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Timed Up & Goテスト

Timed Up and Go test

別名
TUGTUGテスト起立歩行テスト
臓器系
運動器神経
科目
Rehabilitation
トピック
リハビリテーション 02:リハビリテーションにおける機能評価:移動能力・筋力・標準化スケール

🧠 全体像は、椅子から、3 m歩いて方向転換し、椅子まで戻って着席するという、起立・歩行・方向転換・着座という日常の一連動作を1つの秒数にして測るパフォーマンステストである。が歩行時に必要な人的介助のだけを段階分類するのに対し、は介助の有無を問わず動作全体に要する時間を連続量として測る点で軸が異なる。またのようなADL()自立度の評価とも異なり、は特定のの速さ・円滑さを見るものであって、生活全般の自立度やを評価するものではない。

目的と適用場面

内容
目的 ・歩行・方向転換・着座を含む基本的な移動動作の速さとバランスを、特別な器材なしで短時間に定量評価する
対象 地域在住高齢者、パーキンソン病脳卒中後などバランス・移動能力の低下が疑われる患者
使う場面 外来・病棟での簡易スクリーニング、評価の一要素、リハビリテーション経過の追跡
評価しないもの 、ADL自立度全般、歩行の・歩行距離(後者はなど寄りの指標が担う)

実施方法

  1. 肘掛け付きで座面高が約46 cmの、・滑りのない安定した椅子に、を背もたれに付けて深く座らせる。
  2. 普段履いている履物のままとし、普段使用している(杖・歩行器など)があればそのまま使わせる。
  3. 「合図をしたら、前方3 m先の目印まで歩き、方向転換して椅子まで戻り、再び座る」という手順を口頭で説明する。
  4. 手順に慣れさせるため、なしの練習を1回行わせる。
  5. 「Go(どうぞ)」の合図でを開始し、「いつも通りの、安全な速さで」歩かせる。検者は転倒に備えてそばに付き添うが、身体的な介助は行わない。
  6. が再び座面に着いた時点でを終了し、秒単位で記録する。
条件 内容
椅子 肘掛け付き、座面高 約46 cm、・滑りのない安定したもの
距離 3 m(原著の記載は約10フィート)
履物 普段の履物のまま(履き替えさせない)
普段使っているものはそのまま使用可。ただし検者による身体的な支持・介助は行わない
速さの指示 「いつも通りの、安全な速さで」。全力での急ぎ歩行は求めない
試行回数 練習1回(未)に続けて本番1回以上をする

解釈とカットオフ

目的・によって複数提案されており、統一された単一のは存在しない

目安・ 出典・対象 意味
10秒未満 Podsiadlo & Richardson(1991) 自由に歩行できるレベル
20秒未満 同上 おおむね自立して移動できるレベル
20〜29秒 同上 移動能力にばらつきがあるレベル
30秒以上 同上 移動能力が障害され、介助を要する可能性が高いレベル
13.5秒以上 Shumway-Cook, Brauer, Woollacott(2000)、地域在住高齢者 転倒ハイリスクの目安として提案
12秒以上 米国CDCの、65歳以上 増加のスクリーニング閾値

💡 文献上のは10〜33秒まで幅広く報告されている。同じ「」でも、何を予測したいか(転倒歴、ADL自立度、入院後の機能低下など)とによって最適な値は変わるため、1つの数字を万能の基準として引用しない。

限界と使ってはいけない場面

⚠️ 単独の秒数でを断定してはならない。 Barryらの系統的レビュー・(25研究、うち対象10研究・2,314例)では、13.5秒におけるは0.32(95%CI 0.14–0.57)、は0.73(95%CI 0.51–0.88)にとどまり、「地域在住高齢者においては転倒予測能が限定的であり、単独でハイリスク者を同定する目的に用いるべきではない」としている。

⚠️ な患者や、重度のにより手順の指示に従えない患者では実施できない、または結果を解釈できない。

⚠️ 椅子の座面高、履物、の使用有無によって所要時間が変わる。経過を追う際はこれらの条件を毎回そろえる。

⚠️ は移動動作の速さとバランスを見る粗いスクリーニングであり、やADL自立度そのものは評価しない。を総合的に評価する際は、視力、、服薬内容、環境要因なども含めたを併用する。

まとめ

  • は椅子からの・3 m歩行・方向転換・着座までの一連動作の所要時間(秒)を測るパフォーマンステストである。
  • 原著(Podsiadlo & Richardson, 1991)はMathiasらのGet-Up and Go test(1986、非のスケール評価)を式に改変したものである。
  • には13.5秒(Shumway-Cook, 2000)や12秒(CDC )などが提案されているが、により最適値は異なり単一のには統一されていない。
  • 単独では転倒予測能が限定的であるため、・ADL評価や多因子的な評価と併用する必要がある。