Histopathology

Histopathology · H2-073B

前立腺腺癌

Prostate adenocarcinoma

描出疾患
前立腺癌

🧠 全体像の大半は腺房腺癌で、浸潤性の小腺管、の消失、核小体の明瞭化を組み合わせて診断する。PSAはだが癌特異的ではなく、診断・治療はPSA単独ではなく、、MRI、(ISUP Grade Group)、病期を統合して決める。

発生と局在

  • 主に高齢男性に発生し、多くは前立腺辺縁帯に生じる。
  • 加齢、家族歴・、祖先集団、アンドロゲンシグナルなどがリスクと関連する。
  • PTEN喪失によるPI3K-AKT経路活性化など、複数の分子異常がに関与する。
  • は関連病変だが、存在だけで浸潤癌とは診断しない。

組織診断

所見 腺癌 良性腺・結節性過形成
腺構築 小型腺管が不規則に間質へ浸潤 大小の腺が結節性に増生
通常消失 保持
上皮 単層性、・明瞭な核小体 性を保ち、内腔突出を示しうる
好酸性結晶や粘液を認めうる 小体を認めうる
好発部位 辺縁帯 ・尿道周囲

明らかなは腺癌を強く支持する。や結節性過形成は併存しうるが、それ自体は腺癌の診断根拠ではない。ではp63・サイトなどのマーカーの消失と、AMACRの発現を補助的に評価するが、単一マーカーだけで診断しない。

を保つ良性腺との対比は前立腺結節性過形成も参照する。

flowchart TD
    A["不規則な小腺管"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='basal cell layer'>基底細胞層</span>を確認"]
    B --> C["核小体・浸潤様式を確認"]
    C --> D["必要時に<span class='jp-term jp-term-diagram' title='basal cells'>基底細胞</span>マーカーとAMACR"]
    D --> E["Gleasonパターンを判定"]
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ISUP Grade Group'>ISUPグレードグループ</span>を報告"]

Gleason分類とISUPグレードグループ

現行診断では「grade 2」のような単独表現を避け、を対応させる。

構築の要点
1 3+3=6 個々に分離した形成良好な腺管
2 3+4=7 パターン3優位でパターン4を含む
3 4+3=7 パターン4優位
4 8 4+4、3+5、5+3
5 9〜10 パターン5を主体または含む

癒合腺管、構築、不明瞭なはパターン4に含まれる。に加え、パターン4の割合、癌・導管内癌の有無なども予後評価に重要である。

PSAと診断経路

PSAは前立腺腺癌で上昇しうるが、前立腺結節性過形成、前立腺炎、尿路操作などでも変動し、癌でも低値の場合がある。「4 ng/mL未満なら正常、以上なら癌」という固定は用いない。

flowchart TD
    A["PSA・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='digital rectal examination, DRE'>直腸診</span>・家族歴から疑う"] --> B["リスク評価と前立腺MRI"]
    B --> C{"生検が必要か"}
    C -->|"必要"| D["MRI標的生検<br>必要に応じ系統的・周辺生検を併用"]
    C -->|"低リスク"| E["PSA密度などを含め経過観察"]
    D --> F["組織型・Grade Group・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='tumor burden'>腫瘍量</span>を報告"]
    F --> G["画像病期と統合して<span class='jp-term jp-term-diagram' title='therapeutic options'>治療選択</span>"]

感染リスク低減の観点から、可能な施設では経会陰生検が選ばれる。前立腺癌の診断は前立腺癌の頻度・症状・診断で確認する。

進展と治療

  • 局所では被膜外、などへ進展しうる。
  • は脊椎・骨盤などに多く、典型的にはだが成分を伴うこともある。
  • 低リスク限局癌ではが選択肢となる。
  • 臨床的に意義のある限局癌では術または放射線療法を検討する。
  • 進行癌ではを基盤に、病期・に応じて、化学療法、放射線療法などを組み合わせる。

治療はだけで固定せず、PSA、TNM、画像所見、、本人の希望を統合する。限局癌は限局性前立腺癌、進行癌は進行性前立腺癌の治療を参照する。

まとめ

  • 腺房腺癌は、不規則な浸潤性小腺管と消失を中心に診断する。
  • を併記し、曖昧な単独「grade」を避ける。
  • PSAは癌特異的ではなく、固定閾値だけで生検や除外を決めない。
  • 治療は、PSA、病期、全身状態を統合して個別化する。