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SDAI/CDAI

SDAI / CDAI

別名
SDAICDAISimplified Disease Activity IndexClinical Disease Activity Index
臓器系
免疫・膠原病
科目
Internal Medicine
トピック
内科学 R-04:関節リウマチの診断と治療
構成:症状
圧痛腫脹
構成:検査値
C反応性蛋白
適用疾患
関節リウマチ

🧠 全体像:SDAIおよびCDAIは、関節リウマチの疾患活動性をベッドサイドで迅速に評価するために考案された複合である。複雑な対数式・平方根計算を必要とするDAS28とは異なり、評価項目の単純加算(足し算のみ)で算出できる。特にCDAIは急性期炎症反応のを必要とせず、診察室内で直ちにを決定できるため、目標達成に向けた治療(Treat-to-Target)の実践において極めて有用である。

目的と適用場面

関節リウマチと診断が確定した患者において、治療反応性の判定および・減量の判断基準(Treat-to-Target戦略)として反復測定する1。

  • SDAI:検体検査(CRP)を含む総合的な指標。およびの合同寛解基準(指標ベース寛解)として採用されている2。
  • CDAI:診察所見と全般評価のみで完結する指標。採血結果が出る前や、外来診療の場その場で直ちに算出して治療変更(抗リウマチ薬の増量・変更)の要否を判断する際に適する3。

構成要素と計算方法

SDAIは5項目、CDAIはSDAIからCRPを除いた4項目で構成される。重み付け係数はなく、測定値をそのまま合算する43。

構成項目 評価内容 評価尺度
(TJC28) 評価対象28関節中の圧痛関節数 0〜28
(SJC28) 評価対象28関節中の腫脹関節数 0〜28
(PtGA) 患者自身による疾患活動性の全般評価 0.0〜10.0 cm(VAS)
(PhGA) ・評価者による疾患活動性の全般評価 0.0〜10.0 cm(VAS)
CRP 血清値 mg/dL単位(mg/Lではない)

計算式

  • SDAI = TJC28 + SJC28 + PtGA + PhGA + CRP
  • CDAI = TJC28 + SJC28 + PtGA + PhGA

評価対象となる28関節は、両側の肩、肘、手関節、(MCP、10関節)、(PIP、10関節)、である。股関節・・中足指節関節(MTP)は含まれない。

flowchart TD
    subgraph Clinical["診察室での<span class='jp-term jp-term-diagram' title='physical examination'>身体診察</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='medical interview (history-taking)'>問診</span>"]
        TJC["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='tender joint count'>圧痛関節数</span><br>0〜28"]
        SJC["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='swollen joint count'>腫脹関節数</span><br>0〜28"]
        PtGA["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='patient global assessment'>患者全般評価</span><br>0〜10 cm"]
        PhGA["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='evaluator global assessment'>評価者全般評価</span><br>0〜10 cm"]
    end

    subgraph Lab["検体検査"]
        CRP["CRP<br>mg/dL"]
    end

    TJC --> CDAI["CDAI<br>TJC + SJC + PtGA + PhGA<br>診察室で即時判定"]
    SJC --> CDAI
    PtGA --> CDAI
    PhGA --> CDAI

    CDAI --> SDAI["SDAI<br>CDAI + CRP<br>ACR/EULAR寛解基準"]
    CRP --> SDAI

解釈とカットオフ

活動性の判定区分は以下の定義に従う432。

疾患活動性区分 SDAI CDAI 臨床的意義と対応方針
3.3以下 2.8以下 の達成。の進行抑制が期待できる
3.3超〜11.0以下 2.8超〜10.0以下 長期罹患例などで寛解達成が困難な場合の代替目標
中等度疾患活動性 11.0超〜26.0以下 10.0超〜22.0以下 未達。抗リウマチ薬の増量や生物学的製剤等の導入を検討
高疾患活動性 26.0超 22.0超 強力な炎症活動性。速やかなが必要

DAS28との対比と特徴

特徴 DAS28 SDAI CDAI
計算難易度 対数・平方根計算が必要(計算機必須) 単純加算(暗算可能) 単純加算(暗算可能)
の要否 必須(ESRまたはCRP) 必須(CRP) 不要(診察所見のみ)
即時性 採血結果が出るまで 採血結果が出るまで 診察室で即時判定可能
寛解基準の厳格さ 比較的緩やか(残存関節炎があっても達しうる) 厳格(ACR/EULAR合意) 厳格
IL-6阻害薬使用時の影響 CRP直接抑制で過小評価されやすい CRP直接抑制で過小評価されやすい 影響を受けにくい

限界と使ってはいけない場面

⚠️ IL-6阻害薬やJAK阻害薬使用時の解釈:などのやJAK阻害薬は、肝臓でのCRP産生を直接強力に抑制する。そのため、関節炎の炎症が残存していてもCRPが著明に低下し、SDAIは実態よりも活動性が低く算出される(寛解と誤認する危険がある)。これらの薬剤を使用している局面では、CRPを含まないCDAIや、個別の腫脹・そのものをする。

⚠️ 足部病変の過小評価:DAS28と同様に、やMTP関節は評価対象の28関節から除外されている。やに活動性が偏局している症例では、スコア上は寛解と判定されてもが進行する恐れがある。

⚠️ やの併発:(PtGA)および(TJC28)は疼痛やの影響を強く受ける。二次性やが併存する場合、そのものが消失していてもPtGAが高止まりし、見かけ上寛解に達しないことがある。(SJC28)や画像検査(関節超音波等)を併用してなの有無を評価する。

⚠️ 単位の誤認(CRP):SDAIの計算式におけるCRPの単位はmg/dLである。電子カルテの表示がmg/Lとなっている環境では、10倍の数値がそのまま加算されて著しく過大評価されるため、必ずmg/dLに換算してから合算する。

まとめ

  • SDAIおよびCDAIは、関節リウマチの達成に向けた活動性モニタリング指標であり、足し算のみで算出できる。
  • CDAIはを待たずに診察室で直ちに算出でき、日常外来での・変更の判断に適する。
  • SDAIは3.3以下、CDAIは2.8以下が寛解基準であり、DAS28の寛解基準よりも残存が少なく厳格である。
  • IL-6阻害薬使用時などはCRPが低下するため、CDAIによる評価が特に有用となる。病変の除外や疼痛疾患の併発によるPtGA高値に留意する。

出典

  1. 1.Treating rheumatoid arthritis to target: 2014 update of the recommendations of an international task force(Annals of the Rheumatic Diseases・2016)関節リウマチにおける目標達成に向けた治療において、主要目標を臨床的寛解、長期罹患例などでの代替目標を低疾患活動性とし、複合指標による定期的モニタリングに基づく治療最適化を推奨していることを確認した。閲覧 2026-10-30
  2. 2.American College of Rheumatology/EULAR remission criteria for rheumatoid arthritis: 2022 revision(Annals of the Rheumatic Diseases・2023)ACR/EULARの寛解基準において、SDAI 3.3以下が指標ベースの寛解基準として承認されていること、CDAI 2.8以下も臨床指標として整合すること、ブーリアン寛解基準とともに放射線学的進行抑制と身体機能維持を予測することを確認した。閲覧 2026-10-30
  3. 3.The Simplified Disease Activity Index (SDAI) and the Clinical Disease Activity Index (CDAI): a review of their usefulness and validity in rheumatoid arthritis(Clinical and Experimental Rheumatology・2005)SDAIから急性期反応物質(CRP)を除外したCDAI(TJC28 + SJC28 + PtGA + PhGA)を提唱・検証し、採血結果を待たずに診察室内で即座に算出でき、治療調整の判断に直結する妥当な指標であることを確認した。閲覧 2026-10-30
  4. 4.A simplified disease activity index for rheumatoid arthritis for use in clinical practice(Rheumatology (Oxford)・2003)28関節の圧痛関節数・腫脹関節数・患者全般評価(0〜10 cm)・医師全般評価(0〜10 cm)・CRP(mg/dL)の5項目の単純加算としてSDAIを提唱し、DAS28および原法DASと高い相関を示し臨床現場での活動性評価に有用であることを確認した。閲覧 2026-10-30