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Prader分類

Prader staging

別名
Prader classificationPrader scale
臓器系
内分泌・代謝生殖・産婦人科
科目
Internal MedicinePediatrics
トピック
内科学 E-08:性腺機能異常小児科 3-19:小児性腺疾患
適用疾患
アロマターゼ欠損症性分化疾患

🧠 全体像:Prader分類は、先天性症などでにアンドロゲンへ曝露された46,XX女児の外性器がどこまで男性化したかを、所見だけでStage I〜Vの5段階に並べる枠組みである。⭐ 軸は「クリトリスの陰茎化」「の癒合」「の形成」という3つの所見が、段階を追うごとに一緒に進むという一つのストーリーで覚えるとよい——クリトリスが陰茎に近づき、が癒合して陰嚢に近づき、腟口と尿道口が合流して単一の開口部()になっていく。⚠️ ただし、この段階は男性ホルモン作用の強さを表すだけで、その子にどちらの性別を割り当てるべきかを教えてくれるわけではない1。

目的と適用場面

内容
目的 46,XX DSD(主に先天性症)における外性器の男性化の程度を所見で段階づける
対象 出生前アンドロゲン曝露により外性器がな46,XX女児
使う場面 ・小児期のDSD初期評価、手術記録・カルテでの重症度の共有言語
評価しないもの 性腺の位置・核型・内分泌学的診断そのもの、割り当てるべき性別

Praderが1954年に記載した分類で、先天性症(欠損症)の女児が妊娠9〜15週ごろの性分化のに副腎由来のアンドロゲンへ曝露されることで生じる、・の癒合と陰嚢化・尿道/腟口の頭側への移動という一連の変化を、写真所見として比較できる共通言語にするために考案された2。46,XY DSDにおける男性化不全の程度を評価すると対で使われ、日本の2025年版DSD診療ガイドラインCQ7も両分類を並記している1。

構成要素と分類基準

⭐ 点数を積み上げる方式ではなく、クリトリスの形態・の癒合・の形成という3所見の組み合わせで5段階のいずれかに当てはめる。

Stage クリトリス ・開口部
Stage I のみ 癒合なし 腟口・尿道口は別開口のまま
Stage II 後方の 腟口・尿道口はなお別開口
Stage III より高度な ほぼ完全な 単一の会陰(腟と尿道が合流)
Stage IV 陰茎様に肥大したクリトリス 完全な 尿道様のがクリトリス基部に開口
Stage V 陰茎様のクリトリス 陰嚢様の 尿道口が陰茎様突起の先端に開口(な性腺を欠く点を除き男児の外見に近い)

出典:Endotext2。

解釈とカットオフ

Prader分類にリスク層別のような数値はなく、段階そのものが所見の重症度を表す。Stage IからVへ向かうほど、外性器の外観が女性型から男性型へ連続的に近づく。

⭐ 「Stage IIIが」と覚えるとよい。 Stage I・IIは腟口と尿道口が別々の開口として残るのに対し、Stage III以降は両者が単一のに合流する——これは治療(の要否・術式)を左右する解剖学的なになる。

限界と使ってはいけない場面

⚠️ 性別を割り当てる根拠にしない。 Prader分類・はいずれも男性ホルモン作用の程度を評価できるが、選択すべき性別を予測するではない。性別違和の生じやすさは外性器所見の重症度ではなく原因疾患によって異なる1。

⚠️ 診断そのものではない。 段階が高いほど男性化が強いことを示すだけで、原因疾患(先天性症か、他の状態か)は核型・内分泌学的検査・画像検査で別途確認する必要がある。

⚠️ 46,XY DSDの評価には使わない。 Prader分類は46,XX女児の男性化「過剰」を評価する尺度であり、46,XY DSDの男性化「不全」の評価にはを用いる(両者は評価する方向が逆である)。

まとめ

  • Prader分類は、46,XX DSD(主に先天性症)におけるの程度を、クリトリスの形態・の癒合・の形成という3所見からStage I〜Vの5段階に分けるによる分類である。
  • Stage Iはのないのみ、Stage IIは後方を追加、Stage IIIは単一の会陰の形成、Stage IVは尿道様と完全な、Stage Vは陰茎様クリトリスと陰嚢様・陰茎様突起先端の尿道口である。
  • ⚠️ 段階は男性ホルモン作用の強さを示すだけで、選択すべき性別を予測しない。 性別割り当ての判断には別途、チームによる包括的評価が必要である。
  • 46,XY DSDのの評価に用いると対をなし、評価する方向(過剰か不全か)が逆であることに注意する。

出典

  1. 1.性分化疾患(DSD)の診療ガイドライン(2025年版)(性分化疾患の診療ガイドライン作成委員会(日本小児内分泌学会・日本内分泌学会・日本小児泌尿器科学会・日本生殖内分泌学会・日本GI(性別不合)学会・厚生労働省難治性疾患政策研究事業ほか)・2025)第四版(2025年9月24日)のPDFを自分で取得して確認した。CQ7の解説がPrader分類・Quigley分類は男性ホルモン作用の程度は評価できるが選択すべき性別を予測できないと明記していること、CQ7の推奨が視診・触診、染色体検査、内分泌学的検査、超音波・MRIなどの画像検査、専門家チームによる包括的評価であること(推奨の強さ:強、エキスパートオピニオン)を確認した。閲覧 2026-09-06
  2. 2.Congenital Adrenal Hyperplasia: Diagnosis and Emergency Treatment(Endotext (MDText.com, Inc.)・2019)2019年4月16日更新の記事で、46,XX先天性副腎皮質過形成症(古典型21-水酸化酵素欠損症)女児の外性器男性化の程度をPraderが5段階(Stage I〜V)で分類したこと、Stage Iが陰唇癒合を伴わないクリトリス肥大、Stage IIがクリトリス肥大と後方の陰唇癒合、Stage IIIがより高度なクリトリス肥大と単一の会陰尿生殖洞・ほぼ完全な陰唇癒合、Stage IVがより陰茎様に肥大したクリトリスと尿道様の尿生殖洞(クリトリス基部に開口)・完全な陰唇癒合、Stage Vが陰茎様のクリトリス・陰茎様突起の先端に開く尿道口・陰嚢様の陰唇(触知可能な性腺を欠く点で男児と外見上区別しにくい)であることを確認した。閲覧 2026-09-06