Anatomy

Anatomy · 2.7

胸部:局所解剖

Thorax — Topography

🧠 胸部の局所解剖は「入口・出口・すき間」を通過構造で覚える。 ・横隔膜の開口・は、それぞれ「何が通るか/何が溜まるか」で臨床に直結する。処置(穿刺・カテーテル・ブロック)の理解に必要な通路として整理する。

肋間隙

は隣り合う肋骨の間の空間で、3層のと神経血管束を含む。

層(浅→深) 内容
吸気で肋骨挙上
呼気補助
神経血管束(V-A-N) 内・の間、を走る
呼吸補助

は同一体位の超音波で安全な液体ポケットを選び、から。 主要な神経血管束は肋骨の下縁の溝を走るため、針は肋骨の上縁に沿わせる。可能なら内を選び、後方では神経血管束が肋骨下縁に保護されないことがあるため、というなアプローチは避ける。1

胸郭上口

(上胸口)は、頸部と胸腔をつなぐ狭い入口である。

境界 構成
後方 T1椎体
側方 第1肋骨
前方

通過構造: 気管、食道、大血管(、左総頸・)、迷走・横隔・

⚠️ 狭い入口に重要構造が密集。 付近では、下動静脈が・第1肋骨・に挟まれ、を起こしうる。)もこの部の構造を巻き込む。

横隔膜の開口

横隔膜を貫く主要構造は高さで覚える。

開口 高さ 通過構造
T8 下大静脈、右
T10 食道、迷走神経前・後幹
T12

💡 はT10の弱点。 は筋性で可動性があり、胃の一部が胸腔へ滑り出るヘルニアの好発部位。は横隔膜の後方を通り筋を貫かないため、大動脈は圧迫されない。

肋骨横隔洞

は、の移行部にある最も深いである。時は肺が完全には入り込まず、深吸気で肺が下降する予備空間になる。

  • 立位で最も低い位置となり、胸水が最初に貯留する
  • 胸水穿刺の位置は「背側で第9肋骨付近」などの固定目安で決めず、処置時と同じ体位の超音波で横隔膜・腹腔内臓器と深さを確認して安全な経路を選ぶ。1

胸部の体表投影

処置・のための代表的な体表対応を整理する。

構造 体表の目安
(T4/T5)
第5肋間・左
大動脈弁 第2肋間右縁
第2肋間左縁
胸骨下端左縁
(第5肋間
肺下縁 で第6、で第8、で第10肋骨
胸膜下縁 肺下縁より約2肋骨下(の分)

まとめ

  • は3層の筋と神経血管束を含み、穿刺はで行う。
  • は狭く、気管・食道・大血管・神経・が密集する。
  • 横隔膜開口は(T8)・(T10)・(T12)。
  • は最も深いで、胸水が最初に溜まる。
  • 弁の部位・肺下縁・などの体表投影を処置・診察に用いる。

出典

  1. 1.British Thoracic Society Clinical Statement on pleural procedures(British Thoracic Society・2023)胸腔穿刺における同一体位の胸部超音波、安全三角、肋骨上縁、後方アプローチ回避閲覧 2026-08-02