Internal Medicine

Internal Medicine · H-24

慢性リンパ性白血病・小リンパ球性リンパ腫

Chronic Lymphocytic Leukemia and Small Lymphocytic Lymphoma

前提:病態
慢性リンパ性白血病(CLL)EGFR・ABL・BCL2遺伝子(腫瘍形成への関与)
薬剤
ベンダムスチン
疾患
慢性リンパ性白血病

🧠 全体像リンパ腫は同一の成熟B細胞腫瘍で、主な病変部位と末梢血の腫瘍細胞数で呼称を分ける。早期・無症候例は治療せず観察し、病期だけでなく活動性疾患の有無を治療開始の基準とする。

CLL・SLL・MBLの区別

病態 末梢血のクローン性B細胞 リンパ節・臓器病変
(monoclonal B-cell lymphocytosis:MBL) 5×10^9/L未満 腫大や症状なし
CLL 5×10^9/L以上が3か月以上持続 あってもなくてもよい
SLL 5×10^9/L未満 リンパ節などの組織病変あり

CLは典型的にCD19、CD5、CD23をし、CD20との発現は弱い。では小型成熟リンパ球と、壊れやすい細胞に由来する核影を認める。

臨床像

  • 健診で見つかる持続性リンパ球増加
  • 、脾腫、
  • による貧血、血小板減少
  • 低γグロブリン血症による
  • B症状、急速なリンパ節増大、LDH上昇ではを疑う

はCLL/SLLからリンパ腫、主にDLBCLへ移行する病態であり、疑わしい場合はPET/CTで部位を選びする。

診断と治療前評価

flowchart TD
    A["持続性リンパ球増加またはリンパ節腫脹"] --> B["血算・塗抹・末梢血<span class='jp-term jp-term-diagram' title='flow cytometry'>フローサイトメトリー</span>"]
    B --> C{"クローン性B細胞が5×10^9/L以上か"}
    C -->|"はい"| D["CLL"]
    C -->|"いいえ"| E{"組織病変があるか"}
    E -->|"はい"| F["生検でSLLを確認"]
    E -->|"いいえ"| G["MBL"]
    D --> H["治療前にTP53/del17p・IGHVなどを評価"]
    F --> H

治療が必要になった時点で、少なくともdel(17p)/TP53異常とIGHV変異状態を評価する。これらはと予後に大きく関わる。

Rai病期分類

Rai病期 所見 従来のリスク群
0 リンパ球増加のみ 低リスク
I リンパ球増加+リンパ節腫脹
II リンパ球増加+または脾腫
III リンパ球増加+貧血(Hb 11 g/dL未満) 高リスク
IV リンパ球増加+血小板減少(10万/μL未満) 高リスク

Rai病期は予後評価には有用だが、病期だけを理由に治療を開始しない

治療開始基準

flowchart TD
    A["CLL/SLLを診断"] --> B{"活動性疾患があるか"}
    B -->|"いいえ"| C["定期的な<span class='jp-term jp-term-diagram' title='watchful waiting'>無治療経過観察</span>"]
    B -->|"はい"| D["分子所見・併存症・薬剤相互作用を評価"]
    D --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='targeted therapy'>標的治療</span>を中心に選択"]

活動性疾患には、進行性、巨大または進行性リンパ節腫脹・脾腫、急速なリンパ球増加、治療抵抗性自己免疫性血球減少、症候性節外病変、疾患関連B症状などが含まれる。リンパ球数が多いという理由だけでは治療しない。

現在の治療原則

治療群 特徴
共有結合型 継続投与型。心房細動、出血、高血圧、薬物相互作用などを考慮
期間限定治療が可能。開始時のと漸増が必須
その他の標的薬 再発・、前治療に応じて非共有結合型などを選択

del(17p)/TP53異常ではへの反応が乏しく、を優先する。化学免疫療法は現在、初回治療の一般的な標準ではない。代表的な化学免疫療法である+リツキシマブ(BR療法)もフィットな患者へのかつての選択肢だったが、基盤のにその座を譲っている。

支持療法

  • 、感染症の早期治療、選択例で免疫グロブリン補充
  • 抗CD20抗体や免疫抑制治療前の評価
  • ・ITPへの適切な治療
  • 皮膚がんを含む二次がんの予防・検診

まとめ

  • CLLとSLLは同一腫瘍で、末梢血クローン性B細胞数5×10^9/Lが呼称の境界となる。
  • 早期・無症候例では治療せず観察し、Rai病期だけで治療を始めない。
  • 治療前にTP53/del17pとIGHVを評価する。
  • 現在の初回治療はまたは基盤のが中心である。