functional Independence Measure

別名
FIM機能的自立度評価法
臓器系
運動器神経
科目
Rehabilitation
トピック
リハビリテーション 02:リハビリテーションにおける機能評価:移動能力・筋力・標準化スケール
適用疾患
外傷性脊椎・脊髄損傷外傷性脳損傷大腿骨頸部・転子部骨折脳梗塞脳卒中

🧠 全体像(Functional Independence Measure、)は、運動13項目+認知5項目の計18項目を、各1〜7点の7段階で採点し、合計18〜126点で「介助がどれだけ必要か」を数値化する尺度である。が基本的ADL 10項目を2〜4段階の粗い配点で評価するのに対し、認知・項目を含み、かつ介助量を7段階まで細かく刻むことで、天井・を抑えつつよりの高い機能プロファイルが得られるよう設計されている。

目的と適用場面

内容
目的 運動・認知の両面から患者が日常生活でどれだけ介助を要するかを数値化し、リハビリテーションの効果判定・評価に用いる
対象 脳卒中後など、入院してリハビリテーションを要する患者(特にリハビリテーション病棟)
使う場面 入院時・退院時の比較()、多職種カンファレンスでの共通言語、施設の評価(
評価しないもの 個々の筋力・そのもの(などが担う)、な重症度、詳細な神経心理学的検査

構成要素と配点

18項目はすべて共通の1〜7点・7段階スケールで採点する。過去1〜2週間の実際の遂行状況(できる可能性ではなく、実際に行っているか)を評価する点はと同じである。

評価する18項目

運動項目(13項目、13〜91点)

領域 項目 評価内容
食事 食器を使って食べ物を口まで運ぶ動作(配膳・下ごしらえは含まない)
整容 口腔ケア・整髪・手洗いなど身だしなみを整える動作
清拭 全身を洗う・拭く動作(浴槽・シャワーへのは別項目で評価)
更衣(上半身) 上半身の衣服・の着脱
更衣(下半身) 下半身の衣服・の着脱
排泄前後の衣服操作と陰部の清拭
排尿管理 排尿のコントロールと関連器具(尿器・カテーテルなど)の管理
排便管理 排便のコントロールと関連器具(など)の管理
ベッド・椅子・ ベッドと椅子・の間の
トイレ 便座への
浴槽・シャワー 浴槽またはへの
移動 歩行/駆動 屋内での歩行、歩行困難例ではの駆動
移動 昇降 12〜14段程度のの昇降

認知項目(5項目、5〜35点)

領域 項目 評価内容
理解 聴覚的・視覚的な指示や会話の内容を理解する能力
表出 言語または非言語的手段で意思・欲求を相手に伝える能力
交流 治療スタッフ・他の患者との関わり方、場に応じた行動の調整
日常生活で生じる問題を認識し、合理的に判断・解決する能力
記憶 日課・指示・人の顔などを覚えておき、必要な時にする能力

7段階の採点基準(全18項目に共通)

点数 段階 目安
7 完全自立 補助具・介助・時間超過・安全上の配慮のいずれも要さず、いつも通りの時間で安全に遂行できる
6 の使用、通常より長い時間、安全確保のための工夫のいずれかを要するが、他者の手は借りずに一人で遂行できる
5 監視・準備 身体的な接触は伴わず、声かけ・見守り、または用具の準備だけで遂行できる
4 動作の75%以上を患者自身が行い、介助者の関与は25%未満にとどまる
3 動作の50〜74%を患者自身が行い、介助者が残り26〜50%を担う
2 患者自身が行えるのは動作の25〜49%にとどまり、介助者が51〜75%を担う
1 患者自身の関与は25%未満、またはまったく遂行できず、介助者がほぼすべてを担う

💡 7・6点は「介助者を要さない」段階、5〜1点は「介助者を要する」段階に大別される。5点(監視・準備)は身体的接触こそないが、介助者がその場にいる必要があるため「介助あり」側に分類される。

解釈とカットオフ

指標 内容
13項目の合計。13点()〜91点(完全自立)
5項目の合計。5点()〜35点(完全自立)
合計点 18点(完全依存)〜126点(完全自立)
gain) 退院時 − 入院時。リハビリテーションによる機能改善量の指標
efficiency) ÷ 在院日数。単位期間あたりの改善速度を示し、施設・診療科間の比較に用いられる

⚠️ 日本のリハビリテーション病棟では、運動項目のを在院日数で調整した指数が診療上の評価に用いられているが、具体的な算定基準は診療改定のたびに変わるため、最新の厚生労働省告示・通知で確認する。

⚠️ 合計点だけを見ると、の制限が主なのかの制限が主なのかが分からなくなる。運動・認知の内訳(サブトータル)を必ず確認する。

限界と使ってはいけない場面

⚠️ (Uniform Data System for Medical Rehabilitation)がライセンスする評価尺度である。 には、認定講習を受けた評価者が標準化された手順で採点することが前提であり、項目の英語原文のを無断で転載・翻訳して配布することもできない。

⚠️ 認知5項目は行動の大枠を捉えるにとどまり、検査や検査などの詳細な神経心理学的評価の代わりにはならない。

⚠️ 小児には成人版のをそのまま用いず、Weeなど年齢に応じた専用版を用いる。

⚠️ ほど顕著ではないものの、軽症例では早期に上限(各項目7点)に達しやすく、細かい改善を追いにくいが残る。

⚠️ 「できる能力」ではなく「実際の遂行」で採点するため、環境やケア方針(介助者がどこまで手を出すか)によって点数が変わりうる。

Barthel指数との対比

項目数 10項目 18項目(運動13+認知5)
採点段階 項目ごとに2〜4段階 全項目共通で1〜7の7段階
合計点の範囲 0〜100点(5点刻み) 18〜126点
認知・ 評価しない 評価する(認知5項目)
主な用途 基本的ADLの自立度追跡、簡便なスクリーニング 運動・認知を含む詳細な機能プロファイル、リハビリテーションでの評価
使用に必要な資格 特になし のライセンス・認定講習

まとめ

  • は運動13項目+認知5項目の計18項目を、各1〜7点の7段階(完全自立〜)で採点し、合計18〜126点で表す。
  • との違いは、認知・項目を含むことと、介助量を7段階まで細かく刻むことにある。
  • (13〜91点)と(5〜35点)を分けて確認することで、機能低下の主軸をできる。
  • はリハビリテーションの評価に広く用いられるが、採点にはのライセンスと認定講習が必要である。