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2分間歩行試験

2-minute walk test

別名
2MWT2分間歩行テスト
臓器系
運動器呼吸器
科目
RehabilitationPulmonology
トピック
リハビリテーション 02:リハビリテーションにおける機能評価:移動能力・筋力・標準化スケール呼吸器内科 03:運動負荷試験:6分間歩行試験

🧠 全体像)は、平地を2分間で歩いた距離(m)を測る自己ペースのテストである。)を歩き通すのが難しい対象(高齢者、重度の呼吸・循環器疾患、後早期など)にも歩行の目安を与えるための短縮版として使う。歩行時の介助量という1軸だけを見るとは異なり、は「どれだけ歩けるか」という量的なを測る点で軸が異なる。

目的と適用場面

内容
目的 2分間の歩行距離(m)でを簡便に測定する
対象 6分間の歩行が難しい患者(重度のCOPD脳卒中後早期、高齢者など)
使う場面 の実施が困難・非現実的な外来・病棟、リハビリテーション効果判定、経過の簡便な追跡
評価しないもの 歩行の質(などの)、、ADL自立度、そのもの

💡 同じ「移動能力」でも、は歩行時の介助量、〜3 m歩行〜方向転換〜着座の所要時間、は2分間の歩行距離と、それぞれ評価する軸が異なる。

実施方法

の標準手順( 2002 statementおよび/ 2014 technical standard)を2分間に短縮した形で実施する。

  1. 平坦で硬い直線の歩行路(多くの実施例でに準じ30 m前後の廊下を往復)を用い、安静後に開始する。
  2. 「走らずに、できるだけ遠くまで歩いてください。疲れたら立ち止まって休んでもよいですが、可能になったらすぐ歩行を再開してください」と標準化した説明を行う。
  3. 開始の合図でを始め、と同様に残り時間(1分・30秒など)を告げる標準化された励ましの言葉のみをかける。
  4. 途中で休憩は可とするが、(タイマー)は止めない。休憩の有無・回数、症状、使用した・酸素条件を記録する。
  5. 2分経過で終了を告げ、歩いた総距離(m)を記録する。
条件 扱い
歩行路の長さ・折り返し回数 標準化し、経過を追う際は毎回同一にする
使用可(杖・歩行器など)。使用した補助具を記録し、経過観察では条件を揃える
声かけ 標準化された励ましのみ(自由な応援・急かしは行わない)
休憩 可能。ただしは止めない

解釈と基準値

目安・変化量 出典
健常成人(18〜85歳、地域住民 n=1137) 平均180.9 m(範囲64.6〜300.8 m)。男性189.4 m・女性176.0 m。年齢・性で幅が大きい Bohannon RW, et al. Arch Phys Med Rehabil. 2015;96:472-477
同上(変化量) 42.5 m 同上
COPD(重症〜最重症の 平均113〜126 m Correlation of 2- and 6-MWT with spirometry, PMC11680464
COPD(後) 5.5 m Johnston KN, et al. Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2017;12:2849-2857
脳卒中(中) 31 m(多施設追試では33 m) Bowman et al., Topics Stroke Rehabil. 2024/多施設追試 2025
(義足 距離 113 m以上が 300 m以上(地域社会歩行の目安)を予測 Reid L, et al. J Rehabil Med. 2015;47

⚠️ 上表はいずれもを限定した報告であり、単一の「正常値」は存在しない。 年齢・性・原疾患ごとの目安と、が一致する出典を必ず確認して使う。

6MWTとの使い分け

2MWT 6MWT
位置づけ の短縮版として派生(Butland et al., 1982) 2002 statement/ 2014 technical standardで標準化
適した対象 6分間を歩き通せない・疲労しやすい対象、時間的がある場面 標準的な評価が可能な対象
得られる情報 歩行距離に絞った簡便なの指標 距離に加え、・脈拍応答・症状経過など多面的な情報
との相関 高い(例:COPDでr=0.87、でr=0.992)
互換性 相関は高いが同一の構成概念ではなく、値を換算・代用しない

限界と使ってはいけない場面

⚠️ 距離だけでは歩行の質(などの)・・ADL自立度は分からない。や実際のADL評価と組み合わせて解釈する。

⚠️ 歩行路の長さ・折り返し回数によって同じ歩行能力でも距離が変わりうるため、経過を追うときは毎回同じコース・条件で実施する。

⚠️ の値は高く相関するが、同一の指標として読み替えない。 などの指標との相関が弱いとする報告もあり、の代用として単純換算しない。

⚠️ 運動に準じた中止基準・禁忌に留意する。、コントロール不良の不整脈、重度などでは実施を避け、胸痛・耐え難い呼吸困難・・チアノーゼ・蒼白などが出現すれば直ちに中止する。

まとめ

  • は平地を2分間で歩いた距離(m)を測るテストで、6分間を歩き通せない対象にも使えるの短縮版である。
  • 距離の目安・変化量は(健常成人・COPD・脳卒中・など)によって大きく異なり、単一の正常値は存在しない。
  • 歩行路の長さ・折り返し回数など実施条件を標準化しないと、経過観察での距離の変化を歩行能力の変化として解釈できない。
  • と高く相関するが同一の構成概念ではなく、値を互換に扱ってはならない。