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機能的歩行分類

Functional Ambulation Category

別名
FAC歩行自立度分類
臓器系
運動器神経
科目
Rehabilitation
トピック
リハビリテーション 02:リハビリテーションにおける機能評価:移動能力・筋力・標準化スケール
適用疾患
大腿骨頸部・転子部骨折脳梗塞脳卒中

🧠 全体像(Functional Ambulation Category、)は、歩行時にどれだけ人的介助を要するかだけで0()〜5()の6段階に分類するである。歩行速度・距離・補助具の種類は一切評価せず、「介助者の手がどこまで必要か」という1軸だけに絞り込んでいる点が、の移動項目やなど時間・距離を測るテストとの違いである。

目的と適用場面

内容
目的 歩行の自立度を人的介助の量だけで簡便に層別化する
対象 脳卒中など障害後に歩行再獲得の過程にある患者
使う場面 病棟でのすばやいスクリーニング、リハビリテーション経過の追跡、退院先・在宅復帰の見通しの目安
評価しないもの 歩行速度、歩行距離、パターンなど)、杖・歩行器など補助具の種類

構成要素と配点

単一軸で、歩行時に必要な人的介助の量に応じて0〜5点の6段階に分類する。(杖・歩行器など)の使用自体は減点対象にならない。

点数 段階 基準
0 、または2人以上の介助者を要する
1 監視・介助(重度) 1人の介助者が体重支持とバランスの両方を、常時の身体接触を伴って支える
2 監視・介助(中等度) 1人の介助者が常時または断続的に、バランス・協調性を保つための軽い身体接触で支える
3 監視・介助(軽度) 身体的な接触は不要だが、1人の介助者による口頭指示・見守りを要する
4 平地自立 平地では介助不要で自立して歩けるが、・傾斜・不整地では介助を要する
5 完全自立 ・不整地を含め、どのような環境でも介助なしに歩ける

💡 カテゴリ4と5の分かれ目は「平地だけで自立しているか」「・傾斜・不整地でも自立しているか」であり、平地歩行だけを見て自立(カテゴリ5)と判定しないよう注意する。

解釈とカットオフ

スコア 目安
0〜2 歩行には常時、人的介助を要する
3 身体的な介助は不要だが見守りを要する
4〜5 独歩可能(4は平地限定、5は環境を問わない)

脳卒中リハビリテーションでは、発症後一定期間の時点で 4以上に達していることが、その後の屋外・地域社会での歩行自立を高い感度で予測するという報告がある。

評価の実施

は特別な器材を必要とせず、屋内の平地(十数m程度)とがあれば実施できる。歩行の様子を観察し、介助者がどの程度の身体接触・声かけを行ったかだけで判定するため、所要時間は数分程度と短い。は良好であることが複数の研究で報告されており、病棟でのなスクリーニングに向く。

限界と使ってはいけない場面

⚠️ 原典(Holden MK, Gill KM, Magliozzi MR, et al. Physical Therapy. 1984;64:35-40。現行の0〜5表記は1986年の追試論文 Phys Ther. 1986;66:1530-1539で確立)が定義する段階数は0〜5の6段階であり、「5段階」ではない。 資料によって段階数を取り違えている記載があるため、参照するときは0を含む6段階であることを確認する。

⚠️ は歩行速度・距離・を評価しないため、地域社会で実用的な速度・距離を歩けるかまで確認したい場合は、(2分間歩行距離)(Timed Up & Go)など時間・距離を直接測定するテストを併用する。が「介助量」という1軸に絞った粗いスクリーニングであるのに対し、これらは歩行の質的・量的な側面を測る点で軸が異なる。

⚠️ 評価者間で「監視」と「軽い介助」の境界(カテゴリ1〜3)の判定がぶれやすい。実際にどの程度の身体接触があったかを記録に残すと再現性が上がる。

⚠️ 屋内の平地だけで評価してカテゴリ5と判定しない。・不整地での歩行を実際に確認しない限り、カテゴリ4と5は区別できない。

まとめ

  • は歩行時の人的介助の量だけを基準に、0()〜5()の6段階に分類するである。
  • 歩行速度・距離・補助具の種類は評価対象に含まれない点が、など他の歩行評価との違いである。
  • カテゴリ4(平地限定の自立)と5(環境を問わない自立)は、・不整地での歩行を確認して初めて区別できる。
  • 原典(Holden et al., 1984/1986)が定めるのは0〜5の6段階であり、「5段階」という誤記に注意する。