Internal Medicine

Internal Medicine · S-06

原発性・続発性肺高血圧症

Primary and Secondary Pulmonary Hypertension

前提:病態
肺性心
前提:正常
呼吸器系におけるガス交換と肺循環
疾患
肺高血圧症
症状
労作時呼吸困難

🧠 全体像>20 mmHgと定義する。だけでなく、左心疾患、肺疾患・低酸素、慢性血栓塞栓、複合機序を5群に分類し、原因群に合わないPAH治療薬を安易に使わない。

血行動態定義

mPAP PAWP PVR
PH >20 mmHg 問わない 問わない
>20 mmHg ≤15 mmHg >2 WU
孤立性 >20 mmHg >15 mmHg ≤2 WU
前・後毛細血管PH >20 mmHg >15 mmHg >2 WU

PVR = (mPAP − PAWP) / 心拍出量 で求める。mPAP ≥25 mmHgという閾値は旧定義であり、現在は用いない。

WHO臨床分類

病態 代表例
1 PAH 特発性、遺伝性、薬剤性、、門脈圧亢進、、HIV関連
2 左心疾患に伴うPH HFrEF/、弁膜症
3 肺疾患・低酸素に伴うPH COPD、ILD、低換気症候群
4 肺動脈閉塞 慢性血栓塞栓性PH(CTEPH)
5 不明・ 、代謝疾患など

病態と症状

PAHでは小肺動脈の中膜肥厚、内膜増殖、によりPVRが上昇する。右室は初め肥大で代償するが、やがて拡大、、右心不全へ進む。

初期は、胸痛、失神で、進行すると、右室性III音、、腹水、を認める。

診断経路

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='effort dyspnea'>労作時呼吸困難</span>・失神・右心不全"] --> B["ECG・胸部画像・BNP・肺機能・心エコー"]
    B --> C{"PHの可能性"}
    C -->|"低い"| D["他原因を検索"]
    C -->|"中〜高"| E["左心・肺疾患を評価+V/Q スキャン"]
    E --> F["専門施設で<span class='jp-term jp-term-diagram' title='right heart catheterization'>右心カテーテル検査</span>"]
    F --> G["mPAP・PAWP・PVRで分類"]
    G --> H["WHO群とリスクに応じ治療"]

心エコーはPHの確率推定と右心評価に使うが、確定・血行動態分類は右心カテーテルで行う。CTEPHのスクリーニングには(ventilation/perfusion scan:V/Q scan)が重要で、正常ならCTEPHをほぼ除外できる。

群別治療

1群:PAH

  • 専門施設で、運動能、BNP、右室機能、血行動態から死亡リスクを反復評価する。
  • 多くの低〜例はなどの初期併用療法を用いる。
  • 高リスク例ではを含む非経口経路治療を組み込む。
  • Ca拮抗薬は、特発性・遺伝性・薬剤誘発性PAHのうち、右心カテーテルでが陽性の少数例だけに使う。
PAH治療経路 代表薬 要点
経路
NO–cGMP経路 を併用しない
経路 高リスク例では静注薬を含む治療を検討。と中断リスクが異なる

持続では、ポンプ、混注管理が必要である。急な中断はPH、右心不全、死亡を招くため、ライン感染やポンプ故障を緊急事態として扱う。

2〜5群

治療原則
2群 心不全・弁膜症を最適治療する。PAH薬はルーチンに用いない
3群 肺疾患、低酸素、を治療する。PH-ILDでは選択例でを検討
4群CTEPH 生涯抗凝固。手術可能なら、不能/残存例は
5群 原因疾患と個を治療する

[!] を使用する」という旧来の記述は現在の実践と逆である。悪化・入院増加が示され、使用しない。

まとめ

  • 現在のPH定義は右心カテーテルでmPAP >20 mmHgである。
  • PAWPとPVRを用いて前毛細血管性/後毛細血管性を分ける。
  • 心エコーは推定、右心カテーテルは確定、V/Q スキャンはCTEPH検索に重要である。
  • PAH薬は1群を中心に専門施設で使い、2・3群へ一律転用しない。
  • CTEPHは抗凝固だけで終わらず、内膜摘除術・BPA・の適応を評価する。