内科学

内科学 · S-24

腎代替療法―透析と腎移植

Kidney Replacement Therapy

前提:病態
末期腎・腎不全
前提:正常
腎循環と糸球体濾過
疾患
動静脈瘻

🧠 全体像:には、、腎移植がある。開始時期と治療法はの数字だけで決めず、症状、体液・、生活目標、支援環境をで統合する。者では透析前のが望ましい。

緊急・計画的導入の考え方

flowchart TD
    A["進行<span class='jp-term jp-term-diagram' title='chronic kidney disease'>CKD</span>または重症AKI"] --> B{"内科治療で制御不能"}
    B -->|"高K・アシドーシス・肺水腫"| C["緊急透析"]
    B -->|"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='uremic pericarditis'>尿毒症性心膜炎</span>・脳症・出血など"| C
    B -->|"進行<span class='jp-term jp-term-diagram' title='chronic kidney disease'>CKD</span>だが安定"| D["早期から療法選択・アクセス・移植評価"]
    D --> E{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='transplant eligibility'>移植適格</span>+ドナー/<span class='jp-term jp-term-diagram' title='elective'>待機</span>機会"}
    E -->|"はい"| F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='preemptive kidney transplantation'>先行的腎移植</span>を優先"]
    E -->|"いいえ/<span class='jp-term jp-term-diagram' title='elective'>待機</span>"| G["HD・PD・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='conservative kidney management'>保存的腎臓療法</span>を選択"]

持続する、悪心、掻痒、栄養悪化、認知変化、、血圧・電解質・酸塩基異常も開始判断となる。十分説明した(comprehensive conservative care)も、・併存症・本人目標に応じた選択肢である。

⚠️ 「がこの値になったら透析」という閾値は、無作為化試験で否定されている。 IDEAL試験は早期導入群( 10.0〜14.0 mL/min/1.73 m²で開始)404例と遅延導入群(同5.0〜7.0)424例を比較し、死亡率に差を認めなかった(1.04、95%CI 0.83〜1.30、P=0.75)。しかも遅延群の75.9%は症状が出たために目標値より高いで導入されている——つまり試験の中でさえ、実際の引き金は数値ではなく症状だった1。推奨される固定閾値は存在せず、症状・・の推移・本人の希望を統合して決める2。自体の管理(を人種係数のない2021年-EPI式で算出し、RAS阻害薬・阻害薬を土台にする)は 2024が現行の指針である3。

透析modalitiesの比較

項目 (HD) (PD)
原理 で拡散・ 腹膜をとしてを交換
アクセス 管AV瘻、、中心静脈カテーテル カテーテル
方式 施設HD・在宅HD;頻度と時間は処方で個別化 CAPD手動交換、夜間のautomated PD
強み 高効率、医療者の直接支援 在宅・連続的、残存腎機能と生活柔軟性
主な問題 透析中低血圧、アクセス感染・血栓、急な体液変動 腹膜炎、カテーテル感染・機能不良、、糖負荷

「HDは週3〜4回、3〜5時間」が典型でも、すべての患者に固定された処方ではない。PDや腹痛は腹膜炎として直ちに検体採取・治療する。

💡 バスキュラーアクセスの考え方は「Fistula First」から患者中心のESKD Life-Planへ移った。 かつては全員にまず管AV瘻という単線の目標だったが、現在は患者ごとにESKD Life-Planを立て、血管温存、合併症が起きたときの代替案、いま使っているアクセスが尽きた後に何を使うか(アクセス継承計画)まで含めて設計する4。「AV瘻が原則として望ましい」という点は変わらないが、余命・血管の状態・本人の療法選択によって最初から最適解が違う、というのが変わった部分である。

腎移植

または献腎を用い、適格な腎不全患者では一般に透析より生存・が良い。が予測される段階で、透析開始6〜12か月以上前を目安に移植評価へ紹介する。

💡 は「一つの合否判定」ではなく、危険因子ごとに積み上げて総合判断する。 の候補者評価指針は、移植へのアクセス、患者背景と健康状態、免疫学的・といった全般的な適格性に加え、、喫煙、糖尿病、肥満、周術期の問題、腎不全の原因、感染症、悪性腫瘍、肺疾患、心疾患・、、消化器・肝疾患、、骨・ミネラル代謝異常を個別に評価したうえで、地域の医療事情も踏まえて候補者としての総合判断を下すという構成をとる5。単一の禁忌項目で機械的に切らないのがこの指針の立て方である。

利点 課題・リスク
透析からの離脱、食事・時間の軽減、長期予後改善 手術合併症、拒絶、毒性
なら先行移植を計画可能 感染、悪性腫瘍、糖尿病・心血管リスク増加
腎内分泌機能もより生理的に回復 ドナー不足、適格性評価、

標準的維持免疫抑制は、antimetabolite、グルココルチコイドなどを組み合わせ、拒絶リスクと感染・毒性を均衡させる。移植後もワクチン、悪性腫瘍スクリーニング、薬物相互作用・管理が必要である。

まとめ

  • は単独でなく、症状と制御不能な合併症で判断する。
  • HD・PD・を生活目標に合わせて選ぶ。
  • 者は早期評価し、可能ならを優先する。

出典

  1. 1.A randomized, controlled trial of early versus late initiation of dialysis(The New England Journal of Medicine・2010)IDEAL試験で、eGFR 10.0–14.0 mL/min/1.73 m²での早期透析導入群404例と5.0–7.0での遅延導入群424例の死亡率に差はなかった(ハザード比1.04、95%信頼区間0.83–1.30、P=0.75)。遅延群の75.9%は症状出現のため目標値より高いeGFRで導入されており、導入時期は数値ではなく症状で決まる。閲覧 2026-08-25
  2. 2.Dialysis for Chronic Kidney Failure: A Review(JAMA・2024)透析開始に推奨される固定eGFR閾値はなく、症状、体液量、検査値の推移、患者の希望を統合して判断すること閲覧 2026-08-25
  3. 3.KDIGO 2024 Clinical Practice Guideline for the Evaluation and Management of Chronic Kidney Disease(KDIGO・2024)eGFRはクレアチニンによる算出を基本とし、人種係数を含まない2021年CKD-EPI式を用いる。2型糖尿病合併CKDではRAS阻害薬・SGLT2阻害薬(eGFR 20以上)を土台とし、血清Kが正常で最大耐用量のRAS阻害薬でもアルブミン尿(30 mg/g超)が残る例に非ステロイド型MRA(eGFR 25超。推奨3.8.1、2A=提案)を加え、メトホルミンとSGLT2阻害薬でも個別の血糖目標に届かない(またはそれらを使えない)例に長時間作用型GLP-1受容体作動薬を用いる(推奨3.9.1、1B。条件はアルブミン尿ではなく血糖目標の未達)という治療戦略を示す。閲覧 2026-09-24
  4. 4.Hemodialysis Vascular Access: Core Curriculum 2025(American Journal of Kidney Diseases・2025)患者ごとのESKD Life-Planに基づき、血管温存、合併症時対応、アクセス継承まで計画すること閲覧 2026-08-25
  5. 5.Summary of the Kidney Disease: Improving Global Outcomes (KDIGO) Clinical Practice Guideline on the Evaluation and Management of Candidates for Kidney Transplantation(Transplantation / KDIGO・2020)献腎・生体腎移植の候補者評価と管理の指針で、移植へのアクセス、患者背景と健康状態、免疫学的・心理社会的評価といった全般的な適格性に加え、アドヒアランス、喫煙、糖尿病、肥満、周術期の問題、腎不全の原因、感染症、悪性腫瘍、肺疾患、心疾患・末梢動脈疾患、神経疾患、消化器・肝疾患、血液疾患、骨・ミネラル代謝異常を個別の危険因子として評価し、それらを統合して候補者としての総合判断を下すよう求めている。閲覧 2026-08-25